クラシックは遠い存在じゃない！　オルガニスト梅干野安未インタビュー

ひとりでオーケストラのよう！　壮大な響きを奏でられるパイプオルガンの虜に

――梅干野さんがオルガニストになったきっかけはなんだったんですか？

梅干野さん（以下　梅干野）：小さい頃からピアノを習っていたのですが、中学から高校になる頃に「ピアノが弾けるのならオルガンをやってみたら？」という声をいただいてはじめました。同じ鍵盤を持つ楽器なのにピアノとは違う魅力があって、すぐに虜に。そのとき、この先もずっとこの楽器を演奏していきたいなと心に決めました。

――ピアノとは違うとはどんなところなのでしょうか？　パイプオルガンの魅力をぜひ教えてください。

梅干野：やはり、ひとりでオーケストラのような壮大な響きを奏でられるところでしょうか。国や時代によって特徴が違うのも魅力のひとつです。
あとは、ものすごく歴史が長いこと。オルガンは、なんと紀元前3世紀頃に発明された楽器なのです！

――そんなに昔からある楽器なのですね……！　オルガンに限らず、おうちで過ごす時間にオススメのクラシックの曲はありますか？

梅干野：今は寒い季節なので、温かい気持ちになれる曲がよいですよね。なかでも低音を奏でる楽器は心があたたまります。例えば、J.S.バッハの「チェロ組曲第一番BWV1007」は、無伴奏チェロの語るような調べが美しく、ホットドリンクでも飲みながらゆったりとした気持ちで聴いてみてはいかがでしょうか。オルガニストからのオススメとしては、セザール・フランクというフランスの作曲家のオルガン作品「カンタービレ」もぜひ聴いてみてほしいです！

デートにもぴったり♪　初心者のための楽しみ方

――クラシック音楽って、「興味はあるけど、どこから入ればいいかわからない」という方も結構いらっしゃるイメージなのですが、初心者にオススメの楽しみ方はありますか？

梅干野：作曲家のエピソードを知ってみるのも、身近に感じられて楽しいですよ。

例えば、「ラ・カンパネラ」などで有名なフランツ・リストという作曲家がいます。ショパンとも親交の深かった19世紀ロマン派を代表する音楽家です。長髪に甘いマスク、超絶技巧をもったピアニストの彼はカリスマ的存在で、多くの熱狂的な女性ファンがコンサートにつめかけて大歓声をあげていたようです。本当に失神するファンもいたとか！

ちなみに、オルガニストといえばヨハン・ゼバスティアン・バッハですが、65年の生涯で2回結婚し、なんと20人もの子供を授かっているのです。その多くは幼くして亡くなってしまいましたが。あんなに偉大な音楽家が、家庭を支える大黒柱として日々奮闘していたことを思うと、とても親近感を覚えますよね。

クラシックだからと言って神聖なことはなくて、人間味あふれる、時にそれ以上にドラマティックな作曲家たちの姿を知ると、クラシック音楽も全く遠い存在ではなくなります。

――作曲家のそんなエピソードを知ると、なんだかクラシックも身近な存在に感じますね。

梅干野：あとは、もちろんお家で聴いてみるのもよいのですが、少し趣を変えてデートなどでコンサートに行ってみるのはどうでしょう？
初めはやはりオーケストラの公演がいいかなと思います。少しオシャレをしたりして、いつもと違う会場で音楽を聴くと、きっと新しい世界が広がるはずです。身体がフワッと音楽に包まれるような感覚で、本当に心がワクワクしますよ。

――確かに、デートとして行ってみるのは、イベント的な感覚で楽しそうですね。

梅干野：2022年1月21日（金）に開かれる『Premium Chapel Party』は、クラシックもポップスも聴けるスペシャルな機会となるので、初心者の方にもオススメです。教会での音楽は、日常を忘れて楽しめるひとときになると思うので、みなさまのご来場・ご視聴をお待ちしております！