こんにちは。ライターのカツセマサヒコです。
突然ですが、皆さんはウエディングサロンってご存知ですか?
僕はサロンって言われると日サロぐらいしか思い浮かばなかったんですけど、ウエディングサロンは、結婚式場探しなどを無料でお手伝いしてくれる場所のことらしいです。
当媒体「Kekoon(ケコーン)」を運営しているマイナビも、「マイナビウエディングサロン」という一切ひねりのない名前のウエディングサロンを運営しているのですが、今回、マイナビウエディングサロンは、業界初となる「LGBTウエディングコンシェルジュ研修」なるものをサロンスタッフ向けに実施していました。
同性同士の結婚式は最近ニュースで目にしたことがあるけど、会場探しから協力してくれるところは確かにあまりなさそうですもんね。こうした受け入れ態勢が整うのはいいことかも。
ということで、今回はマイナビウエディングサロン新宿店にて実施された、「LGBTウエディングコンシェルジュ研修」最終日の模様をざーっくりお届けしたいと思います!
(参考)そもそもLGBTとは?
「LGBT」とは、同性愛のLesbian(レズビアン)とGay(ゲイ)、両性愛のBisexual(バイセクシュアル)、出生時に法律的/社会的に定められた自らの性別に違和感を持つTransgender(トランスジェンダー)の総称で、それぞれの頭文字をつなげた略語です。日本語ではしばしば、LGBTを含めた性的マイノリティー(性的少数者)全体を指す用語としても使われます。近年は一部の先進企業を中心に、性的指向による差別を禁じる社内規定を設けたり、性的少数者向けの就職説明会を開いたりするなど、LGBT人材が働きやすい職場づくりに取り組む動きも徐々に広がり始めています。
出典:人事労務用語辞典
講師陣とゲストが豪華!
この日は「セクシュアルマイノリティのカップルが結婚式場探しの相談にきた」という設定のロールプレイング研修を行っていました。
講師はLGBTに関するメディア運営や教育・研修を行っている株式会社Letibee(レティビー)です。代表取締役の外山雄太さんが冒頭にごあいさつ。
「おはようございます! 今日は最終回ということで、実際に結婚式を挙げたいレズビアンカップルがいらしたという設定で、皆さんにロールプレイングをしてもらいます」
研修は7月からやってきて、これまで講義やケーススタディによる勉強会、実際のLGBTウエディングのビデオ上映などを重ねてきたのだとか。とうとう最終回、実際に接客を行います!
ロールプレイングのお客様役は、株式会社トロワ・クルール代表取締役・増原裕子さん(写真左)と、元タカラジェンヌ・現LGBTアクティビストの東小雪さん(写真右)です! LGBT関連の会社を運営しながら、LGBTアクティビストとして多数のメディア出演を重ねているおふたりがやるなんて豪華すぎる!!
ちなみに、11月5日に渋谷区の「パートナーシップ証明書」を日本で初めて受け取ったのも、このおふたりです。もはや日本で一番有名なレズビアンカップルと言っても過言じゃないかも。
さっそくおふたりからごあいさつです。
私たちは2013年に日本で初めてディズニーシーにて同性同士の結婚式をして、メディアにも取り上げられました。今でもそれがよい思い出になっています。この幸せな気持ちをより多くの人に体験してもらいたいので、皆さんぜひよろしくお願いします。
私たちは一度挙式をしていますが、今日は改めて、フレッシュな気持ちでやれたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。
ロールプレイング研修がスタート!
自己紹介が終わると、さっそくロールプレイングがスタート。通常営業時と同じように、研修生であるサロンスタッフが名刺を渡すところからスタートです。
まずは「いつ、どんな場所で、どんな式を挙げたいか」などをカウンセリングシートに記入してもらい、その情報をもとに、雑談を交えながら結婚式のイメージを固めていきます。
スタッフ「挙式に呼びたい人数などは決まっていますか?」
「基本的には会社の同僚と友人、家族・親族を呼ぼうと思っているんですけど、私の方は親にLGBTであることをカミングアウトをしていないので、親戚は呼ばないつもりです」
スタッフ「ご事情をお話くださってありがとうございます。最近はご親族の方が少なくて、ご友人が多いパターンの挙式も多いですから、ご心配なさらないでください」
「そうなんですね! ありがとうございます」
スタッフ「ドレスとタキシードは、どちらにしたいかご希望ございますか?」
「私はドレスが着たいです!」
「私はドレスとタキシードどちらにしようか迷ってます。和装も、いいですよね......」
スタッフ「和装にもいろいろ種類がありますから、選ぶのはきっと楽しいですよ!」
「和装と洋装だとどれぐらい違うんですか?」
スタッフ「一概には言えませんが、和装は着付け料金が別途発生することもありますので、少々お高くなるケースもあります。」
「そしたら、2人で和装を着付けしたら、値段も倍に......?」
スタッフ「そうなりますね」
「更衣室も、ふたりとも着付けしたら、スペースがそれなりに必要そう......」
スタッフ「おっしゃるとおりで、恐らく会場によっては、二部屋お借りする必要もあるかもしれませんね。そこは会場に確認させていただければと思います」
実践形式が初めてなの、ホント!? と疑うくらい、対応がスムーズなのに驚きました。はたから見ていると気付かないようなポイントにも、冷静かつ親切に答えているのが印象的です。
ここで研修生がバトンタッチ。進行は先ほどの続きのまま、スタッフだけが入れ替わります。
スタッフ「会場はホテルやレストラン、ゲストハウスなど、会場によって雰囲気が異なりますが、どちらでやりたい、といったご希望はございますか?」
「今まで参列したときは、ホテルが多いかな? ゲストハウスってどんな雰囲気なんですか?」
スタッフ「ゲストハウスは、一軒家タイプの結婚式場が多く、ゲストを自分の邸宅に招くような、プライベートな雰囲気を演出できます」
「そうなんですね! ゲストにもLGBTの方がいるので、ほかの式の方とバッティングするのは、さけたほうがいいかもしれないです」
スタッフ「では貸切感のあるゲストハウスの方が気持ちも楽かもしれないですね!」
「あと、トランスジェンダーの友人がいるので、性別関係なく誰でも使えるトイレがあると、うれしいです!」
スタッフ「そうですね! そちらも会場をピックアップする際のポイントに入れておきますね」
「ありがとうございます。あとは、余興などもやってもらいたいし、窓があって明るい感じがいいかなと思っています」
スタッフ「かしこまりました! ではご要望に沿った会場を探してみますので、10分程度お待ちくださいね!」
この後も実際に2件ほど、過去にLGBTウエディングの実績がある会場が紹介され、終始和やかな雰囲気のなか、接客ロールプレイングが終了しました。
フィードバック そして修了証の授与!
さっそくカウンセリングを受けたおふたりから、フィードバックです!
「皆さんフレンドリーな雰囲気で、安心してカウンセリングを受けられました。私が『カミングアウトしてないから親を呼ばない』って言ったら『ご事情をお話いただきありがとうございます』って一言が返ってきて、こういう気の利いた言葉がたびたびあってうれしかったです」
「過去の事例をいっぱい挙げてくれたのがうれしかったですね、今後も経験値が増えていくでしょうし、どんどんノウハウを蓄積してもらえればと思いました。あとは、会場で私たちの希望通り対応できるかわからないときは『確認します』とハッキリ言えていたことがよかったです」
「会場の資料については、ワンカットでもよいのでLGBTカップルの写真があったらイメージが沸くと思いました。 指輪の写真も、女性モノ同士があったりすると、イメージしやすいと思います。経験談ですが、ディズニーで挙式をしたときは、『こんな写真になりますよ!』 と、わざわざ女性スタッフがふたりともドレスを着た写真を見せてくれたんです。それで式のイメージができたのがあったので」
「どれだけ結婚式当日の様子をイメージできるか」というのは確かに大事な要素。まだまだサロンとしてお客様のためにできることはありそうでした。
最後に、講師の外山さんからもフィードバックがありました。
「結論から言うと、皆さん、とてもよかったです! これまでいろんなシーンでLGBTの話をしてきましたけど、皆さんがその知識をひけらかすわけじゃなく、あくまでもフラットな接客をして、お客様の話を聞く姿勢に徹していたところが一番よかった。セクシャリティってグラデーションで、『LGBTだからこう!』っていう決まりは一切ないんです。そこのバランスをきちんとわかっている、よい接客だったと思います。
そのうえで細かいアドバイスになりますが、その場ではわからないことに対して、『確認します』とハッキリ返していたのはよかったです。でも今後、どんどん会場を開拓して、いろんなケースを共有していくとノウハウが身に付きますよね。そしたら、理想はその場で『できますよ』って言えることです。より安心感を与える対応を取れるように、勉強していってもらえればと思います」
多少の課題はあるものの、講師陣からも高評価! 確かに「私、LGBTのこと知ってるから!」ってドヤ顔で接客されたら正直ドン引きしそう......。そこのバランス、大事ですよね。
フィードバックが終わると、講師のLetibeeから受講者へ、研修修了の賞状が授与されました。Letibeeが賞状をつくるのは今回が初めてだそうです。レア感すごい!
こうしてLGBTウエディングコンシェルジュ研修が修了し、マイナビウエディングサロンはこれまで以上に多様なカップルの結婚式をサポートできるようになりました!
「いかにふたりの気持ちに寄り添うか」 研修を終えたスタッフの声
最後に、研修を受講したサロンスタッフの篠原仁実さんに、感想を聞いてみました!
ーー今回の研修はいかがでしたか?
「ロールプレイングは緊張しましたが、これまでの研修での経験も活かして、普段から自分がやっている接客をするのが一番だなと思い、対応しました。
東さんと増原さんに質問した内容も、いつもの接客と変わらないんです。回答について配慮した部分はあるのですが、『楽しく会場を探してほしい』という気持ちで接している点は変わらないので、それが伝わっていたらうれしいです」
ーーLGBTの方たちへの接客で、一番気をつけなければならないポイントは何だったのでしょうか?
「いえ、本当に、ほかの方たちと変わらないんです。いかにおふたりの気持ちに寄り添えるかっていうことだけなので。ただ、触れちゃいけない部分が人によってはあると思うし、聞き方は気をつけなければならないと思っています。
LGBTの方に限らず、まずはご事情を話してくれそうな雰囲気を作ることが大事なので、アイスブレイクも大切ですし、配慮の一言を先回りして言えるかどうかも大事なことだと思いました。
あとは、経験を経て、さまざまなケースをどんどん定番化していきたいですね! 」
ーーありがとうございました!
「結婚式を挙げたいけれど、どうしたらいいかわからない......」とお悩みのLGBTの皆さん、ぜひマイナビウエディングサロンの扉を叩いてみてください!
きっと納得いく結婚式ができるはずですよ!!
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