【はなこ寄稿文】結婚の理想と現実がかけ離れすぎていた

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みなさまこんにちは、わたしははなこ。ブログで親バカ育児日記を書いたり、SNSで夫の愚痴をばら撒いたりしている悪徳主婦である。

結婚5年目、プチ別居回数2回、夫とともに喧嘩の絶えない温かな家庭を育むわたしが、こんな場で何かを綴るなど物騒すぎやしないか、と思わなくもないが、それは知ったこっちゃないので、本日はわたしの体験した「結婚生活」について書いてみることにする。

わたしにとっての結婚、それは、「理想」「現実」がかけ離れすぎているものであった。

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結婚願望がある者なら誰しも、「結婚ってこんな感じかなあ」「こうだったらいいなあ」みたいなことを想像したりすることだろう。わたしはそうであった。しかしながら実際に結婚をしてみると、それはもう「こんなはずじゃなかった」の連続なのである。

わたしたち夫婦は結婚前に7年ほどの交際期間があり、そのためある程度、夫となる彼のことを理解していたつもりだったのだが、それも間違いだったようである。彼に関しては、「クリスティアーノ・ロナウドと出川哲朗を足して2で割ったような顔の人だな」程度のことは把握していたものの、やはり結婚して共同生活を送るようになると、「あんたこういう面あったんかい」というような驚きがたくさん待っているのである。しかもそれだけにとどまらず、20年以上付き合ってきた自分自身に対しても、「おいおい、おぬしこういう面あったんかい」と、思わぬ発見をすることも少なくないのである。

結婚の現実その1.あやうく役所離婚

婚姻届の提出とは、これから夫婦としてやっていく二人にとって、とても重要な瞬間である。二人手を取り合い、「これから夫婦としてよろしくおねがいします」と誓い合う大切な場面である。なんなら婚姻届を二人で持った記念写真をFacebookにアップしちゃっているカップルだっているくらいだ。

それがわたしたちの現実ときたらどうだ。

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「不備がありますので受理できません。」

まさかの婚姻届突き返しである。

夫「あ、そっか、俺ハンコ押すの忘れてた(テヘペロ)☆」

テヘペロじゃねえだろ。わたしのドキドキを返せ。

夫「印鑑、家に取りに行くから30分待ってて!」

私「...。」

役所の外に出て彼を待つわたしを冷たい秋の風が包み込んだ。そもそも今日の待ち合わせだって20分くらい待たされているのだ。そのうえ書類不備、悪びれぬあの態度!彼のいいかげんな性格は百も承知だが、突然のマリッジブルーに陥ったわたしには、この結婚自体に不備があるように思えてしょうがない。

30分を大幅に過ぎて戻った彼に、「よく考えたんだけど、わたしたち離婚しよう」と伝えた。これぞ役所離婚である。もしやギネス記録では?

しかしながらあいにくまだ結婚していなかったため、離婚はできなかった。テヘペロ☆

結婚の現実その2.インスタントラーメンは最高の火種

結婚して驚いたのは、「人間、こんなに小さなことで喧嘩できるんだなあ」ということである。その一例を紹介しよう。

わが家では、毎日の食事作りはわたしが担当している。しかし休日になると、夫が自ら「はなこお腹すいた?何かつくろうか?」などと気をまわしてくれることがある。

「いいところあるじゃねえか(´;ω;`)ブワッ」と涙ぐむわたしを尻目に、「じゃあインスタントラーメン作るね」と大ハリキリの夫である。

インスタントラーメンだっていいさ。どんな料理だって、愛する人が作ってくれるものほどおいしいものなんてないだろ?

夫「できたよ~♡」

笑顔で醤油ラーメンを運んでくる夫、それを笑顔で受けとるわたし。ささやかな幸せの光景である。

私「いただきまーす!」

夫「(^ω^)」

私「フーフー。ズルズル。ぶぇッッ!」

夫「(^ω^)!?」

「なにこれ!?!?!?!マズ!マッッッッッズ!!」

思ったことをすぐに口に出してしまうのがわたしの悪い癖である。それにしても不味い。これは不味い。麺がべっちゃべちゃだしスープもなんか薄い。

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私「え?え?ちょっと待って。インスタントラーメンこんなに不味く作れる人初めて見たんだけど!やばくね!」

口が悪いのもわたしの悪い癖である。

私「裏面の作り方読んだ?」

夫「読んでない。」

私「読めよ!」

「(箸バンッ!!)」

怒った夫は別室にこもってしまったので、わたしたちはそれから30分ほど口を利かなかった。インスタントラーメンで喧嘩になるなんて結婚は異なものだ...と思いつつも、これはたぶんわたしが悪いような気がしたので、素直に謝った。

仲直りしてビールで乾杯した。嫌なことは水ではなくビールに流すのが一番である。

結婚の現実その3.夫はどこへ行った?

結婚すれば、愛する人と毎日一緒にいられるものだと思っていた。しかしわたしたちの現実といえば、ちゃんと会えるのは週に1回程度である。

夫は仕事が忙しく、毎日が朝帰り、数日帰ってこないなんてことも珍しくない。わたしも働きに出ているので、週に1回(あるかないか)の二人そろった休日しか、夫とゆっくり話をしたりする機会はないのである。

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これはぶっちゃけかなり寂しい。わが家には娘が1人いるが、育児の分担だって全く期待できない。ほぼシングルマザー状態である。疲れて布団から出てこられない夫を見るたびに、もう少し条件の良い職場に転職できないものかと訴えたり、そのことで喧嘩になったこともある。けれども夫には転職の意志はなく(目標のために譲れないのだという)、わたしはこれが、わたしたち家族のかたちなのだと受け入れるしかなかった。

しかしそれは悪いことばかりをもたらすわけではない。

大事な人と一緒にいられる時間がどれほど貴重なものか、わたしたちはそのことを毎日身を持って実感しているのである。

だから前章のように、結婚してすぐのころ頻発していた、「インスタントラーメンで喧嘩する」なんていう事象は、今ではほとんどなくなった。喧嘩していがみ合っている時間がもったいないからである。

今日も朝5時に帰宅した夫は、まだ深い眠りにつくわたしのおしりをこちょこちょし、「なに。」と不機嫌な声をだすわたしに向かって、「はなこ、お誕生日おめでとう」と静かに言った。わたしは思わず3滴ほど涙を流し...たわけではないが、こんなたった一瞬のコミュニケーションが、わたしにとって...わたしたちにとって幸せな時間なのである。

結婚に対する大きな勘違い

結婚する前のわたしは思っていた。結婚したその日から、わたしたちは「夫婦になる」のだと。しかしそれはわたしの大きな勘違いだったようである。

結婚5年目を迎えたわたしたちは、未だ「夫婦になる過程を歩んでいる」に過ぎない。これから何十年かけて「夫婦になっていく」道のりの、いわば序章に過ぎないのだ。

この「夫婦になっていく」という作業は、ひどくめんどうくさいものである。

つらい涙を流し、もうだめだと途方にくれることもある。

ひとりでいれば、なんだって好きなことができるのに。

人と深くかかわることを避けて生きてきたわたしにとって、他人に歩み寄るなんてことは、一番苦手なことなのだ。

だけれどわたしは、これからも彼と夫婦になっていきたいと思う。

だってすごく好きなのだ。

インスタントラーメンもろくに作れないその人のことが。

彼はいつだってカラリと笑いながら、わたしひとりでは到底見られないような景色を見せてくれる。わたし自身が、「自分にもこんなことができるんだ」と驚いてしまうほどに。

わたしの結婚の「現実」は、たしかに「理想」とは程遠いものだったが、失望はしない。

わたしがひとりで思い描いた「理想」よりも、ふたりでつくる「現実」のほうが、何百倍もエキサイティングで愛おしいものだから。

【著者紹介】

はなこ

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2011年に結婚した、酒を飲み過ぎる夫婦の片割れ。

「はなこのブログ」(hanako-no-blog.com

にてくだらない日記を更新中。

Twitter: @hanako55211

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