「煩悩まみれの私は結婚できますか?」お坊さんに本気で聞いてみた

こだわり ピックアップ 白金・恵比寿・代官山・広尾

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婚活ライターの竹内まりあーじゅと申します。

39歳、結婚経験なし。そして現在彼氏もなし。がけっぷちであります。ガチで婚活中のため、マスクをさせていただきます。

恐縮です!

今日は東京のおしゃれスポット代官山にお坊さんと話ができる「寺カフェ」なるお店があると聞き、行ってみることにしました。婚活の悩みを相談する女性もたくさんいるそうなのですが、私はジャニーズが大好物だったり、すぐに現実から離れて一人旅をしたくなったりと煩悩まみれ。お坊さんは私のような俗っぽい人間の言葉もちゃんと聞いてくださるのでしょうか。ドキドキします!


【話を聞いた人】

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大來尚順(おおぎ・しょうじゅん)/1982年、山口県生まれ。浄土真宗本願寺派僧侶。龍谷大学卒業後、米国の大学院を卒業し、ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。通訳や翻訳も手掛け、国内外に仏教を広める活動を行っている。著書多数。近著に英語で仏教用語をやさしく解説した『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社新書)、仏教の立場から働く上での悩みの解決を紐解く端楽(アルファポリス)。



まずは、お坊さんの結婚事情を聞いてみよう

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(お坊さんはお葬式のときなどに会うことはあっても、普段は遠い存在。いろいろ気になることがあるんだけど、まずは自分の婚活相談の前に、大來さんがどんな方なのか聞いてみよーっと......)

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「異色の経歴ですけど、なぜアメリカの大学院で仏教を勉強しようと?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「アメリカに留学した理由のひとつは、英語が好きだったこと、小さいとき姉といっしょに『ビバリーヒルズ高校白書』を見たことが大きいです。アメリカに行けばあんな素敵な生活が待っているのかと! 実際はぜんぜん違いましたが(笑)」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「なんだ~。お坊さんといえども、我々、凡人と同じミーハーな部分もお持ちなんじゃないですかー。安心しました!」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「私も人間なので一緒ですよ(笑)」

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ご結婚はされているんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「しています。子どももおります」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「お坊さんって結婚してもいいんですよね?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「はい、日本では問題ありません。日本では明治時代以降、僧侶の結婚が認められるようになりました。でも、僧侶が結婚を許されてるのは日本だけです」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「えーーーー知らなかった! じゃあ、中国とかタイのお坊さんは今でも結婚禁止ってこと?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「そうですね。でもお坊さんが結婚すると、結婚した人にしかわからない悩みや苦しみも聞くことができるじゃないですか。国や宗派によって考え方の違いはありますが、私はお坊さんの結婚をポジティブに捉えていますよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「なるほどー。奥様とはどう出会われたのですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「友人の食事会です。お互いの先輩が結婚したので、お祝いにいったら今の奥さんがいました。いわゆるセットアップですね。昔は家がお寺の人同士で結婚することが多かったんですが、今は私のように一般の方と結婚する僧侶も多いですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「へ~いいな~いいな~。私なんて、結婚相手を紹介してくれるような友達がまわりにいないですよー!

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain竹内さん。いきなりですが、その考え方は仏教側からいうとNGです

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ええ!?!?!?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「ちょっと、紙とペンを貸してください」



自分の幸せを考えない人が、結婚できる!?

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「これ、なんて読みますか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「じ、じゆう......?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「はい。これはお釈迦様が亡くなるときに、お弟子さんたちに送った言葉です。お弟子さんたちは師匠であるお釈迦様の命があとわずかと知って、『お釈迦様が亡くなったら何を生きがいにしたらいいんですか?』と聞いた。でも、お釈迦様は『人に頼るのではなく、自らをよりどころにしなさい』『真実をよりどころにしなさい』という意味で、この言葉を送った。自由という言葉は、『自らに由(よ)る』と読みます。そこには無闇に他の人を頼ったり、誰かに責任転換してはいけないという戒めが込められているんです

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「なるほど......もしかして私は今、自分の出会いを誰かに委ねようとしていた?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「はい。他人に期待をしてはいけません。どんなに苦しくても、責任は自分にあるのです。そして、生きている間は、どんな人生にも苦しみはつきもの、と考える。それが仏教の考え方なのです」

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ぐぬぬぬぬー!!!!(そう言われれば私、期待ばっかり膨らませてるわ。婚活アプリでプロフィールを見て期待ばかりして、実際の男性にがっかりしたり......)でも、大來さんはセットアップである意味ラッキーな出会いがあったわけじゃないですか! それは勝ち組だから言えるセリフですよ!」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「私の場合、実は結婚しなくてもいいと思ってたんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ええ!? なんでー!?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「仕事柄、通訳や講演活動で日本中を飛び回り、土日はお寺での法務や寺カフェのお手伝いに来ているので家庭を顧みる余裕がない。それを理解してくれる女性はあまりいないだろうなと思ってあきらめてました。女性を信じられなくなる時期もあり仕事に没頭していて......。一人になる幸せもあると思っていました」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ああ、私もそれはわかる気がする。私生活がつらいときって、仕事が支えてくれるときもありますから(遠い目)。でもなんで一人の喜びをかみしめていたはずなのに、結婚しようと思ったんですか?」

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain奥さんが私のことを『幸せにする』と言ってくれたからです

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「くわー!!!!奥様かっこいいーーー!!!!」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「私はみなさんの幸せを考えるのは好きだけど、自分の幸せを考えるのは怖かったんですよ。でも、今の奥さんは『自分の幸せを考えていい』と言ってくれた。それが、結婚の決め手だったんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ふ、深い......。自分の幸せを考えず、必死に頑張っている人にこそ、幸せをサポートする人が現れるのか......? だとすれば、私はどうすれば......」



婚活に向けて「我慢できることリスト」をつくってみよう!?

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「ではそろそろ、自分の婚活相談をさせてください! 私、自分でやりたいことが多すぎて結婚相手を見つけられない気がしてるんです。一人旅いきたい、ジャニーズのコンサートいきたいとか。今日もこの後ジャニーズのコンサートにいくんですけど」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「お忙しいんですね(笑)」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「はい。だから結婚しても、好きなことをやる自分を許してくれる旦那さんがいいんです。土日の時間も自由に自分のために使いたい。子どもが生まれたら、週の半分は保育園にお迎えにいってほしい......とか、とにかくいろいろある。自分を楽しませるための欲望が強いんです。結婚したいならこういう欲望はやはり消し去った方がいいんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「欲望を消し去ることは不可能です。仏教の言葉では『煩悩』といいますが、それは誰もが持っていて消すことはできません。そして、それは人生の苦しみのもとでもあります」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「じゃあ、もう無理なのかな......」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「いや、煩悩を受け入れましょう。その上で、相手に求めない、期待しない生き方を考えていけばいいのです」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「頭ではわかるのですが......なかなか」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「結婚は生きていくための二人の関係性をつくるものです。恋愛は相手が好き、で終わりですが、結婚はどうしても我慢しないといけない部分が出てくる。はっきり言って、自分が思い描くような完璧な相手はいません

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「わーん! やっぱりいないんだー!!!!!(泣)」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「竹内さんはおそらく理想が高いというか、相手に対して我慢できない部分が多いんでしょう。これはひとつのテクニックですが、我慢できないことリストをつくるのもいいですよ。そのリストから我慢できるものにだけ丸をつけていく。そうすると結婚に対するハードルがぐっと下がってくる」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「なるほど......私にできるかな」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「できます。まず、人生は思い通りにならないことを知りましょう。そして、生きていく上では、自分にはもう十分足りていることを知りましょう。それが結婚へのステップになります」



自分の未来を考えないことも、大切

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「でも私、最近思うのは、もしかしたら自分はこんなことを言いながら、まじめに結婚する気がないんじゃないかと。ジャニーズのコンサートばかり行ってるし、友達にもよく『本当に結婚したいのか?』って言われるんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「それはどういうことでしょう?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「私は多分、孤独死が怖いんだと思います。もしかしたら、そこさえクリアできれば結婚しなくてもいいのかもしれない。だって、70代になって体調崩して、一人で病院行って、手術の手続きとかできる気がしない。たった一人で死ぬのが怖いんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「そうですか。でも、孤独死までいかないかもしれないですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「え?」

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain今日この取材のあとに交通事故にあって亡くなるかもしれません

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「え、ジャニーズのコンサートにいけない......!?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「そうですよ。いつ亡くなるかなんて誰も分からないんですよ。将来のことを不安に思ったらキリがないんです。わかりますよね?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「は、はい......」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「仏教には『今が大切』という考え方があります。過去や未来ではなく、今自分ができることを大事にした方がいいと思います

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「たしかに、将来への不安や過去への後悔でクヨクヨしているとストレスホルモンが大量に出て脳を破壊するって話、聞いたことあります」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「現在は科学的にいろいろなことが証明されてきましたが、将来や過去を考えすぎると病むことを昔の日本人はよくわかっていたんです。そのいい例が幽霊です

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「え? こういうやつ?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「そうです。幽霊というのは、過去に引っ張られていて髪の毛がボサボサ。未来に対して無駄な心配をしていてあんな手の形をしています。そして、地に足がついてない。絵心がなくて恐縮ですが、こういうものですね」

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f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「これはまさか......今の私......?」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「あなたがそう思えばそうでしょう。じゃあ、どうすれば幽霊にならないで済むのか。未来の心配をするよりも、今できることを考えるんです。結婚できないのであれば、結婚できるような努力も必要になってきます」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「結婚できるような努力......」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102740p:plain「仏教用語に『自業自得』があります。今は悪いイメージがある言葉になってしまいましたが、もとは『自らの行為による報いを自ら得る』という意味です。今までと同じことをしていても結婚はできません。大好きなジャニーズのコンサートに気になる人を誘ってみてもいいじゃないですか。一人旅をやめて、一緒に行ってくれそうな人を探してみてもいいじゃないですか。今、できることから変えていきましょう!」

f:id:ONCEAGAIN:20160706102728p:plain「うう...わかりました! ありがたいお言葉の数々、ありがとうございました......!!!!」



取材を終えて

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紀元前に生まれ長い歴史を持つ仏教。その教えは、現代人がカンタンには思いつかないようなアプローチがあり、とても新鮮でした。なかでもいちばん自分に響いたのは「他人に期待をしない」ということ!!!

一見、ネガティブにみえるこの言葉。しかし、相手に期待をしてしまいガッカリする......そんな苦しみから自分を解放できる、とても合理的な思考方法でもあります。

大來さんによると「他人に期待しない」ことは、職場でも生かせるそう。嫌な上司がいたとして、その人にこう変わってほしいと期待しても変わることはありません。だって人間、そう簡単に変われないから!(と、大來さんにきっぱり言われました)

「上司に変わってほしい」と期待する代わりに、「私はああいう風にはならない」と反面教師にして自分のほうが変わっていく。今の自分が変わる......自分が行った行為で何かを得られる!これこそポジティブな「自業自得」なんです!

私は今日から、他人に変わってもらいたい、なんていう愚痴は一切いいません!

脱・幽霊! それを踏まえて......

婚活がんばるぞ!!




【著者紹介】

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竹内まりあーじゅ/ライター・編集者。婚活の記事を書かせていただくときはこの名前で登場いたします。





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