こんにちは! ライターのさえりです。
先日、仕事の関係で台湾に行ってきたのですが、現地で出会った若い女性と話していたら、話題は自然と"恋バナ"に。
台湾に来ようが日本に居ようが、女子たちの話題ってどこもあまり変わらないみたいです。
台湾のゲームマーケティング会社SHIRYOUKO STUDIOで働くユンさん(左)とバンビさん(右)のお二人。恋愛の話になった途端に、ガールズトークが猛スピードで展開されることに......。
「さすがに30までには結婚したいと思ってるんだよね」
「わかるわかる!」
「わたしの周りも、最近結婚ラッシュで。披露宴もいいけど、やっぱり式がいちばん好きだなぁ。指輪の交換シーンとか見てると、泣いちゃうんだよね」
「え! 泣いちゃうの? 私たち逆にちょっと笑っちゃうけどなぁ」
「えっ!? なんで!?」
「台湾だと、指輪交換のときに指の根元まで指輪を入れさせないようにするんです。女性が一瞬手を引いて嫌がるようなそぶりをするんですけど、その様子がおもしろいんですよね」
「そうそう。女同士でこっそりクスクスするんだよね~」
「なんで!?!?!?!?」
「嫌がるのが文化なの」
「なにそれ!? どんな文化!?」
「嫌がらないと......ねえ?」
「そうそう」
「なんでなんでなんで!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
「うーん。理由は、ちょっと難しいんですけど、〇 ×△〇 〇 ×△□ ~~?〇 ×△□ !」
理由を深く尋ねようとした途端、立ちはだかる言語の壁......。きっと深い意味があるんだろうな......。
どうしても気になったわたしは、街に出て「本当に台湾の女性は指輪交換を嫌がるのか、そしてその理由は何なのか」を確認してみることにしました。
指輪交換を嫌がるのは本当かどうか、聞き込みに行った
話の真偽を確かめるために台湾台北市にある商業地区「西門町(せいもんちょう)」にやってきました!
西門町は「台湾の原宿」と呼ばれています。また、日本のゲーム・アニメなどのカルチャーの発信地としても有名な場所なんだそうです。
現地調査にあたり、通訳を担当してくれたのは、現地に住む中国語ぺらぺらの日本人学生!
Twitterで呼びかけたらすぐに駆けつけてくれました。天使。じつに頼もしいです!
それでは早速、真偽を確かめてみましょう!
「指輪交換のとき、根元まで入れるのを拒むって本当?」
「あたりまえでしょ、拒むわよ」
いきなりいました! なに言ってんのよ、と言わんばかりの涼しい顔で「指輪交換でしょ? 根元まで押し込むなんてとんでもない」と言っています。
なんで!?
不可解な顔をしているわたしに、彼女は続けてこう言います。
「指輪は、第二関節まで。男の人に入れるときは、指の根元まで押し込むんだけどね」
「......え? 女の人は第二関節までなのに、男の人には指の根元まで入れていいの?」
どんどんわからなくなる台湾の指輪交換事情。疑問は深まったまま、次の人へ......。
「指輪交換? 絶対根元まで入れちゃだめよ。第二関節まで」
また出た! 遭遇した既婚台湾女性の2分の2が「指輪を根元まで入れない系女子」!
「でもね。男の人に指輪を入れるときは、指の根元までグググググーー!! と押し込むのよ」
少しいたずらな顔で笑いながらアドバイスをくれますが、 なんで!? どうして!?
「指輪は第二関節までしか入れさせないものよ。女性だけだけど」
「若い人のなかには信じていない人もいるけれど、女性は奥まで押し込まないほうがいいとは言います」
なんで!? なんで!? なんで!?!?!?!?
もはやパニックになっているわたしを救ってくれたのが、こちらの女性でした!
「わたしも指輪交換の時には、指輪は絶対根元まで入れさせませんでした」
「さっきからみんな、指輪交換の際は"第二関節までしか入れさせない"って言っていたんですが、どうしてなんでしょうか......? 指輪交換ってきっと楽しみにしているものじゃないですか。結婚指輪もすぐにはめたいはず。それなのに嫌がる理由がわからないんですが......」
「ううん、結婚を嫌がっているわけでも、指輪を嫌がっているわけでもないの」
「指輪を根元まで入れさせないことで、男の人に縛りつけられない・男の人の言いなりにならない、という意味合いがあるのよ」
「ええええー!! そんな意味が!?」
「でもね、男の人のことはちゃんと捕まえておかないといけないから、根元まで押し込むのよ」
この話、横にいた旦那さんも知らなかったみたいで、わたしより驚いた顔してました。
「えっ!!!!! そうなの!?!?」
「え、そうだよ、知らなかったの?(笑)」
女性が指輪を嫌がるのは伝統的な儀式のようですが、理由は「縛られないようにするため」なのだとか。逆に男性には押し込むらしい。
「たしかに指輪を入れようとしたときに少し嫌がられましたけど、そんな意味だってことは知らなかったな」
どうやら女性は徹底して指輪を根元まで入れさせないように拒んでいるというのに、男性側はそれすら気づかず、いつのまにか指輪を押し込まれているようです。しかも「離れないでね」という願いを密かに込められて。
念のため、ほかの既婚男性にも聞いてみました
「台湾では指輪交換の際、女性は指輪を第二関節までしか入れさせないようにするそうですが、知っていましたか?」
「え? しらない......」
「最後まで押し込んでしまうと、"男性に縛られてしまう"っていう意味があるらしくて。女性は拒むそうですが、男性に指輪をはめるときは奥まで押し込んで、逆に"離れないようにさせる"らしいですよ」
「えっ......そうなの!?」
「そうなんだ......。たしかに奥さんに指輪をはめるときに少し嫌がられたけど、そんな意味があるって知らなかったよ」
やっぱり知らなかった......! でも、なんだか少しうれしそう。「離れないようにかぁ」と、つぶやいていました。
台湾の夫婦はラブラブ......!
そういえば、最初の二人に話を聞いたときにもこんなことを言っていました。
「台湾は、女性の方が気が強いことが多い気がします。だからカップルも、男性が尻に敷かれていることが多くって」
「でもみんなすごくラブラブなんです。浮気とかもあまり聞かないですし、本当に仲良し夫婦が多いイメージがあるな~」
言われてみると、手をつなぎ腕を組み、仲良く街を歩いているカップルが多かったような。
ここにも。
あっちにも。
"30秒に1組くらいのペース"で、手をつないでいるカップルが通り過ぎます。
年配の夫婦も見かけました。
みんな、ラブラブなんだろうな。
結論!
指輪を押し込まないのは本当だった!
しかも女性は"縛られないように"指輪を根元まで入れず、逆に男性には"離れないでね"としっかり指輪を入れる、とのこと。
それに、男性にいつまでもそばにいてくれるように願いをかけたせいなのか、台湾の夫婦は年をとってもラブラブなカップルが多いようです。う、うらやましい!
また、聞き込み調査を行う中で、ほかにも変わった台湾の結婚事情を聞くことができたので、一部ご紹介したいと思います!
- 新郎は車で新婦を迎えにいく際、家の周りを3周するか遠回りをして迎えにいかなければならない。
→結婚には覚悟が必要なんだから困難を乗り越えなきゃいけない、という昔の風習が残ったものとのこと。
- 新郎が家についた際、新婦の姉妹か新婦の女友達が、新郎にクイズを出したり無茶振りをしたりして、「これを全部クリアしないと新婦には会わせない!」と、なぜか邪魔されることがある。
→同じく、困難を乗り越えてから結婚しようねという風習の名残りらしい。
- 婚約式と結婚式を終え、車で新郎の人の家にいく際には車はバックさせてはいけない。
→「もう戻ってはいけないから」らしい。
- そもそも結婚式を挙げられる日は「旧暦」で決まっているので、月に3回くらいしか結婚式があげられないことがある。
→結婚できる時間も決まっているらしい。 - ってことはその日に殺到して大変なことになるのでは? と思ったけれど、半年ほど前から予約するので大変なことにはならないらしい。
→最近では旧暦を気にしない若者もいるのだそうです。 - 結婚式はジーパンとかで出席もOKなど、かなりカジュアル!
→「みんなで楽しく飲もうね」という要素が大きいらしい。
※取材から得た情報ではありますが、もちろん家庭によって異なるようです。
最後に
と、いうことで現地調査でわかった"台湾ならではの結婚事情"をお送りいたしました!
何気ない恋バナがきっかけで「指輪交換の話」を知ることになったのですが、思っていたよりも素敵な意味が込められていて、すさんだわたしの心も思わずほっこり。
きっと誰しも、結婚するならいつまでも仲良くいたいですよね。
文化は違えど、願いは同じ。
わたしも結婚したら、年を取っても手をつないで歩くんだもんね。
うんうん、でも、まずは結婚できるようにがんばろ......。
結婚しているみなさんは、ぜひ台湾の仲良し夫婦のようにラブラブ生活を送ってくださいね。みなさんがいつまでも幸せでありますように!
それでは~!
(取材協力)
今村奈緒美、白崎明亜、古知屋雅子、石田健
(ライター)
さえり
株式会社LIGに所属しているライター・編集者。
好きなものは雨の日と紅茶と他人の妊娠ブログ。
Twitter:@N908Sa
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