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各界のプロフェッショナルが語る、最強ウェディングノウハウ。プレミアム花嫁塾。ゲストの“記憶に残る”、結婚式の美食メソッド - 来栖 けい(美食の王様)

【スペシャル対談】"美食の王様"が教える、結婚式の料理でこだわるべきたった1つのこと

208.JPGこの春、新しくなった「マイナビウエディング プレミアムヴェニュー」で、結婚式の料理に関する連載コラムをスタートさせる来栖けいさん。『美食の王様 - 究極の167店 珠玉の180皿』の著者であり、これまで2万軒以上のお店を食べ歩き、一切取材しない独自のスタイルを貫く来栖さん。今回は、ご自身の"料理の哲学"と"理想のウエディング料理"についてマイナビウエディング編集長・あつみゆりかがインタビュー。ゲストを料理でもてなすヒケツもお伺いしました。


◆一切取材をしないで書き上げた著書「美食の王様」の誕生秘話
あつみ「ご自身の著書名にちなんで「職業=美食の王様」として現在、様々なメディアでご活躍されていますが、現在のお仕事をされることになったきっかけを教えてください。」


来栖「僕は、もともと食べることが好きで、学生時代からいろいろなお店を食べ歩いていたんです。食べた料理について、メモ程度の簡単な文章を書いたりして......。たまたま僕のよく行くパン屋さんの店長に、その文章を見せたら、その方が担当編集者に僕の話をしたらしく、書籍を書いてみないかってことになったんです。」


あつみ「食にまつわることをお仕事にされる予定ではなかったのですね」


来栖「はい。最初は、書籍も1冊だけの予定でした。ただ、書き始めてみたら、紹介したい物が多く、1冊ではおさまらなくなった。それで、レストラン編、スイーツ編、パン編と3冊に分けて出版させていただくことになりました。1冊目のレストラン編が、お蔭様で好評をいただき、スイーツ編、パン編を執筆している間に、雑誌連載などのお話もあり、気がついたら、今の仕事をしていた(笑)。」


あつみ「来栖さんは、お店に一切取材をしないという独自のスタイルを貫かれていますが、それは何故でしょう?」


来栖「取材ということだと、正直、微妙な味だなぁと思っても、必ず書かなくてはいけないでしょ(笑)。自分で勝手に食べに行って、美味しいと思った料理のことだけ自由に書くのが僕のスタンスだから。お店に話を聞かないので、食べてすべてわかる料理もあれば、8割ぐらいしかわからない料理もありますが、自分が理解した中で、感じたことを書くようにしています。あと、料理を食べてから、最低3ヶ月は書きません。その時、食べて美味しいなぁと思っても、時間が経つと忘れてしまう料理ってあるんです。忘れてしまう味は、所詮、その程度だと考えています。」


◆美味しい!の理想形から考える「究極のステーキ」「最高のプリン」
あつみ「"記憶に残る料理"というのが、キーワードなんですね。来栖さんは、美味しい物を食べ歩くだけでなく、ご自身のお店を持たれ、料理を作るプロでもありますが、料理に対する哲学みたいなことがありますか?」


来栖「哲学って言えるほどのことではないですが、僕は、料理だけでなく、物事全て、理想形から考えるんです。例えば、ウエディング料理でも定番の牛フィレ肉のステーキの場合もそう。熱い肉が美味しいのか? ぬるい肉が美味しいのか? 当然、熱い肉が美味しいわけです。でも、熱いうちに肉を切ってしまうと、肉汁が溢れてしまいます。肉を焼いた後、少し寝かせてから切ると肉汁が落ち着くというのが一般的ですが、そうすると温度は犠牲になってしまいますよね。僕は、温度も味も妥協したくないから、温かいうちに切っても、肉汁が出ない方法を考えるんです。理想形から考えて、逆算していきます。」


あつみ「なるほど! それはウエディングを成功させるヒケツとも繋がるかもしれないですね。まずは、自分たちの理想形を明確にして、そのためにどうしていくかを考えていく。」


来栖「その通りです。理想形を実現するには、しっかり理解して、じっくり向き合うことが大切だと思います。例えば、僕には理想のプリンがあるんですが、何も言わなかったらどんなパティシエさんにお願いしても同じにはなりません。そもそも生クリームを使う時点でありえませんが、仮に生クリームを使わなかったとしても同じにはならないんです。なぜなら、ほとんどのパティシェさんが、コクやなめらかさを重視して、卵の比率を変えてしまうからです。ひとつの卵って、だいたい卵黄が20g、卵白が40gぐらいですが、コクとなめらかさを出すために卵黄を足すんです。それで、ベストな状態だった卵の比率が壊れてしまうんです。」


あつみ「卵という素材の本質を考える。その視点は面白いですね。」


208.JPG来栖「まずは素材を理解することが大事です。コクとなめらかさにこだわりすぎて、卵本来の比率の意味を忘れては、素材を生かすことにならないと。僕は、プリンに必要な材料は、卵、牛乳、砂糖の3つでよいと思っています。理想は、弾力となめらかさが両立したプリン。弾力を作る白身と、コクとなめらかさを出す卵黄と牛乳。その構造を理解し、卵と牛乳の比率をギリギリの状態まで調整することで最高のプリンを作り上げます。」


あつみ「美味しそう! 来栖さんはまるで科学者のようですね(笑)。仮説を立てて実験を繰り返す」


来栖「でも、今の説明をせずにお出ししたら、普通のプリンで終わってしまうかもしれない(笑)。僕は、どんなに素晴らしい料理なのかを伝える演出や、「なるほど、たしかに」と思わせる説得力も大事だと思っています。」


◆"理想のウエディング料理"は、"記憶に残す"という意思ある料理
あつみ「それは結婚式の料理にこそ欠かせない要素ですよね。では結婚式では、どんな料理が理想だと思いますか?」


来栖「二人の好きな料理でおもてなしするのが一番だと思います。結婚式の主役は、新郎新婦だから、私たちは、コレがすごく好きなんです。ぜひみなさんも食べてみてくださいという想いでいいと思います。」


あつみ「最近は、ゲストの結婚式に対する満足度を気にされる新郎新婦が増えていて、その評価を最も左右するものが料理だといわれています。でも、自分たちたちはコレが好きって自信を持って出せる料理をホテルや式場にリクエストするのは、なかなか難しいですよね。こだわりの料理でおもてなしするためのアドバイスってありますか?」


来栖「二人だからこその料理に、こだわってみてはいかがでしょう。味でこだわるには、よほど料理の知識がないと、ホテルや式場に伝えるのは難しい。ただ、二人のエピソードに基づいた素材を使った料理や、思い出にまつわる料理なら伝えられるはず。結婚式で出されてずっと覚えている料理って、ほとんどないですよね? でも、二人ならではのエピソードたストーリーが加わることで、記憶に残るこだわりの料理になるはずです。」


あつみ「司会者の方に、二人のエピソードを交えて料理の説明をしてもらったら、全然違いますよね。例えば、花嫁の手紙でご両親への想いを伝えるときに、ちょうどテーブルに出されるデザートが、お母さんが子どもの頃、おやつでよく作ってくれた思い出のレシピをもとに作られたもの、とか......。」


来栖「そうそう! そういう演出が大事です。ふたりが積極的に料理に意味合いを持たせて、そのエピソードごとゲストの記憶に残そうという意思を持つこと。だから忘れない料理が作れる。結婚式の式次第と絡めて、司会者も巻き込む。それくらいやってもいいと思います。」


あつみ「忘れられないウエディング料理って、新郎新婦だけでなく、ゲストにとっても嬉しいですよね。料理にこだわりたい、ゲストに喜んでもらえる料理にしたいと思っても、実際、どうしたらいいか分からないという方がほとんどだと思います。来栖さんのコラムでは、是非、そういう皆さんの参考になるような情報をたくさんお届けしてください。」

Professional of ゲストの“記憶に残る”、結婚式の美食メソッド
美食の王様 来栖 けい

これまでに2万軒以上のお店を食べ歩き、取材を一切しない独自のスタイルを貫く。デビュー作となった著書『美食の王様 究極の167店 珠玉の180皿』(筑摩書房)が話題となり、現在は雑誌やTVなど数多くのメディアで活躍。自らもお店に立つ。

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