こんにちは、ライターのカツセマサヒコです。
11月22日は、「いい夫婦の日」らしいです。
結婚している皆さん、ちゃんと「いい夫婦」していますか?
僕はというと、結婚して子どももいますが、まったくと言っていいほど「いい夫婦」の定義がわかりません。いい夫婦って何? 共働きで年収1億円あるとかそういうこと? 一生ムリなんですけど。
そこで今回は、家族との日常を描いたツイートが「ほっこりする」と話題を読んで、フォロワー17万人を超えた大物アカウント「@shin5mt」の中の人、shin5さんにお越しいただいて、「いい夫婦とはなんぞや」ということを伺ってみようと思います!
2015年11月現在、フォロワー17万人を超える有名ツイッタラー。
家族との日常を描いたツイートを原作にしたWebマンガ「#shin5 ~結婚しても恋してる~」がジーンピクシブにて連載中。今春書籍化予定。
※ご本人の希望により、今回は顔出しせずにお届けします。
付き合ったときから結婚を意識していた
「今日は『いい夫婦の日』対談ということで、既婚者男性同士、いろいろお話できればと思います!」
「はい、よろしくお願いします」
「shin5さんが結婚したのって、いつですか?」
「2009年ですね。ちょうどそのときに、上の子が小学校に入りました」
「あ! そうか、奥さんにはすでにお子さんがいたんでしたっけ?」
「そうです」
「そのとき、shin5さんっておいくつですか?」
「24~25歳ですね」
「若い! それって子どもがキューピッド的な役割だったんですか?」
「はい、まさにそれでしたね」
「あ、やっぱりそうなんだ。お子さんがshin5さんのこと気に入って、そこから奥さんと仲良くなった感じですかね?」
「そうです。妻とは僕の出向先の会社で出会ったんですけど、子どもがいるっていうのは前から知っていました。で、職場参観とかで子どもと会う機会があって、その子と仲良くなって......という感じでした」
「奥さんとは、当初から結婚を前提に付き合っていたんですか?」
「そうですね。というか、僕は学生のころから『結婚できる人じゃないと付き合わない』と思っていて」
「硬派!!!!(笑)」
「なんだろう、どうせなら、長く一緒に生きたいじゃないですか。時間もお金も気持ちも費やすわけだから、なんかちょっと違うな、この人とは結婚できないかもな、って思う人とは付き合えなくて」
「なるほど。知り合ってから付き合うまでに時間をかける人ですか?」
「うーん、そこは、そうでもないですね」
「じゃあshin5さんの中で恋愛や結婚は、直感を大事にしている?」
「はい、とても大事だと思っています」
「直感って言うと、ちょっと怖いところもあるじゃないですか。『もしかしたらこの人、異常な性癖があるかも』とか(笑)」
「そうですね(笑)。だから途中で別れちゃう人もいたんですけど。でも妻も直感的に『良いな』って思ったんですよね。結果的に、その直感は合っていたから安心していますけど」
「結婚を意識したとき、『すでにお子さんがいる』って、どこかプレッシャーに感じなかったですか?」
「それはなかったですね」
「へえ! ないんだ! 不安よりも一緒にいる幸せの方が大きいと思って、結婚に?」
「はい。子どもがいる、いわゆるシングルマザーの方と結婚することへの不安よりも、その人が入院したり、子どもに何かあったりしたときのほうがよっぽど不安でした。
僕と妻は結婚してから双子を授かったんですけど、妻は双子の妊娠中に何度も入退院を繰り返していて、そのときは僕も仕事が手につかないから、お見舞いにいくときは「仕事を置いて妻のところに行きます」ってハッキリ職場に伝えました。
「shin5さんもすごいけど、職場が寛大すぎる。でもそれって、shin5さんの会社での立場がよかったから言えた、みたいなところもあるんでしょうか?」
「ポジションは、双子が生まれてくる前にグッと上がったんです。双子なんて産んだらお金も厳しくなるかなと思って、成績上げて、昇格試験を受けて、最年少で役職につきました」
「すごい! じゃあ一応マネジメントみたいなポジションにいたから影響力はあって、『早く帰る』って言ったら帰れた、みたいなところもあったってことですね」
「そうです」
「そっか、じゃあ、早く帰るためには偉くなれっていう結論が......(笑)」
「ほかにもいろいろ方法はあると思いますけどね(笑)」
家事や育児と仕事の両立について
「shin5さんはエンジニアだと伺ったのですが、帰宅時間って何時ぐらいなんですか?」
「21時~22時が多いですね」
「その時間だとさすがに、お子さんはもう寝ている......?」
「寝てます。で、僕は朝6時~7時には家を出るので......」
「じゃあ平日は家族とはほぼ会えない感じだ!」
「はい。そのぶん、土日にかけていますね。仕事や家事はできるだけ平日に片付けて、いかに土日に遊ぶかを意識しています。
結婚したてのころは、子どもがいながらも共働きだったので、『家事も家賃もぜんぶ半分こしよう』と言っていて。保育園のお迎えに妻が行けないときは僕が行くし、朝、子どもを送りに行くときも2人一緒に行くか、それぞれ余裕がある方がやっていました。
でも、そこから双子が生まれて、それをきっかけに妻が専業主婦になると、バランスを少し変えなきゃいけなくなって。子ども3人を育てるって、本当に大変なんですよ。だから僕が朝早く起きて子どものお弁当を作って、妻が1時間でも長く寝られるようにするとか、そうやってバランスを取るようにしていました。妻が掃除をし始めたら、僕も必ず一緒にやる、とかですね」
「あー、わかります。でも掃除って、『やろう!』っていうテンションが出ないとできなくて、うちの場合はそこでよく『いいよ後でやろうよ~』『いや今やろう』って喧嘩したりしてます(笑)」
「家事や育児の分担とか、周りの話を聞いていて、カツセさんはやっている方だと思いますか?」
「たまにですけど、周りからは『協力的だ』って言われることがありますね......。たとえば、妻が友人の結婚式に行くときに、一緒についていって、披露宴会場には入れないけどロビーでずっと子どもと待ってるとか、そういうのはあまり苦じゃなくて。
子どもはまだ乳離れしていないので、預けることはできないし、『でも結婚式にも行きたい』と妻が言うので、『じゃあ一緒に行くか』って言って。それをやってるときは、妻の友達から『旦那さんえらいね~』ってチヤホヤされて、いい気になってました(笑)」
「いい気になるの、大事ですよね(笑)」
「やっぱり、いい気にならないとやっていけないところってあるんですよ。『申し訳ないけど、褒めてほしくてやってるから、褒めてくれ』って(笑)。逆に『やってくれ、やってくれ』って言われるとやらないタイ プでもあって、それを妻も知っているからちゃんと褒めてくれるし、だから飽きずに家事も育児もできているのかなって思いました。これって結構ヒドい考え方だと思うんですけど......」
「うちも、前もって宣言はしないですけど、何か家事をやったら『やったよ』ってお互いに言い合うようにしています。たとえば『トイレ掃除したよ』とか『洗濯物の量が多くて大変だった』って片方が言ったら、もう片方は『ありがとう』ってきちんと感謝の気持ちを伝える。恩着せがましい気持ちとかじゃなくて、そういうコミュニケーションは本当に大切だと思います」
「ルールってほど固いものじゃないですけど、1つ決めておくといいですよね」
子どもがいてもデートしたくなる
「育児疲れ、しないですか?」
「します、します」
「僕、子どもが生まれて10カ月なんですけど、奥さんとデートしたいってひんぱんに思っていて。まだ1回くらいしかできてないんですけど、まあ、それって当たり前と言えば当たり前で。早く乳離れしちゃえば預けられるかなって思うんですけど、そういう願望ってありました?」
「ありますよ。でも結局預けないで、ベビーカー持って家族5人で出かけていますね。2人ではないけれど、デートしてる感じで、子ども達も一緒にいるのが自然っていう」
「気持ちの問題ってことかあ......。実際に2人で出かけるのってやっぱり難しい......?」
「難しいんじゃないですかね......。あ、でもありましたよ。ドリカムのライブに毎年行ってるので、そのときだけおばあちゃんに来てもらいました」
「お、なるほど、そのやり方はうちと一緒。僕もミスチルのライブのときは妻の実家のお母さんに来てもらってました(笑)」
「それでも、子どもが小さいうちは丸1日2人でいるっていうのは難しいでしょうね」
「やっぱりそうなんでしょうねえ」
よい夫婦って何?
「最後に、いい夫婦って何だろうっていうテーマを改めて話したいと思うんですけど、何か思うところありますか?」
「うーん、『家族』じゃなくて『夫婦』ですよね? 夫婦って言われると、僕の場合はもう結婚した時点で子どもがいたので、どうしても子どもから見た、お父さんお母さんが浮かんでしまうんですよね」
「そうか、結婚したときに子どもがいると確かに考え方も違いそうですね。
僕は、子どもがいなくてもいいんですけど、要は何かしらの責任を背負ってるってことなのかなあって思いました。書類一枚だけですけど、婚姻届ってすごいと思うんですよ。そりゃあ『バツが付きたくない』とかの世間体を気にする点もあるけど、それだけじゃなくて、何かすごい効力があると思っていて」
「あの紙一枚出す出さないで、やっぱり気持ちは違いますよね。あと、『お互いの、この部分が好きだ・嫌いだ』っていう話は、結婚してからもいっぱいすべきかなと思っていて。だから『今の話、すごく嫌だった』とか、『ちょっと気に障った』とか、それをその場ですぐに言って、きちんと悪いところは直そうって2人で決めています。
『何が気に食わなかったのか、どうして機嫌が悪いのか』など、お互いの気持ちを伝え合うことは夫婦になってからの方が大事だと思っていて、お互いを大切に思うからこそ、何を考えているのかしっかり伝えたいし、勘違いで喧嘩をしたくないじゃないですか。
その結果、やっぱり夫婦になって良かったなって思えるんですよね。お互いを自然に気遣うことができるようになったし、自分の成長にもつながったので」
「あー、それは本当に、恋人じゃなくて夫婦だからできることなんでしょうね。恋人でそんなズバズバ言ったら、『じゃあ別れるわ』って言っちゃいそう(笑)」
「うん、そう思いますね。『5年後10年後、こういうことしたいね』って話を本気でできるのも、夫婦ならではのいい関係だなって思います」
「それ、ありますね。恋人だと変に言えなくないですか? 『20年後こうしてたい』とかって。それを約束できるのが夫婦の特権かもしれないですね。『未来を一緒にいるのが前提』っていうのは、ワクワクするというか、楽しみの1つですよね」
「だからどれだけ嫌なことがあっても、おもしろいことがあっても、家族や夫婦の中で共有して完結するんですよね」
「確かに、良いこと悪いこと起きるし、お互いに直してほしいところもあるんですけど、全部『ずっと一緒に生きていかなきゃいけない』って前提で考えますからね。ネガティブな意味じゃなくそこから考えられるっていうのは、恋人とは違いますよね」
「そうですね、ずっと一緒にいることが前提で、お互いを気遣いながら生きるっていうのが大事なんでしょうね」
「そして、それができているのが『いい夫婦』ってことですね」
「そうなりますね」
「......ハードル高いなあ......(笑)」
こうしてshin5さんとの対談が終わりました!
一応2人で結論まで出したものの、話していて思ったのは、やっぱり夫婦のかたちは人それぞれということ。子どもの有無や働き方の違いで、いろんな生活があるんだと思います。
皆さんもせっかくの「いい夫婦の日」なので、理想の夫婦像について考えてみてくださいね! shin5さん、ありがとうございました!!
妻 と結婚する前、彼女は「結婚したら大変だよ。私には子供がいるから寂しくない。大丈夫よ」と笑いながら泣いていて、それでも手を繋いだまま離さなかったか ら、僕がみんなの前で「今日、家族にしてくれてありがとう」と泣いたあの場所から、ここまで歩いてこれた。まだ続くこの先も君と一緒にいたい。
- shin5 (@shin5mt) 2015, 10月 5
家に帰ってきたとき、妻がいつもよりニヤニヤしてる様子だったら、きっと何か僕が喜ぶことをしてくれた証拠で、それを探し出して、犬かよってぐらい全力で褒めてあげてっていう時間こそ、記念日とかよりよっぽど大事だと思う午前4時半。
- カツセマサヒコ (@katsuse_m) 2015, 11月 17
■「いい夫婦」になりたいな
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