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【PREMIUM CREATORS/飯島智子】25年春オープンの八芳園ドレスショップ。絶対注目すべきは圧倒的センスで作られたオリジナル和装

ハイセンスなウエディングのプランニングやディレクションで圧倒的な支持を集めている飯島智子さん。現在は、ウエディングだけにとどまらず、さまざまな企業やブランドのクリエイティブディレクションも。ビッグプロジェクトとして進んでいるのが、2025年に予定されている八芳園のリニューアル。品格と正統と時代のセンスが溢れる八芳園が、改めて交流文化創造拠点として大きく生まれ変わる。飯島さんはクリエイティブディレクターとしてさまざまな企画やコンセプト作りを担当。中でも注目を集めているのが八芳園ドレスショップのオープン。今回はそのドレスショップで展開予定の八芳園オリジナルの婚礼和装のことや、飯島さんご自身が手がける高級着物のレンタルショップについて話を伺った。

職人の匠の技と文化を伝える柄に
こだわったオリジナル和装を制作



飯島さんの和装企画コンセプト資料
↑飯島さんが作った八芳園オリジナル和装の企画コンセプト資料。2025年春に向けて制作が急ピッチで進んでいる。


PREMIUM編集部:2025年3月に新しく生まれる八芳園のドレスショップはどんな場所になりそうですか?

飯島さん:ショップの名は「The Bridal Boutique KOTOHOGI by HAPPO-EN」と言います。“ことほぎ”というのは「言葉による祝福」という意味。ウエディングドレスや婚礼衣裳は祝福の想いや言葉がたくさん詰まったもの。その意味を改めてお客様に伝えたいという思いを込めたショップ名です。
八芳園という場所だからこそまとうことができる、和装はもちろん、ドレスにしても、「ここにしかない」衣裳をご用意しています。

PREMIUM編集部:大きな注目を集めそうなのが、八芳園オリジナルの婚礼衣装(和装)ですね。

飯島さん:そうなんです! 八芳園は日本の美意識を感じられる場所、それを伝えていくこと自体が八芳園の大切な役割です。400年続く和の庭園に美しく映えて日本の美意識やものづくりの粋を伝えてくれる、本当の意味で「ここでしか出会えない」着物を作りたいと思いました。

結婚式当日にその着物を着ていただくことを通じて、和装や日本文化の価値や美意識のようなものを伝えられたら、と。そこで体感いただいた着物の素晴らしさを、結婚式が終わってからも、お客様のライフスタイルに取り入れていただけたらなぁと思っています。
例えば、お茶やお花の習い事で着物に親しんでいただいたり、織物や染めの伝統工芸に興味を持ち続けていただいたり。

そんなゴールを目指すからには、日本の伝統技術を伝える職人の方や企業の匠の技にこだわった、思いの詰まった和装を一から作る必要がある。本当にたいへんな作業なのですが、色々な職人さんに協力いただきながら、今それを進めているところです。

ディレクションする飯島さん
↑八芳園の庭園での撮影をディレクションする飯島さん。緑あふれる庭園は365日いつ訪れても美しい場所だ。


PREMIUM編集部:具体的にはどんな婚礼衣装を作っているのですか?

飯島さん:今回、ドレスショップオープンに向けて、まずは色打掛と白無垢を複数作っています。
例えば、八芳園のウェディングの新しいコンセプト「季節が祝福する」を形にしたような柄。これは、四季の移ろいをさまざまな手法で表現しています。季節ごとに表情を変える見せる木々や花が彩る八芳園の庭園は、365 日いつ訪れても美しい場所。そんな八芳園の魅力自体を纏っていただこう、というコンセプトです。
また、八芳園の象徴である赤松にオマージュを捧げたデザインなども。八芳園といえば松が象徴的なアイコンで、その松をテーマにした古典柄を再解釈して取り入れました。松はおめでたい日本の文化で縁起のいいものの象徴ですし、日本の着物文化の歴史においても大切にされてきたモチーフ。日本の伝統色でもある朱赤や金箔、金刺しゅうなどを用いて、古典柄を再解釈した厳かな着物となる予定です。

PREMIUM編集部:このオリジナルの着物以外も、選べる和装はたくさんのバリエーションがあるんですよね。

飯島さん: はい、京都で開催されたファッションウィークをはじめ、その他京都を代表する企業様にお力添えいただきながら、素晴らしいお着物を制作中です。
どの着物も八芳園オリジナルデザインとして、糸の色をすべてアレンジいただいたり、柄や裏地の色を変えたりと、まさに、「ここでしか出会えない」1着に出会っていただけると思っています。

ニューヨークで買い付けする飯島さん
↑ニューヨークへドレス買い付けに。八芳園の美しさと共鳴するドレスを選び抜く。


PREMIUM編集部:ドレスについても飯島さんディレクションのセレクトなんですよね。

飯島さん:はい、今年は春秋ともにニューヨークのブライダルファッションウィークに出向いて、八芳園という場所にマッチして、しかも今の気分にぴったりな新鮮なドレスをセレクトしています。こちらも楽しみにしていただきたいです!

PREMIUM編集部:「ここでしか出会えない」衣装がそろい、その背景文化まで感じることができる空間になりそうですね。楽しみです。

逸品着物レンタルショップ「糸縷 」
で日本の伝統文化を楽しむ“きっかけ”を提供



↑「糸縷 (SHIRU)」の公式サイトより
↑「糸縷 (SHIRU)」の公式サイトより。


PREMIUM編集部:飯島さんは日本の和装文化をたくさんの人たちに楽しんでもらいたいという思いで、2024年1月に着物レンタルセレクトショップも立ち上げられました。

飯島さん:はい、「糸縷 (SHIRU)」というショップ名で、取り扱うのは1960年代後期に生まれた高級着物です。60年代後期の日本は高度経済成長の黄金期と言われていて、装飾文化と技術力が融合した素晴らしい着物がたくさん誕生しているんですね。そんな逸品ぞろいの着物を着ていただくことを通じて、日本の美意識を堪能いただきたいと思っています。

PREMIUM編集部:単にレンタルショップというだけでなく、シーンに合わせたコーディネート提案もしてくれるとか。

飯島さん:お客様が希望される着物のデザインや着用シーンに合わせて、着物本体はもちろん、帯や小物などすべてを含めてオリジナルコーディネートをご提案します。

PREMIUM編集部:着物を着こなすことに慣れていない人でも安心ですね! 

茶道のシーン

お茶を楽しむ飯島さん
↑参加者が糸縷 (SHIRU)の着物を着て参加したお茶会イベントの様子。飯島さんも参加したそう。


飯島さん:着物の装いの提案をすることはもちろん、着物を着るシーンをご提案するのも私たちのミッションだと思っています。着物に慣れていない方は、「どんな時に着物を着ればいいの?」と迷われる方も多いですしね。

今、いろいろな方とコラボレーションして、着物を着て参加するイベントをいくつか企画しているんです。
例えば、インフルエンサーの方とのコラボでお茶のお稽古の体験イベントを行いました。お稽古に参加される皆様全員に「糸縷 (SHIRU)」がコーディネートしたそのかたにお似合いなる着物を着ていただいたんです。着物を着る体験とお茶席に参加する体験をセットにして、日本文化の奥深さや楽しさを味わっていただくイベントで、皆様に大変喜んでいただきました。

今後は、着物と食体験を合わせた企画も準備中です。
寿司職人の方が京都のお寺でお寿司を握って参加者に振る舞うというイベントや、同じく京都で湯葉懐石を楽しむイベント。どちらも、女性の参加者の方には、そのシーンやその方の個性に合った「糸縷 (SHIRU)」の着物をお召しいただきます。

日本の伝統文化である着物は、その技術や芸術性を未来へ伝えていくためにも、多くに人に魅力を知っていただき、たくさん着ていただくことが重要ですよね。「糸縷 (SHIRU)」の着物を着ていただくことが、日本の文化や美意識をライフスタイルに取り入れるきっかけの一つになれば、と思っています。


PREMIUM編集部:「糸縷 (SHIRU)」の着物で結婚式に参列するのも素敵な体験いなりそうですね!

飯島さん:そうなんです! “着物の格”的に言っても結婚式のようなきちんとしたシーンにふさわしいものもたくさんありますので、和装の興味があるかたはぜひ検討してみていただきたいです!

プロフィール

飯島智子
飯島智子さん

早稲⽥⼤学を卒業後、(株)トリートに新卒⼊社。
THE TREAT DRESSINGにてドレスコーディネータを経験し、2019年に同社クリエイティブディレクターに就任。
⽇本初のオートクチュールブランドの買い付けやオリジナル着物の製作、ファッションデザイナーとのコラボレーションコレクションを発表。
また、新店舗の空間ディレクションやブランドビジュアル撮影のディレクションを⾏うなど、世界観をカタチにする業務に携わる。
2023年、独⽴。
クリエイティブディレクターの経験を活かし、完全オーダーメイドのウエディングシーン・フォトウエディングシーンの創造をスタート。
その他、ビジュアル撮影やイベントの空間コーディネート、事業コンセプトの提案など、 ウエディングの分野にとどまらず、ブランディングディレクションを⾏う。

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