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「マリッジブルーが怖いんです」心理カウンセラーに解決法を聞いてきた

2025/04/04 更新
※この記事は2016年にKekoon powered by マイナビウエディング にて配信されたものです

お花、きれいだなぁ......。





はっ......!





すみません、女性のマリッジブルーが怖くて現実逃避してました。

ライターの黒木貴啓(くろき・たかひろ)と申します。

実は先日、知人の男性が、結婚式の1カ月前にパートナーから婚約を破棄されました。

女性の方がこれからの結婚生活への不安を拭えなかったことが原因だそうで......マリッジブルーって本当にあるんだなと、得体のしれなさと身近さに恐怖を覚えた次第です。

マリッジブルーとは、結婚を控えた人が間近に迫った結婚生活に突然不安や憂鬱を覚える、精神的な症状の総称である。和製英語。

出典元:Wikipedia

ちなみに僕は28歳独身。彼女はいませんが、それなりに結婚願望はあるので、もし将来のパートナーがマリッジブルーになってしまったらどうすればいいのか、ちょっと気がかりなんです。心が弱い人間で本当に申し訳ありません。

マリッジブルーはどうして起こるのか。それを解決する手立てはあるのか。

心理カウンセラーの浮世満理子さんに、自分自身のモヤモヤをぶつけながら、話を聞いてみました。


【話を聞いた人】

浮世満理子(うきよ・まりこ)/全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー・メンタルトレーナー。米国で心理学を学んだ後に帰国。「カウンセリングを日本の文化として定着させたい」という理念のもと、株式会社アイディアヒューマンサポートサービスを設立。プロスポーツ選手や芸術家、企業経営者などのメンタルトレーニングを行う傍ら、心のケアの専門家の育成を行う。

就活の比ではない、結婚のプレッシャー


黒木「あの......心理カウンセリングでマリッジブルーの相談をする女性っているんですか?」

浮世さん(以下:浮世)「いますよ」

黒木「(やっぱりみんななるんだなあ......こわっ)その方たちはどうしてマリッジブルーになっているのでしょうか?」

浮世「結婚という1つのライフイベントにかかるストレスにはいくつかの種類があるんです。まずは生活の変化への不安。引っ越しして一緒に住むとなると生活様式が変わりますし、女性の多くは姓が男性側になります。手続きなどもいちいち変わってきます」

黒木「ああ、女性は男性以上に生活面での変化が大きいかもしれないですね」

浮世「はい。それともう1つベースにあるのが、『結婚で失敗できない』というプレッシャー。最近は就活で『これで人生決まるんだ!』と気負う学生も多いですが、結婚はもうこの比じゃないです」

黒木「ええ! あの就活よりもすごいプレッシャーが......!?(僕は70社全敗して、人生諦めかけたけど)」

浮世「離婚したら、戸籍上に『×』がつきますからね。仕事は合わなかったら辞めればいいだけの話。でも、結婚はそもそも『失敗したら次』という気持ちで臨むものでもないから」

黒木「まあ、確かにそのノリは軽すぎますね」

浮世「そこへ『私、子育てできるのかな?』『相手の親とはうまくやっていけるかな?』と、心配事が山ほどのしかかってくる。結婚って入り口はすごくキレイに飾ってあるんだけど、いざなかに入ってみると......」



「人生の難問の嵐みたいなところなのよ」



黒木「ああ.........(結婚してる人ってすげえなあ)」

浮世「さらにやっかいなのは、『結婚』を一生に一回の大きなイベントにとらえて気負ってしまうこと。必要以上に理想を求めて、神経質になりがちなんですよ。例えば、この問題は一緒に住み始める部屋に、どのカーテンを付けるかってところからスタートするんです」

「カーテン選び」から始まるマリッジブルー


黒木「か、カーテンですか......?」

浮世「そ。カーテン。どんなカーテンを付けるかで意見が食い違う。そしてインテリアのセンスが合わないから、この結婚まずかったんじゃないか......と考えてしまう 。実際よくあります」

黒木「デリケートすぎる......!?」

浮世「でもこの種の問題は、結婚式や披露宴、両家へのあいさつ、結納と、ことごとくつきまといます。結婚式でよく聞くのは、お食事に出てくる汁物問題」

黒木「汁物に問題なんてあるんですか?」

浮世「ありますよ。汁物はおすましにしようと考えていたところに、名古屋出身の姑さんが『うちは歴代赤だしなのよ。おすましなんてありえない!』と言ってくる。それを聞くだけで嫁さんは『ほかのご飯にもうるさいんだろうな......』『私、赤だし苦手だけど親戚の集まりどうしよう......』『ああ、もう無理かも』ってね」

黒木「確かに親も絡んでくるとなると、 事態は複雑ですね」

浮世「そう。大体、結婚式って挙げる前からやることがすごく多いんですよ。その中でいろんな細かいことにも気づき始めて、さっきの『この結婚はすでに失敗だったんじゃないか』という思考に陥る。結婚そのものへの願望はちゃんとあるのに、です」

黒木「うーん。結婚したい気持ちが、そこに行き着くのは悲劇だなあ......」

浮世「これって、結婚願望が強い人ほどありがちなんですよ。結婚への理想や期待が高くなりすぎて、プレッシャーも感じやすい。それがマリッジブルーを引き起こすという罠ですね」

マリッジブルーに効果的な男女の振る舞い方


黒木「そっか......結婚願望があっても、理想と現実のギャップでマリッジブルーになる可能性があるんですね。じゃあそのとき、パートナーができることって何なんでしょうか?」

浮世「そうね、まず男性は花嫁を安心させてあげることが大前提。細かく気を遣うんじゃなくて、女性の不安を受け止めた上で、一言だけ、こう言ってあげるといいと思う」



「大丈夫だよ」



黒木「超シンプル」

浮世「お姑さんからお味噌汁のことを言われて『もう嫁になれない?』とか不安がっているところで『大丈夫』。それだけでいいの。根拠とか無くてもいいんです。はっきりそう言ってくれるだけで女性側はかなり安心します」

黒木「なるほど......こういう言葉って、簡単そうだけど、意外と言うのはむずかしかったりしませんか?」

浮世「そうですね。男性はこの決めの一言が言えないものなんですよ。でも、女性も女性で、何が不満なのかはっきり言わない。男性はあいまいな言葉から何を要求されているのかわからない。だんだんイライラして適当にうながすから、女性側も『何この人。私のこと全然わかってくれていない』となる。結果、すれ違いですよね」

黒木「すれ違いたくないなあ......」

浮世「じゃあどうすればいいか。こういう問題の原点って、実はこだわる必要のない『こだわり』にあったりすることも多いんです」

黒木「こだわり、ですか」

浮世「そう。カーテンにしても披露宴でのお味噌汁にしても、10年立てばもうどっちでもよくなっているような些細なことじゃない。視野が狭くなって固執してしまっているから苦しくなるんです。大事なのはこんなもの大したことない、どうでもいいと思えるかどうか。こだわりを手放せば、楽になれるんですよ

黒木「ああ、その考え方は日常生活にもプラスになりそうですね」

浮世「そうですね。もちろんこだわりを手放すとは言っても、時間が経っても捨てきれないような大事なことというのも、人それぞれにあるもの。だからそこはちゃんと言う。何が嫌で、何が許せるのかをパートナーにはっきり伝えることも大切です」

男性のマリッジブルーは「束縛不安」


黒木「いやーでもこれって、女性だけの話じゃないですよね。男性もマリッジブルーになることがあるんじゃないですか?」

浮世「なりますよ。女性と同じように生活の変化への不安なのですが、種類が少し違います。女性の場合は、旦那の家系に入って行くことへの不安が先行しますが、男性は『束縛』への不安なんですよ」

黒木「束縛ですか」

浮世「そう。独身のころよりも時間やお金の自由が縛られることへの不安ですね。奥さんから渡されたお小遣いの中身を確認しながら、コンビニのお弁当を毎日買わなくちゃいけないのか? 飲み会にも気軽に行けなくなるのか......? こんな夫の悩み、聞きますよね」

黒木「ドラマとかではよく見ますね」

浮世「実際にいるんですよ。かわいい奥さんが待っててくれる新生活が魅力的でも、結婚を前に失うものが見えてきてマリッジブルーになる人。もう婚約しちゃったけど、本当にそれで良かったのかなって考え込んでしまう人」

黒木「そうなんだ......。パートナーの女性はそのときどう振る舞うべきなんですか?」

浮世「結局のところは女性と同じ、生活変化への不安なので、結婚でいろんなものが変わるけれど、変わらないものもあるということを示して、安心させてあげることが大事ですね」

黒木「変わらないもの?」



浮世「花嫁自身ですよ。結婚したからといって別人格になるわけでもない。今もこれからも『私は何も変わらない』ということを伝えてあげたらどうでしょうか。もし遊べなくなることでマリッジブルーになっているのだとしたら、それはそもそも結婚に対する覚悟が足りない人かもしれません」

黒木「なるほど......勉強になります」

浮世「最後に伝えておきたいのは、結婚をゴールにするといろんなものがずれてくるということ。結婚はスタートであり、そこから2人で作っていくということが大切なんです。その思いがあれば、マリッジブルーのほとんどのことはコミュニケーションで解決します」

知人カップルを破局に追い込んだ「マリッジブルー」。得体の知れなさに漠然とした不安を抱いていましたが、その根っこにある心理には共感もできたし、心の持ちようと振る舞い、そしてコミュニケーションで、誰もが乗り越えていけるものだとも感じました。

実は僕、結婚を話し合ってきた彼女から、こっそり二股をかけられていた経験があります。仕事や好きなことにかまけて余裕がなく、相手の気持ちに気付けなかったことが原因でしょう。そのとき僕が彼女の不安な気持ちを「大丈夫だよ」と受け止め、小さなこだわりを手放し、譲れない思いをちゃんと伝えることができていたら......もしかしてこんなことにはならなかったのかなって、話を聞いていてふと思ったのでした。

いつかまた結婚したいと思える人に出会ったときは、今日もらったアドバイスを実践して、幸せな未来を築いていきたいな。





◎取材協力
ココロゴトcafe
住所:東京都渋谷区渋谷1-15-22
電話:03-3486-8226

【著者紹介】

黒木 貴啓(くろき・たかひろ)/ライター。
88年生まれ、鹿児島出身。ニュースサイト「ねとらぼ」編集部在籍。関心分野は奇祭、民族仮面、日本のダンス文化、ロックンロールがテーマの音楽・マンガ・小説、志村正彦、愛。
Twitter:@abbey_road9696

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