パワハラ上司に悩む女子向けのストレス解放ムービー! サム・ライミ監督のダークコメディ『HELP/復讐島』
2026/01/28 更新
レイチェル・マクアダムスがサバイバル生活に挑む『HELP/復讐島』
もしも、職場の上司とふたりっきりで無人島に流されてしまったら……。そして、その上司があなたと犬猿の仲のパワハラ上司だったら……。考えただけでも、鳥肌状態になってしまうバッドシチュエーションを映画化したのが、サム・ライミ監督の新作『HELP/復讐島』だ。
水も食料もない無人島生活で、大嫌いな上司と手を組むのか、それとも職場での恨みつらみをこの機会に晴らすのか。こちらの想像を軽~く上回る、愛と憎しみと笑いのサバイバルドラマが繰り広げられる。
恋愛映画でおなじみのレイチェル・マクアダムスの主演作だが、今回はロマンティック要素は抜きで、かなりブラックな作品となっている。本作の見どころと併せて、鑑賞上の注意に触れておきたい。
水も食料もない無人島生活で、大嫌いな上司と手を組むのか、それとも職場での恨みつらみをこの機会に晴らすのか。こちらの想像を軽~く上回る、愛と憎しみと笑いのサバイバルドラマが繰り広げられる。
恋愛映画でおなじみのレイチェル・マクアダムスの主演作だが、今回はロマンティック要素は抜きで、かなりブラックな作品となっている。本作の見どころと併せて、鑑賞上の注意に触れておきたい。
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トラブルに立ち向かうタフな女性を描くサム・ライミ監督
これまでのイメージとは異なる役を楽しむレイチェル・マクアダムス
毒気のあるユーモアと過激な描写で、サム・ライミ監督はいつも観客を楽しませてくれる。シャロン・ストーン主演の西部劇『クイック&デッド』(1995年)やオカルト映画『スペル』(2009年)では、トラブルに立ち向かうタフな女性を主人公にしている。
『スパイダーマン』も、主人公のピーター・パーカーを振り回すメリー・ジェーン(キルスティン・ダンスト)が印象的だった。サム・ライミ作品に登場する女性たちは、ハリウッド映画にありがちなお飾り的なヒロインではなく、ひと癖もふた癖もあるキャラクターであることが多い。
レイチェル・マクアダムスは『きみに読む物語』(2004年)や『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2013年)で知られる都会的な美人女優。サム・ライミ作品は、『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年)に続いての出演となる。無人島でのサバイバル生活に挑む本作では、これまでのイメージを一新するワイルドなキャラを実に楽しげに演じている。
パワハラ上司のブラッドリー役は、『メイズ・ランナー』三部作(2014年~2018年)のディラン・オブライエン。イケメンの若手俳優だが、野生化したレイチェル・マクアダムスの前ではお手上げ状態だったようだ。
外面だけはいい、中身はパワハラ気質のダメ上司
容姿の冴えないリンダは、会社では男たちにいいように使われっぱなし
ところがその社長が急逝し、社長の息子であるブラッドリー・ブレストン(ディラン・オブライエン)が新社長に就任。リンダがまとめ上げた資料を自分の手柄にしたドノヴァン(ゼイヴィア・サミュエル)が副社長に選ばれる。ブラッドリーとドノヴァンは、大学時代からの友人でゴルフ仲間だった。
新社長となったブラッドリーは、冴えない容姿のリンダを見くびっていた。先代社長から副社長にと口約束されていた件を直訴するリンダだったが、ブラッドリーは聞く耳を持たない。バンコク出張にリンダを同行させ、難癖をつけて解雇することを企む。
会社での関係が逆転する無人島生活
漂流直後のリンダは人道的な配慮から、ブラッドリーを介護するが……
サバイバル番組の熱烈なファンだったリンダは、リアルな無人島生活に大喜び。サバイバル番組で覚えたノウハウを活かし、雨水を効率よく集め、木の枝を集めてのテント作りに励む。
一方、ブラッドリーは無人島で目が覚めて以降、現実を受け入れることができない。会社での上司づらをしたまま、リンダに「早く救援を求めるんだ」と命令するだけだった。
大自然での生活を謳歌するリンダと、何もできずにただ救援を待ち続けるブラッドリー。職場での上下関係が完全に逆転した形でのサバイバルライフとなる。
ノーメイクでも、美しく輝くレイチェル・マクアダムス
レイチェル・マクアダムスはすっぴん状態で大熱演
時代の変化に柔軟に対応する女性に比べ、男性は過去の成功体験に縛られがちだ。社会で虐げられてきた側と、虐げてきた側との違いでもある。何もない無人島で、どちらが生きる力に秀でているかが試されていく。
サバイバルライフの大きな見どころとなるのは、物語中盤に用意されたリンダの狩猟シーン。手作りの槍を持ったリンダは、獲物を求めて、森の奥へ。そこに現れたのは巨大で凶暴なイノシシだった。
スプラッター描写を得意とするサム・ライミ監督だけに、イノシシとの格闘シーンは迫力充分。あのレイチェル・マクアダムスが全身血まみれになりながら、森の中で大立ち回りを演じてみせる。リンダが味わう、その晩のジビエ料理は格別の味だった。お腹を空かせたブラッドリーは、彼女の軍門に下るしかなかった。
着替えもなければ、化粧品もない無人島だが、職場のストレスからも、デジタルツールからも解放されたリンダは、大自然の中でどんどん美しくなっていく。レイチェル・マクアダムスはすっぴんに近い素顔をさらしており、彼女の左頬にある特徴的なほくろも魅力的に感じられる。
レイチェルの新しい表情を引き出してみせただけでも、本作は成功作と言えるだろう。
イタリア映画『流されて…』とは異なる展開に
自分が置かれた状況を理解できずにいるブラッドリー(ディラン・オブライエン)
しばらくは対立していたふたりだが、やがて肉体関係で結ばれ、愛し合うようになる。しかし、救援船が現れたことで、ふたりの関係は再び変わってしまうことに。環境の違いによる男女の関係性の変化を巧みに描いた『流されて…』は世界的なヒット作となり、ガイ・リッチー監督がマドンナ主演作『スウェプト・アウェイ』(2002年)としてリメイクしている。
サム・ライミ監督の『HELP/復讐島』は『流されて…』の男女の立場を入れ替え、現代的にリブートした形となっている。ただし、物語中盤以降の展開は大きく異なる。
いつまで続くか分からない無人島生活で、次第に歩み寄りを見せるようになるリンダとブラッドリーだった。リンダはかつて結婚生活に失敗したことを明かす。酒乱の夫の暴力が原因だった。一方、苦労知らずのお坊ちゃんに思えたブラッドリーだが、両親から愛された記憶がないと打ち明ける。ブラッドリーは生まれながらのモンスター上司ではなかったわけだ。
お互いのことを理解し、『流されて…』のようなロマンティックな関係になるのかと思いきや、サム・ライミ監督はそこから物語を二転三転させ、リンダとブラッドリーには『流されて…』以上のサプライズな結末を用意している。
ただし、鑑賞後の感想はネタバレにならないようくれぐれもご注意を。
差別している側は、自分が差別していることに気づけない
職場でのいざこざを忘れ、ふたりは和解できるのか?
自分はパワハラやセクハラとは無縁だし、偏見なんか持っていないという人が多いだろうが、韓国でベストセラーとなった『差別はたいてい悪意のない人がする』(大月書店)を読むと、マイノリティ側(職場では女子社員や非正規採用スタッフ)が差別されていることに、マジョリティ側(上司や男性社員)のほとんどは気づけていないことが分かる。自覚がない人ほど、無自覚な差別をしがちなことは覚えておきたい。
閉ざされた環境で起きる恐怖のドラマという点では、サム・ライミ監督のブレイク作『死霊のはらわた』を彷彿させ、セルフオマージュシーンも散りばめてある。ホラー映画ばりのブラックな展開が待ち受けているが、そこはアトラクションムービーとして割り切って楽しむべきだろう。
今いる環境や人間関係にストレスを感じている人には、『HELP/復讐島』は溜め込んだ感情を発散させることができる最高のデトックスタイムになるに違いない。
『HELP/復讐島』作品データ
製作・監督/サム・ライミ 脚本/ダミアン・シャノン、マーク・スイィフト
出演/レイチェル・マクアダムス、ディラン・オブライエン、エディル・イスマイル、ゼイヴィア・サミュエル
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン PG12 1月30日(金)より全国劇場公開
(C)2026 20th Century Studios. All Rights Reserved
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/fukushu-jima
※『流されて…』『スウェプト・アウェイ』はU-NEXTなどで配信中
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