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【学生結婚】超出世で上り詰めた「SHOPLIST」の若き取締役が妻と歩んだ12年

2025/05/15 更新
※この記事は2016年にKekoon powered by マイナビウエディング にて配信されたものです


ライターのミノシマタカコです。
意味もなく背景が兵馬俑ですみません。一応人妻です。

突然ですが、皆さんは「学生結婚」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

親からの反対? 貧乏生活?
それでも二人は愛と若さで苦労を乗り越え......的なやつ?


もしかしたら「まともに社会に出たこともないのに、結婚なんてうまくいくわけない!」なんて、ひと昔前の頑固オヤジみたいなことを言いたくなる人もいるかもしれません。

私もどちらかというと古いタイプの人間ですし、一応人妻なのでわかります。結婚生活ってそんなにイージーじゃないです。ましてや、人生経験の浅い学生が結婚して幸せな家庭を築くなんて、そんな......! 人生......! うまくいくわけ......!



あるんですね。


今回、話を聞かせてもらったのは、アパレルECサイト「SHOPLIST」を展開しているクルーズ株式会社の若き取締役・張本貴雄さん(2016年当時)。


張本さんは学生だった20歳のときに、当時社会人だった1歳年上の奥さまとできちゃった結婚。その後、26歳の若さで上場企業の取締役に就任するなど超出世を成し遂げました。
現在は、東京の「住みたい街ランキング」の上位にきちゃうような人気タウンで、専業主婦の奥さまと4人のお子さん、愛犬2匹とともに生活中。愛車のハーレーを乗り回し、神奈川の漁港でマグロを食べてから仕事に向かうというエクストリーム出社も軽々とこなしています。

私は学生結婚の友達が周りにいないというのもありますが、これはもう想像の斜め上をいく華々しさ......。いったいどんな人なんでしょうか。学生結婚ならではの苦労とかなかったんでしょうか。直接会って、話を聞いてみることにしました!

学生結婚の男は、生き急いでいた


ミノシマ「今日はよろしくお願いします! 学生結婚って私、ぜんぜんイメージがつかないのでいろいろ聞かせてください~」

張本さん「はい、どうぞどうぞ」

ミノシマ「じゃあまずはことの始まりから。張本さんって、学生結婚だけど、できちゃった結婚でもあるんですよね?」

張本さん「そうですね。学生時代に、彼女の妊娠が発覚したんです。付き合って4か月、僕は当時20歳でした」

ミノシマ「付き合って4か月!? すごいベタな質問していいですか? 避妊はしなかったんですか?」

張本さん「してないです。なので、確信犯と言えば確信犯ですね(笑)」

ミノシマ「4か月にして『この人なら!』みたいな?」

張本さん「子どもは天からの授かりものですから。まあ無計画だから、4人もできるんですけどね」

ミノシマ「すごい......でも最初の妊娠のとき、張本さんは20歳ですよね。妊娠がわかったとしても、その年齢で結婚に踏み込めない人はたくさんいると思うんですよ」

張本さん「そういうものですかねえ。僕の場合は、多分......」



「生き急いでたんでしょうね」



ミノシマ「え.........?」

張本さん「ほら、小学生のときって、早く中学生になりたいとか思うじゃないですか。僕、大学生の頃に早く家族を持ちたいなって思ってたから」

ミノシマ「常に一歩先のフェーズを目指してるんですね」

張本さん「ええ。それに僕はなんでも言い合える家族のなかで育って、自分もそういう家族を早く持ちたいなというのがあったんですよ。だから、子どもができてもいいと思っていたわけで。ほら、子どもってできたらできたで、あとは『覚悟を決める』だけじゃないですか」

ミノシマ「おお......学生とは思えない潔さ」

真逆の性格だから、うまくいく?


ミノシマ「それにしても、子どもができたとはいえ、学生で結婚を決めるのってなかなかできることじゃないなあと。まだまだほかの女性と出会うかも、とかは考えなかったんですか?」

張本さん「なかったですね。それなりに女性とも付き合ってきましたし、この人だったらいいかなって思いましたから」

ミノシマ「ほー。奥さまのどういうところに惹かれて?」

張本さん「そうですねえ。たとえば、男って、何かご馳走してあげようとか、いつも違う服でデートしようとか、基本的にかっこつけたい生き物じゃないですか?」

ミノシマ「んーそうなんですか」

張本さん「少なくとも、僕はそうなんですけど。でも、彼女ってそういうの全然気にしない性格だったんですよね。なんかいつも自然体というか。僕にはそれが印象的だったんですよ。洋服とかもあまり興味なさそうだし(笑)」

ミノシマ「なるほど。自然体、いいですね」

張本さん「うん。あとは、人の悪口を言わないところがよかったですね」

ミノシマ「おお。それは人間ができてますなあ」

張本さん「同じB型なのに、僕とは真逆の性格なんですよ。僕は料理をしながらでも片付けられるけど、彼女はできないし。しかもちょっと天然なところがある......。だって、家の鍵を持たずに出かけちゃうし。あ、服の前後ろ逆に着ていることもあるんですよ? おかしくないですか?」

ミノシマ「それ、首元が苦しくないですかね」

張本さん「苦しいと思うんだけど、なんかもうツッコミ疲れて(笑)。足のサイズ全然違うのに、僕の靴下を間違えて履いていることもありますからね。こういうやつを」



ミノシマ「え? あえて、じゃなくて?」

張本さん「違うんですよ。ほんとに気付いてないの。やばいの(笑)」

ミノシマ「かわいいじゃないですか~」

張本さん「僕は細かい性格だから昔はイライラしましたけど......。まあ、今となっては楽しいからいいんですけどね」

誰にも反対されなかった学生結婚


ミノシマ「なんかすごくいい感じなんですね~。でも、当時ご両親の反対とかはなかったんですか? 『学生の分際で、うちの娘を妊娠させやがって~!』とか『お義父さんと呼ぶな~!』的な......」

張本さん「なかったですね」

ミノシマ「ないんだ。お相手のご両親もすんなり?」

張本さん「嫁の親は大学教授だったんですよ。だから『これは殴られに行くしかないな』と思っていたんですけど、実際に会ったら喜んでくれたんです」

ミノシマ「ほええ。じゃあ、ご自身のご両親は!?」

張本さん「うちの親も姉を20歳で産んでいるんですよね。うちの両親は中国の人で、一人っ子政策の時代を生きてきたからか『子は宝』という考え方をすごく教えられてきたんです。だからこそ、子どもに関しては喜んでくれました」

ミノシマ「お嫁さんについては?」

張本さん「『素直でいい子だね』と言ってくれましたね。ただ、親になることについては『大丈夫か?』とも言われましたけど」

ミノシマ「ですよね。じゃあご両親のサポートも?」

張本さん「そうですね。結婚してからの1年間はマスオさん状態で嫁の実家で暮らしていました。バイトしながらですけど。大学に子どもを連れて行ったりしたこともあります」

ミノシマ「なるほど。二人暮らしは就職してから?」

張本さん「はい。でも、手取り18万くらいなのに家賃8万5千円の家借りちゃって、お金がぜんぜんなかった。だからそのときは双方の両親に食料を援助してもらったりして、なんとかやってました」

ミノシマ「おお、それはありがたかったですねえ」

張本さん「そうですね。でも、会社の同僚とランチいけないのはつらかったなあ。僕だけ弁当だったので」

ミノシマ「いいじゃないですか~お弁当」

張本さん「いやいや、新入社員だったら、先輩とのランチで気に入られたりとか、そういうのがあるじゃないですか。それが一切できない。昼休みのたった1時間の話ですけどね、そこでの劣等感や嫉妬はありました。でも、自分で蒔いた種ですから......」

ミノシマ「蒔いた種」

張本さん「まあ、いろんな意味で(笑)」

ハーレー事件で反省。妻の愛は深かった


ミノシマ「むむむ~張本さん! 今までの話を聞いていると、順風満帆な結婚生活を送られているみたいですけど、もっと二人が支え合って乗り越えたエピソードとかないんですか? つらかった時代の話とか」

張本さん「え~つらかったときの話? そういう方がいいんですか(笑) まあ、あるとすれば仕事ですね」

ミノシマ「ああ、26歳で取締役ですもんね」

張本さん「入社3年目だったんですよ。まだビジネスなんてわからないクソガキで、プレッシャーがすごかった。で、やっぱり結果が残せなくて翌年には取締役を降ろされたんです。今は返り咲きましたけど、あのころは悔しくて悔しくて、帰り道に涙が出てきましてね」

ミノシマ「おお。そのとき、奥さまは?」

張本さん「深くは聞いてこないんですよ。僕が目を張らせて帰ってきてるのはわかっていたと思うんだけど、とにかく明るく元気に振舞ってくれた。逆にそれがありがたかったですねえ」

ミノシマ「ほんとにバランスのいい関係なんですね。ケンカとかはしないんですか?」

張本さん「大きなケンカはほとんどないんですが、一度だけものすごく怒らせてしまったことがあって」

ミノシマ「え。話を聞く限りではものすごく優しそうな奥さまですけど......何があったんですか?」

張本さん「29歳のひな祭りの日に、『ちょっと出かけてくる』って言って、ハーレーを納車して帰ってきたんですよね。妻はひな祭りなので、ちらしずしとか準備してるじゃないですか。そこに夕方、ドドドド......と、僕がハーレーで帰ってきて」



ミノシマ「え? 買うこと言ってなかったんですか?」

張本さん「そうですね」

ミノシマ「ええー!?!?」

張本さん「玄関先で大げんかですよ。『バイクは一人で乗るものだし、最悪死ぬかもしれないものでしょ! それを一家の大黒柱がわざわざひな祭りの日に買ってくるなんて、子どもたちのことを何も考えてないじゃない!!!!!(怒)』と」

ミノシマ「.........」

張本さん「それで妻、家を出てっちゃいましてね」

ミノシマ「ヤバいじゃないですか。どうしたんですか?」

張本さん「そんなに怒ることないのに......と思ったんですけど、とりあえずお腹が空いてたから、テーブルの上にあるひな祭りの料理を食べようと子どもたちに声かけたんですね。そしたら、『ママはパパが帰ってくるまで待って、一緒に食べるって言ってた。だからママが帰ってくるまで食べない』って」

ミノシマ「おおお......」



張本さん「やっちまったと......。自分はすごい悪いことしたんだな......と」

ミノシマ「遅い! パパ気付くの遅い~!」

張本さん「妻はそれを僕の母に報告していて、僕はその後、母からものすごく怒られました。今では笑い話ですけど、あのときは本当にすみませんでした」

ミノシマ「笑」

学生結婚から12年を経て、今思うこと


ミノシマ「でも、なんだかんだ張本さんって、外でバリバリと仕事をする一方で、家のことでは素直に反省もするし、家族思いですよね。奥さまの守備力、包容力とも絶妙に噛み合っているんだなあと感じます」

張本さん「そうですね。僕はがむしゃらに仕事をしてきたし、妻は家を守って、めちゃくちゃ大変な4人の子育てをしてきました。うちは役割がはっきり分かれていて、だからこそうまくやってこれたとこもあると思っています」

ミノシマ「今どき、珍しい夫婦の形かもしれないですね。それも学生結婚というところからスタートしているわけですけど、どうですか、今振り返ってみて?」

張本さん「よかったですね。若くして結婚すると、お金はないけどパワーがあるでしょう。だから仕事や子育てに大変な時期があっても、ある程度気合いで乗り切ってこれるんですよ」

ミノシマ「それはあるかもですね」

張本さん「でも、結婚って必ずしも若いからいいということでもないと思うんですよ。30歳、40歳からなら、若いときよりも人生経験やお金がある状態でスタートできる。家族の課題解決にも違ったアプローチができるんじゃないかと」

ミノシマ「確かに。結婚って早いからいいとか遅いからいいとか、メリットやデメリットで語れる話でもなさそうですね」

張本さん「そうなんですよ。僕らは20代に合コン的なことはほとんど経験していません。お金がなかったから苦労したこともありました。でもその分、子育ては早く終わります。40歳くらいからは今よりももっと自由になるので、これまでと違った日常の過ごし方、遊び方をしていきたいです」

まとめ


社会に出たことのない学生がいきなり結婚してうまくやっていけるほど、この世の中は甘くないと、私は正直思っていました。結婚は「働いてからするもの」。それが昭和人間の私にとっての固定観念だったのです。

しかし、20歳という若さで結婚生活をスタートさせた張本さんは、ご両親のサポートを受けながらも大学を卒業。がむしゃらに働きながらキャリアを積み上げ、専業主婦の奥さま、そして愛する4人の子どもたちと、昭和的家族スタイルを見事に築き上げていました。

まさに共働き少子化時代の流れに逆行するような家族のカタチ。幸せそうに奥さまや娘さん、趣味のバイクのことを話す張本さんの姿を見ていると、結婚の時期も、夫婦のあり方も「こうあるもの」では語れないと感じたのでした。

もちろん今の結婚生活は、張本さん自身のずば抜けたバイタリティと、それを包み込むような、奥さまの優しさがあってのもの。たまに家族を心配させるような大胆な買い物をしちゃうところもあるけれど、そのバイタリティで愛する家族を、これからも力強く引っ張っていってくださいね。お父さん!


【著者紹介】


ミノシマタカコ
フリーライター&WEB編集 / クルマについて勉強中(最近気になるのは旧車)/ 日本参道狛犬研究会 会員 / 落語は三遊亭天どん師匠好き、ヘビ&リクガメ好き。皆様のおかげで生きております。
Twitter ID:@minokiti


■張本さんはファミリーウエディングしたよ

ファミリーウエディング・パパ&ママ婚とは? ~実例・費用・式場の選び方~

マタニティウエディングの時期はいつが最適? ドレスや演出、プランもご紹介
編集|プレスラボ
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