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【PREMIUM CREATORS/飯田 諭史】その場で新たなクリエイションが生まれる、ライブな屋外ウエディングに密着

こだわりのあるカップルに人気のウエディング・フラワーアーティスト、飯田諭史さん。今回は、日仏国際カップルのウエディング・デコレーションの舞台裏を取材! この結婚式はクリエィティブ・ディレクター飯島智子さんが総合ディレクションを手がけたもの。(飯島智子さんの記事はこちら) フランス在住の新郎側親族を含めた約60名のゲストが一同に会する大規模なファミリー結婚式を、飯田さんはどう彩ったのか。鳥取の雄大な自然と融合させた装花についてお話を伺った。
PREMIUM編集部(以下、編集部):今回のウエディングのフラワーデザイニングに関して、イメージやテーマを教えてください。

飯田 諭史さん(以下、飯田さん):今回のメインクリエイティブディレクターである飯島智子さんが1年をかけて探したロケーション、鳥取の『プリムローズガーデン』は、まさにおふたりが希望した、”ブルゴーニュの風を感じられる”場所。この場所が持つ手付かずの自然を生かしながら僕なりの”手をかけた自然”をミックスさせることで、ブルゴーニュの乾いた空気感や草原のイメージを再現しました。

編集部 :具体的にはどういった花材を使用したのでしょうか?

飯田さん風が吹けばなびくような草花や、湿度の低い草原をイメージさせるような草木などを選択していき、そこに日本らしさとしてその時期の季節の花を差し込みました。

編集部 :可憐でいて作り込みすぎていないナチュラルな雰囲気が草原のイメージですね。今回は大きく分けるとオープンニングセレモニー、ダイニング、ナイトパーティーの3部構成でのお式だったんですよね?それぞれのシーンでの装飾のアイデアがあったと思います。まずはシャンパンタワーが印象的なオープニングセレモニーから教えていただけますか?


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飯田さん:パーティの幕開けでもあるオープニングセレモニーは、サークル状に席を並べその中心にシャンパンタワーがある、というユニークな配置でした。そこでシャンパンタワーの下やロードの途中に自生しているようなブッシュを作り、おふたりが草原の中の小さな花畑の中で誓いの儀式をあげるようなイメージに。

ブッシュは地面に穴を堀って直挿ししたものとアレンジしたものを組み合わせてリズミカルな動きを出したり、グリーンとホワイトをベースにしながらポイントでイエローとパープルを足しフォトジェニックなヴィジュアルにしたり。自然に溶け込みながらも、あくまでも装飾としてのインパクトや存在感を出せるように心がけました。

編集部 :まるで自生しているようなブッシュですが、実は大変に手の込んだ装飾なんですね。次のお食事シーンでの、装飾にはどのようなアイデアがあったのでしょうか?


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飯田さん:このシーンでの自分なりのこだわりは、石ですね。この石は花器としてだけでなく、クロスが風で飛ばないように”重し”としての役割もあるし、装飾としてのインパクトもある。屋外でのウエディングって、ハプニングも多いのでいろんなことを想定しておかないとダメなんです。お祝いの席で花が倒れるとか、飛んでいってしまうなどあってはならないこと。安心安全であることが何より大事なんです。

編集部:花器を石にしたのには、多くの理由があったのですね!
ブラックのテーブルクロスとも相まって、おふたりのスタイリッシュな雰囲気にもピッタリですよね。

飯田さん:そうですよね。屋外だからといって、ただただナチュラルなだけでなく、そこにちょっとクリエイティブを入れると、今っぽさも出ます。石もその辺にあったものではなく、すべて事前に僕が選んだものを持参して、その場でひたすらドリルで穴を開けたんですよ(笑)。挿す花材は、水がなくても大丈夫なもの、クロスがブラックなので白グリーンベースの季節の花を生けました。

編集部:自然の野生味と繊細なクリエィティブが融合した見事な装飾ですね。それでは、最後のシーン、ナイト・パーティーの装飾について教えてください。


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飯田さん夜は昼間とはガラッと雰囲気を変えて、幻想的な夜を演出しました。このシーンはディレクターの飯島さんから「飯田さんが楽しんでやって下さればそれでいいです」と言われたので、ほぼ僕のフリースタイルです(笑)。

使ったのは、布、電飾、花、キャンドル。当初ガーランドを使用する予定はなかったのですが、剥き出しの天井だと雰囲気がないと思いセレモニーパーティーで使用したガーランドを天井から吊るしたら、ロマンティックな空間に。さらに光で幻想的な雰囲気を出しながら、花は夜でもちゃんと見える色合わせにしたり。特にファーストダンスのオブジェは、あでやかさや、きらびやかさをメインに押し出しました。

今回のように1日かがりになるウエディングの時は、その場その場でリクエストがあればすぐに対応できるようにしたいし、その瞬間に新たなクリエイティブが発生するのも楽しみのひとつ。打ち合わせはしなかったけど、その場で即対応みたいなことが多いので、アイデアや引き出しを合わせ持っていることが必要ですね。

プロフィール

飯田 諭史

飯田 諭史さん

花を中心に様々な結婚式の在り方を提案する、フラワーデザイナー・クリエイティブディレクター。唯一無二の世界観で有名ブランドからの指名も多数ある、プロが認めるクリエイター。

https://www.instagram.com/iida.satoshi/

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