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オンライン結婚式
IWAI OMOTESANDOでの結婚式

※この記事は2022年1月時点の情報です。
新型コロナウイルスの影響もあり、新しい結婚式の形が登場しつつある昨今。
「くふう婚」では、新しい結婚式のアイデアをご紹介しています。

今回は、2020年11月にIWAI OMOTESANDOでセレモニーをおこなった、なるみさんジェニーさん、ふたりへインタビュー。
オリジナリティあふれるプログラムや、オンライン配信だからこそ取り入れたアイデアなど、これまでに見たことのないような一日!
そして、結婚式を挙げることへの思いや、新しい結婚式の形についても、お話を伺いました。

「これからの新しい結婚式の形」を考えるきっかけになるような、先輩カップルの実例をご紹介します。

くふう婚 特設ページ

「普通の結婚式とは思わずに、"ショー"だと思って楽しんでください」という挨拶で始まったパーティは、エンターテインメント感あふれるプログラムの連続。
ボイストレーニングにも通って準備したというふたりの歌や、華麗なダンスで盛り上げ、さらに食や香りでのおもてなし。リアル・オンラインといった参加形態を問わず結婚式を体感できるひと時に。

見たことのないような結婚式を創り上げたふたりのアイデアの源や、ゲストへの思いを深掘りします!

  • 実際のセレモニーの様子
  • オンラインで結婚式をするにあたっては、考え方がいくつかあると思うんです。
    配信環境や機材にこだわり、綺麗な映像を流すことで会場との一体感を出すのか。
    それとも、配信の安定性と接続が切れないという点を重視し、そこに香りや料理をお送りするような付帯価値をプラスすることで一体感を生み出すのか。
    考え方ややりたいことによって、方法や予算も異なり、軸にするところが違ってくるので、私たちも悩んだ点ではあります。
    私たちはZoomとYoutubeの両方に配信をしていたので、映像の美しさより配信が途切れないことに重点を置いて、そのほかの部分で創意工夫をしました。

    最初にふたりで話していたコンセプトは「五感で楽しむ結婚式」でした。

    当日会場に来てもらったのは、70名の会場に、20人程度。家族と、東京に在住している数名の友人だけでした。
    そしてオンライン参加として招待したのが、60アカウント、80人ほど。
    オンラインで参加している方にとって、ただ画面を見ているという状況で、どうしたら私たちの式を楽しんでもらえるのかな、という所は、すごく考えました。ずっと見ているだけでも楽しいもの、飽きずに見ていただけるものを考えた時に、プログラムとしては歌やダンスなど「表現するもの」を取り入れることにしました。

    また、両親への感謝 を伝える場面でも、手紙ではなく歌で思いを伝えました。Taylor Swiftの"The Best Day"という母親に宛てた曲に乗せて、自身で考えた歌詞で歌いました。
    母とカラオケに行ったときに、母が「すごく良い曲だ」と言っていた曲なんです。3年前くらいから温めていたアイデアでした。

    また、私が香水関係の仕事をしていることもあり、「香り」にもこだわりました。
    できる限り当日の会場と同じ空気を感じていただきたいという思いから、事前に、香りをつけた花びらをオンライン参加のゲストへ送ったんです。
    インテリアとしても楽しんでいただけるように、フェイクの花びらをかごに詰めて。その香りを当日は会場内にもふりかけて、私たちふたりも同じものをつけていました。香りだけでなく、希望するゲストには料理もお送りしました。
    遠くにいる方にも身近に感じていただけるように、工夫を凝らしましたね。

    香りは、アメリカにいるゲストにも送りました。どうしても国外から来てもらうことは難しい状況だったので......。
    ただ、郵送をするにしても新型コロナウイルスの影響があり、「到着日は読めません。いつ届くのか分かりません」と言われ、結構大変でした。結果的には、間に合ったのでよかったです!

    オンライン配信に関してのハプニングは、良いことも悪いこともありましたね。

    仕事の休憩の合間やテレワーク中に見てくれたゲストもいました。また、アーカイブを残すこともできるので、その人にとって都合の良いタイミングで見られます。「気負いなく祝ってもらえる」という点では、良いポイントだと思います。
    一方、通信状況の影響でタイムラグが発生したり、会場の声がオンライン参加者へ届かなかったりということもありました。そういった情報技術という観点では、まだ個人のイベントのレベルで行うのは難しい点もあるように感じました。

    あと、ゲストの情報機器に対してのリテラシーに個人差はありました。
    オンラインで参加したなるちゃんのおばあちゃんは、ミュートに切り替えていなかったので、私の母のことを「きれいなお母さんだねぇ~」と呟いているのが、同じZoomルームにいた母の友人に聞こえていたり(笑)。
    世代によっては、オンライン上で案内を受けても分からない・伝わらないという状況は事前にも想像できました。そのため、パーティ中に歌う曲の歌詞も、配信時のチャット画面に貼るだけでなく、事前に紙に印刷して郵送することにしました。リテラシー問わず見てもらえるのはやっぱり「紙」だねって。

    ゲストによっても使用言語が異なっているので、英語と日本語の両方を準備しました。
    私たちは、歌詞に自分たちの気持ちが表れている、メッセージ性の高い曲を選んでいましたし、ジェニーは自身で歌詞を書いた曲もあったので、「一番伝わって欲しいこと」が必ず伝わるように意識しました。

    今回私たちは、料理や引き出物の有無など、ゲストに選んでもらう形を取りました。「記念品や引き出物はいらないから、お祝いだけで渡したい」という考えもあると思うんです。そういう要望に対応したいと考えました。

    もしリアルで遠方在住のゲストに参列してもらう場合、交通費やご祝儀、ドレスアップや美容など大きな負担をかけてしまいます。
    風習や慣例も無駄なわけではないけれど、選択できればいいなということが、新型コロナウイルスという大きな理由もあって実現されはじめた。気負いせずに、人の幸せを祝福できる空気になってきているというのは思いましたね。今後、新型コロナウイルスの影響が収束した後も、参加の形を選べるようになったらいいなと思います。
    ただ選択肢が増えすぎると、ゲストも迷ってしまって選びづらい面も出てくるかもしれません。その点に配慮しながら、それぞれの考え方やライフスタイルに合った選択肢が、どんどん増えたらいいなと思いました。

    アメリカの親族からのお祝いの受け取り方も工夫しました。
    アメリカでは基本的にご祝儀という風習はないので、欲しいものをリスト化した「ウィッシュリスト」をゲストへ共有するのが一般的。

    ただ今回は、 新型コロナウイルスの影響もあり、ウィッシュリストから贈り物を選んでもらっても、送ってもらうことが難しい。そのため、モノではなくお祝い金という形を選びました。
    「同居を始める際に購入した家具の費用」など、援助してもらう項目をリスト化して、日本円とドルの変換をして。アメリカの親族にはそのリストを共有し、支援したい項目に、名前入れてもらう形をとりました。

    ふたりがIWAI OMOTESANDOでセレモニーを行うきっかけとなったのが、CRAZY WEDDINGが実施している"CELEBRATION for all"。
    「すべての人の人生にお祝いを」というコンセプトを掲げ、法律上同性婚が認められ婚姻の自由が訪れる日まで毎年、セクシュアルマイノリティの方々の挙式を無料でプロデュースするという取り組みです。
    ふたりの、結婚式へ込めた思いを伺いました。

    すべての人が祝われる"CELEBRATION for all"という企画のコンセプトや考えに、共感しました。

    日本での同性婚認可へ向けた、大きなムーブメントが興っているのを感じています。そのなかで、私たちのようにお祝いされる同性カップルがいるということが、たくさんの人の目に触れる。そういった意味合いでも重要なことなのではないかという気持ちもありました。

    レズビアンであるということを自認してからは、簡単にはできないことだと思っていました。実現は難しいのかもなと思っていた。ただ、いつかずっと一緒にいる人ができたら、家族や友人に、誓いを見守ってほしいなという気持ちはありました。
    周囲へのカミングアウトなどパートナーの考え方によっては、実現できたとしても家族だけでの挙式くらいの規模なのかな、と思ってもいたのですが、なるちゃんはオープンな人だったので、だったらめっちゃ友だち呼びたい!ってなりました(笑)

    「結婚式」という言葉を使ってはいますが、まだ日本では結婚はできない状態で、厳密に言うと結婚式ではない。今回挙式した「IWAI OMOTESANDO」さんでは「誓いのセレモニー」という言い方をしています。
    そういう人生の節目を、自分たちが言葉にしてお互いに伝え合うこと、言葉にして私たちはこう生きていくんだということを、私たちだったら歌にしたりダンスにしたり、表現する。
    両親に対しても親族に対しても、言葉にして「ありがとう、これからもよろしくね」ということを伝えることができる。人生の節目っていうのを見ていただけるっていうのが、結婚式っていう「セレモニー」の大切なことだなと感じました。

    「当たり前にお祝いされる」ということも、もちろん大事だと思います。
    ただ私たちは、まだ結婚を認められていないこの状況の中で、どれだけ自分たちの思いを発信できるかということを「祝われる」ことと同じくらい大切にしたかった。そのメッセージ性を強めるためにも、歌ったり踊ったり、表現することに重点を置きました。
    プログラムを大量に作ってしまったということもあり、パーティ中は私たちが、ほとんど席についていなかったですね(笑)

    結婚式って、やるもやらないも、自由だと思うんです。
    でももしやりたいんだったら、自分が楽しめる方法で、考えたらいいんじゃないかと思います。
    私たちは本当にやりたいことやったんですよ! ボイトレに通ったり。
    でもやりたいことだから、やるって決めたことだから、やりきれたというのがあったと思 うので。
    結婚式を控えているカップルさんも、やりたいことをやる、という気持ちで取り組んでほしいなと思います。

    実際のセレモニーの様子

    結婚式そのものへの思いや、アイテムの一つひとつにふたりのこだわりが詰まった結婚式。ふたりのこだわりだけではなく、ゲストに楽しんでほしいという視点から生まれたアイデアが至るところにちりばめられ、インタビューの間も本当に心があたたかくなるエピソードばかりでした。

    ふたりは今回、結婚式をおこなうにあたって、ドライフラワーと造花を組み合わせた保存できるブーケを2つ作ってもらったのだそう。
    「結婚できたときに、次の人へトスするのがブーケトス。同性婚が認められて、日本で結婚できるようになったその日に、私たちはこのブーケをトスしたい」

    昨年、お隣の台湾で同性婚を認める法案が可決され、日本でも法改正への気運が高まっています。また今年は、新型コロナウイルスの影響も大きく、結婚式の在り方も変化を求められているように感じます。多様性が認められつつある現代において、「結婚」や「結婚式」にも多彩な選択肢が必要なのだと改めて感じるインタビューでした。
    そして同時に、この状況下だからこそ生まれた、ふたりやゲストの気持ちに寄り添ったアイデアや選択肢が、今後もウエディングを豊かに彩っていくのではないかと思いました。

    マイナビウエディングでは、感染症対策に取り組みながら安心・安全な結婚式を行うためのアイデアを募集しています。詳細は、「くふう婚」特設ページからご覧ください。ステキなアイデア、お待ちしております!

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