別所哲也さんに学ぶ"ファミリーウエディングのすすめ"(前編)
婚礼司会歴20年で、セレブや芸能人の結婚式も手掛けるベテラン司会者の長谷川高士さん。近著の『人生のステージが変わる、私にも出来るリアルエピソード 心にしみたセレブウェディング』(主婦の友社)には、形式にとらわれず自分たちらしさにこだわった結婚式事例が数多く紹介されています。
例えば、お子さんと一緒に"ファミリーウエディング"を叶えた俳優・別所哲也さん。ファミリーウエディングとは、今最も注目されている新しい結婚式スタイルです。長谷川さんは別所さんの結婚式で司会を担当。そこでマイナビウエディング プレミアムヴェニュー編集部は、「なぜお子さんが生まれてから結婚式を挙げたのか」「どんなウエディングをしたのか」について、長谷川さんに"司会者の目線"で教えていただきました。
子どもの誕生ムービーで「感謝」と「命の尊さ」を伝える
ご自身のお子さんと一緒に結婚式を行うということ。それは単なる"子どものお披露目会"ではなく、「子どもの人生に深く刻まれるものであって欲しい」という想いを別所さんたちは大切にしていました。
聞くところによると、お子さんは超早産のため低体重で生まれ、3カ月もの間NICU(新生児特定集中治療室)で過ごさなければならなかったそう。そのお子さんが多くの人の支えにより、無事に退院し、成長しているということを報告する意味でも、「娘が3歳になり、こんなに元気だとゲストの皆さまに伝えたかった」とご夫妻は語っていました。
そうして披露宴で紹介されたのが、お子さんの誕生秘話を描いたショートムービー。会場にはホームドクターやお子さんの命を救った大学病院の先生の姿もあり、無邪気に笑う小さな女の子を見つめながら誰もが命の尊さを感じるひとときとなったのです。
この映像、実は親となった新郎新婦からお子さんへの贈り物でもありました。こうした家族としての成長の過程を集まっていただいた方々に紹介することも、ファミリーウエディングならではの心温まる演出。おすすめです。
ゲストを巻き込む「テーブルスピーチ」を取り入れる
また別所さんご夫妻は、「子どもが生まれてからなぜ改めて披露宴をするに至ったのか――。 それを紐解くことを披露宴で行いたい」と打ち合わせ当初から話してくださいました。特におふたりが大事にされていたキーワードが「友情」「愛」「家族」。そこで披露宴の演出として、司会者である私からゲストの皆さまに「あなたが友情を感じたときのエピソードを教えてください」「あなたにとって"愛"を感じるときはどんなときですか?」「家族のありがたみを感じたときは?」とマイクを向けてエピソードを語ってもらいました。言わばテーブルスピーチの進化系。少々難易度の高いゲストの巻き込み方ですが、ただ観客のように見て聞いている結婚式よりも、グッと会場の一体感が生まれるのは言うまでもありません。年齢も経験も重ねた大人たちが、この披露宴を通じて、改めて友情や愛や家族について考える素敵なきっかけとなりました。
その他にも、子どもと一緒のファミリーウエディングだからこそ取り入れたい演出例として、子どもの友達に余興を手伝ってもらったり、互いの親に向かって幸せな家族を作っていくことを誓うなどもあります。ゲスト一人ひとりへの想いや関係から発想すると、ふたりらしいゲストの巻き込み方のヒントが見つかるでしょう。
(株)ハセガワエスティ代表取締役会長。司会から結婚総合プロデュースまで、ウエディングをトータルに監修。都内のラグジュアリーホテルや有名ゲストハウスと専属契約を結び、自身もこれまでに有名人セレブを含む3500組以上の披露宴を担当。著書に「心にしみたセレブウエディング」
発売:主婦の友社 / 発行:主婦の友インフォス情報社
http://www.hasegawa-st.com/