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「パートナーシップ制度」と「同性婚」の違いとは? 『私たちだって"いいふうふ"になりたい展』に行ってきた【編集部レポ】

2023年4月21日(金)~4月23日(日)にかけて東京の渋谷モディにて行われていた『私たちだって "いいふうふ" になりたい展 ㏌ 渋谷2023』にマイナビウエディングJOURNALの編集部が行ってきました!
この記事では気になる展示の様子や、同性婚ができないことによる問題などについてご紹介していきます。

OVER THE RAINBOW WEDDING
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パートナーシップ制度(宣誓)=同性婚ではない


愛するパートナーと未来を一緒に過ごしたい、と思ったら『結婚』という選択肢を考えるカップルも多いのでは?
もちろん結婚をせずに『事実婚』を選ぶカップルもいますが、現在の日本において事実婚か結婚か選ぶこともできないのが戸籍上の性別が同じカップルです。

「同性婚できなくてもパートナーシップ制度があるんじゃないの?」と思った方もいるかもしれませんが、『同性婚』と各自治体が規定する『パートナーシップ制度』は全くの別物であることが本展示では説明されていました。



「私たちだって“いいふうふ”になりたい展」によると、まず『パートナーシップ制度』とは、各自治体がLGBTQカップルに対して独自に「結婚に相当する関係」であるとする証明書を発行し、さまざまなサービスや社会的配慮を受けやすくする制度のこと。ただ、法的な拘束力などは無いため、できないことも多いそう。




現在『パートナーシップ制度』を利用していたとしても”できないこと”の例がこちら。


  • 相続
    一方が亡くなった際に不動産などの相続ができないため、住む家を失うことも

  • 在留資格
    外国人のパートナーが配偶者として在留資格を得られない

  • 特別養子縁組
    実の親と暮らせない子どもを、法的に実子と同じ関係にする特別養子縁組ができない

  • 共同親権
    パートナーが産んだ子どもを一緒に育てていても、パートナーと一緒に親権者になることができない

  • 私立病院における対応
    医療機関により対応がまちまちで、自治体から対応の強制はできず、面会や医療上の同意などが拒否されるケースがある




その他にも結婚ができないことによって、パートナーの扶養に入ることができなかったり、不妊治療が制限されてしまったり、使える住宅ローン会社に限りがあったりと、異性のカップルであれば受けられる権利が受けられていないのが現状のようです。

同性カップルの老後やもしものときの備えって?


法的にふたりの関係性を示すことができないため、パートナーが交通事故で意識がなくなったり、自分の意思を伝えられなくなったときに、病院や役所でパートナーが家族のように手続きや相談をすることはできません。

しかし自分に意思能力があるうちに「任意後見契約」をパートナーと結ぶことができれば、法的にはそういった手続きが可能な状態になります。
ただ、「任意後見契約」を結んでいたとしても、病院や役所によっては家族やパートナーとして認められないこともあるんだそう。

会場には同性カップル13組の手紙やウエディング写真も展示


会場には実際の同性カップル13組がそれぞれのパートナーへ宛てた手紙や、ステキなウエディングパーティーの写真も展示されていました。



ここではいくつかのカップルの手紙の言葉を引用してご紹介します。

日本で同性婚が認められるようになったら私と結婚してくれますか?


瓜本淳子さん&井上ひとみさん
私から告白して付き合いだして一緒に住んでもう10年になるんだね。本当にあっという間の10年でした。
(省略)
けれど10年一緒にいても、法的に家族だと認められておらず赤の他人だというのは、病気や事故など何かあった時にやっぱり不安。法的にも家族になりたいです。

日本で同性婚が認められるようになったら私と結婚してくれますか?

今まで一緒にいてくれてありがとう。支えてくれて、ありがとう。


すみとさん&げんきさん
気づいたら、出会って17年、あっという間だったね。
(省略)
同じ屋根の下で、一緒にご飯を食べて、一緒の布団で寝て、何気ない話ができる、こんなささいなことが、とても幸せだなぁって感じます。
げんきの何気ない優しさに、いつも癒されています。今まで一緒にいてくれてありがとう。支えてくれて、ありがとう。
来年の春、ひょんなきっかけから、18年目にして、ウエディングパーティーをすることになったけど、とても楽しみだね。
これからも末永くよろしくね。


あなたは、私にとって絶対的に信頼できる一人の存在。


茂田まみこさん&いったん&長村さと子さん
あなたは、私にとって絶対的に信頼できる一人の存在。ありがとう。
(省略)
自信のない私の背中を何度も押してくれたし、一緒にチャレンジもしてきたね。
そうしていくうちに、私たちの周りにはいろんな新しい風がふいていったね。
きっとこれからも見たかった景色を一緒に見ることができるだろうなとわくわくしてます。

そしていつか話してくれたあの海をおばあちゃんになったら見にいってのんびりしよう。

愛おしい我が子を育てていくには、この国はとても無理解で非情な面があるけれど、私たちなら大丈夫。

その他にも会場には展示に訪れた方々が思い思いのメッセージを残せるスペースなどもありました。

当事者の同性カップルに役立つ情報はもちろん、私たち編集部も今まで知らなかった当事者のカップルが直面する課題について詳しく知ることができる機会となりました。

「私たちだって“いいふうふ”になりたい展」今後の開催予定


<2023年>
5月7日 兵庫県尼崎市 @あまらぶ旋風~きみが主役のSDGs~(ボートレース尼崎)
7月15日~17日 兵庫県神戸市 @会場未定
7月28~30日 愛知県名古屋市 @ナディアパーク デザインセンタービル6F 集会室
10月14日 愛知県春日井市 @会場未定
11月3日~5日 新潟県新潟市 @新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ ギャラリー

*2023年5月2日時点の予定です。
予定は変更になる可能性があります。最新の情報は下記サイトをご確認ください。
http://www.colorfulblankets.com/index.php/iifu-futen
マイナビウエディング 編集部
“ふたりを楽しむ”すべてのカップルを応援するサイト「マイナビウエディング」の編集部が、結婚式場やブライダルジュエリーの最旬情報はもちろん、パートナーシップがより深まるさまざまなお役立ちTIPSをお届けします!

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