草食男子にオススメしたい動物は、カバである|動物たちの恋愛事情Vol.1
2025/07/24 更新
この記事は2016年にKekoon powered by マイナビウエディング にて配信されたものです
Kekoon(ケコーン)では以前、ライオンの夫婦の生態を紹介しました。動物の生態は現代でも明らかになっていない部分が多いですが、モノも情報も感情もフクザツに入り組んでいる現代社会においては、動物の夫婦や生態から人間が学ぶことって、実は多いのではないでしょうか。
そこでKekoon(ケコーン)では、今後もさまざまな「動物の夫婦」について、シリーズで紹介していくことになりました。動物たちの生存本能や母性本能、夫婦や家族の絆について、ライターの木村衣里(きむらいり)が取材していきます。

突然すみません。これ、何だと思いますか?
カバの、おしりです。
でっぷりしたお尻、そこに申し訳なさそうに垂れ下がる短いしっぽ、そのしっぽを振り回して「ぺぺぺぺぺっ」とフンを撒き散らす姿......ああ、もう、すべてが愛おしい。

いきなり何をしてくれるんじゃと思われたかもしれません。突然すみませんでした。
ライターの木村衣里(きむらいり)と申します。
「動物たちの恋愛事情Vol.1」ということで、今回は、冒頭にお見せした愛くるしすぎるお尻を持つ「カバ」を紹介したいと思います。
なんで初回からカバかって? それはわたしが、この世で一番愛らしい動物はカバだと思っているから。今回の取材を通して、ひとりでも多くの読者にカバの魅力に気付いてもらえればと思っています。
ちなみに取材には当媒体の編集・ライターで、会社の先輩であるカツセマサヒコ氏を連れていきました。「カバの魅力がこれっぽっちもわからない」と訳のわからないことを言っているので、どっぷりとその愛くるしさに浸ってもらおうと思います。
そこでKekoon(ケコーン)では、今後もさまざまな「動物の夫婦」について、シリーズで紹介していくことになりました。動物たちの生存本能や母性本能、夫婦や家族の絆について、ライターの木村衣里(きむらいり)が取材していきます。

突然すみません。これ、何だと思いますか?
カバの、おしりです。
でっぷりしたお尻、そこに申し訳なさそうに垂れ下がる短いしっぽ、そのしっぽを振り回して「ぺぺぺぺぺっ」とフンを撒き散らす姿......ああ、もう、すべてが愛おしい。

いきなり何をしてくれるんじゃと思われたかもしれません。突然すみませんでした。
ライターの木村衣里(きむらいり)と申します。
「動物たちの恋愛事情Vol.1」ということで、今回は、冒頭にお見せした愛くるしすぎるお尻を持つ「カバ」を紹介したいと思います。
なんで初回からカバかって? それはわたしが、この世で一番愛らしい動物はカバだと思っているから。今回の取材を通して、ひとりでも多くの読者にカバの魅力に気付いてもらえればと思っています。
ちなみに取材には当媒体の編集・ライターで、会社の先輩であるカツセマサヒコ氏を連れていきました。「カバの魅力がこれっぽっちもわからない」と訳のわからないことを言っているので、どっぷりとその愛くるしさに浸ってもらおうと思います。
目次
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地球上で一番カバに似ている動物は、クジラ

今回お話を伺うのは、この道25年のベテラン飼育係・大西秀弘さんです。
さっそく、大西さんからお話を伺う......前に、まずは肝心のカバにご挨拶。
ここ、東武動物公園ではオスの「ズーくん」と、メスの「マイちゃん」、計2頭のカバが飼育されています。昨年の3月に娘の「ソラちゃん」が熊本市動植物園へ嫁入りしてからは、夫婦でつつましく暮らしているとのこと。
普段は日替わりで外の展示スペースと中の飼育スペースを行き来しているそうで、2頭同時に見られることはほとんどないんだとか。
今日の展示はマイちゃんの日なので、マイちゃんに会いにいきます!

大西さんが声をかけると、ぬーっと近寄ってきたマイちゃん。

ぐもーーん

口を大~きく開け、エサをねだるマイちゃん。目を細める様子はまるで大西さんに甘えているようです。
木村「いや~、かわいい! すでにかわいいが飽和状態です!」
カツセ「いやいやいや、歯が怖すぎるだろ。どう見ても口臭ひどいよあれ?」
木村「もっと全体像で捉えて? こっちに向かってくるあの動き......見てました? すごくないです!?」
大西さん「そうですね、カバは1日の大半を水の中で過ごします。陸上動物としてはゾウの次くらいに大きいですから、約3トンの体重を考えると、水中のほうが動くのになにかと楽なんでしょうね。野生のカバは交尾も出産も水の中で行うんですよ」
木村「そういえば、カバのDNAはクジラに近いって言いますもんね」
カツセ「クジラ!? 全然違くない?」
大西さん「昔は『見た目がブタに似てるからイノシシの仲間だ』って言われたり、『いややっぱりウシの仲間だった』なんて言われたりしたんですけど、DNAの分析によってクジラとカバは共通の祖先をもつことがわかったらしいですよ? あと、カバ科の生物って現存する種では『カバ』と『コビトカバ』のみで、そのコビトカバも見た目の小ささから『カバの小型種だ』なんて言われますけど、実際にはぜんっぜん違います。だってカバはカバ科カバ属のカバですけど、コビトカバはカバ科コビトカバ属のコビトカバですからね。それだとキツネもタヌキもオオカミもみーんなイヌだろ、って話になっちゃいますから、それぜんぜん違いますから、ほんとに」
カツセ「なんでちょっと怒ってんの......」
大西さん「そうそう。カバは水生にとっても適した動物なんですよね」
木村「ほら、合ってた!」
カツセ(大西さん優しいな)
大西さん「今日は特別に、裏にいるズーくんにも会いにいきましょうか。近くで見るとまた違った発見があるはずですよ」

顔のニヤけがおさまらない。

ズーくん先輩、ちわっす。
大西さん「今は水からあがったばかりなのでわかりにくいかもしれませんが、よく見ると皮膚から赤茶っぽい粘液がうーっすらにじみ出ているの......わかりますか?」

木村「これが俗に言う『血の汗』ですね!?」
カツセ「血の汗?」
木村「世間でそう言われてるだけで、厳密にいうと『血』ではないし、『汗』とも違いますけどね。そもそもカバには汗腺がないですから」
大西さん「よくご存じですね(笑)。カバの皮膚はとってもデリケートなため、紫外線や乾燥にとっても弱いんです。そのため、陸に上がると皮膚をコーティングする粘液をだします。
色も血のような赤というよりは、茶色に近い褐色ですね。これは粘液の成分が空気により酸化してこのような色になる、と言われています」
木村「赤っぽくなる原因はハッキリしていないんですね」
大西さん「まあ......詳しいことはわかっていない、というか」
カツセ(動物の話にありがちなやつだな......)
草食男子にオススメできるカバ
木村「カバの夫婦について伺いたいのですが、カバもライオンなどと同じように、一夫多妻制ですか?」
大西さん「はい。カバも10~20頭の群れをなして行動します。オス数匹に対してメスが数十頭なので、いわゆるハーレム状態と言えますね」
木村「そこでは、ボスのカバがすべてのメスを自分のものにしちゃうのでしょうか?」
大西さん「いえ、そうとも限りませんよ。ナンバー2やほかのオスが、気の合うメスと陰でこっそり......ということはよくあるので」
木村「なんか、大学の飲みサークルみたいですね」

大西さん&カツセ(飲みサークルってそんなにドロドロしてたっけ......?)
大西さん「というよりも、これは野生の群れではよくあることなんですよ。
ボスがすべてのメスに目を配れるか......というと無理な話ですから」
木村「たしかにそうですね」
大西さん「それに、彼らは子どもを見て『あれ? お前、あんま俺と似てなくね?』なんて気付くこともありませんし」
木村「なるほど。たしかにそうだ。でも、動物園ではよくつがい(夫婦)で飼育されていますよね? その場合はどうなのでしょう??」
大西さん「あまり派手な愛情表現はしませんが、夫婦で寄り添う姿なんかは見かけますね。あとは......発情するとメスのほうからオスにお尻を向けるくらいでしょうか」
木村「え! カバのメスって意外と積極的なんですね!?」

カバのメス、EASY!
大西さん「マイちゃんが発情期になると、ズーくんはじーっと見てることもありますね。ほかの動物にはオスが無理やり......なんてのもいますから、それらとくらべると多少は良心的かと(笑)」
木村「発情期を迎えてもなお草食系男子を貫くズーくんと、積極的なマイちゃん......現代の若者っぽさがあるなぁ」
「カバはサバンナ最強説」は、あながちウソじゃない?
大西さん「最強、かあ......。たしかに、水の中に入ってしまえば天敵らしい天敵はいなくなりますね。カバの天敵はライオンなのですが、水の深いところまでは入って来られません。
唯一ワニはカバを攻撃することがありますが、生体の健康なカバがワニに襲われることはほぼないでしょう。体の大きさで考えても、皮膚の厚さ的にも、ワニの歯では太刀打ちできないですからね。
ワニに捕食されてしまうのは、たまたま弱っていたか、まだ子どもだったか、死体が流れてきたのを食べているかの、どれかだと思いますよ」
木村「しかもカバって、実は足が速いですからね」
カツセ「え、そうなの? だってカバといえばア○パンマンのカバ○くんみたいに、おっとりしてて食いしん坊でちょっとドジ......みたいな感じじゃないの?」
大西さん「カバは時速30~40kmで走ります」
カツセ「30~40!?」
木村「もし、カツセさんがサバンナのカバをカバ○くんみたいなものだと思っているのだとすれば、確実に死にます」
大西さん「3トントラックが時速40kmでぶつかってくるようなもんですから、死ぬでしょうね」
カツセ「まじか」

「これが向かってきたらこわいよねえ」と、大西さん。
カツセ「ええー。じゃあもう俺、来世はカバになりたい。
だって天敵らしい天敵はいなくて、水中ではほぼ無敵、命の危険が少ないうえに交尾はメスから誘ってくれるんでしょ? 同じオスとしてそれって最高だと思うんだけど」
木村(そんなに単純じゃないけどな......)
木村「ちなみに、大西さんはカバのどんなところが好きですか?」

「ん~......」

「耳...かなぁ////」

「......耳......」

「......ちっちゃいのを...くるくるしてて...かわいい......////」
まとめ
やっぱりカバは最強! 最高にかわいくて最強の動物に間違いありません!
木村「と、いうことでよろしいでしょうか」
大西さん「もちろん、野生の世界はそんなに易しいものではないですし、ナンバー2のオスや成長した自分の息子がいつ群れを乗っ取ろうとするかわからない状況ですからね。ライオンという天敵もいることですし。
ただ、一つの考え方として、水中では『カバ最強!』『来世はカバがいい!』は、あってもよいと思いますよ」
木村「ありがとうございます!」

みなさんも来世ではカバに生まれ変われるように祈りながら、現世を全うしましょうね! それでは!
【書いた人】

木村衣里(きむらいり)
プレスラボ所属の編集者/ライター。
実家はちいさなパン屋で、三人姉妹の末っ子。
この世で一番愛らしい動物はカバだと思っている。
Twitter:@i_s_ooooo
◎取材協力
ハイブリッド・レジャーランド東武動物公園公式Webサイト
https://www.tobuzoo.com/
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