こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。
赤ちゃんが生まれると、パパもママも初めてのことがたくさんありますよね。その一つが「離乳食」。普段は滅多にキッチンに立たないパパも、万が一ママが風邪をひいてしまったらピンチヒッターとなって調理をするしかありません。
そこで今回は、「何を作ったらいいかサッパリわかんないよ......」と、いい歳して迷える子羊のような顔をしてしまったパパたちに、カンタンで美味しい和の離乳食レシピを紹介します。
離乳食の基礎知識
まずは離乳食に関する基礎知識をざっくりまとめます。
・離乳食をあげる時期は4つに分けられる
離乳食をあげる時期は4つに分けることができます。成長スピードは赤ちゃんによってさまざまなので、あくまでも目安ですが、時期によって食べられる食材や形状、軟らかさ、食事の回数が変わってきます。粒が大きすぎると吐き出してしまったり、食材が喉に詰まったりする可能性があるので、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ調理方法を変えていきましょう。
・離乳食初期(5~6カ月)
・離乳食中期(7~8カ月)
・離乳食後期(9~11カ月)
・離乳食完了期(1歳~1歳6カ月)
赤ちゃんの身体に合わせて、少しずつ食べ物を大きくし、食べるものや量を増やしていくのが離乳食の進め方であることを覚えておきましょう。
・「煮る」が基本
離乳食の基本は「煮る」です。食材を柔らかい状態にしてあげるには煮るのが一番だからです。「炒める・揚げる」はまだまだ先と思ってください。
・すべての食材に火を通す
赤ちゃんが生で食べられるものはないと思ってください。特に魚・肉・卵などの生ものは、そのまま与えることは厳禁です。必ずしっかりと火を通してください。例外があるとしたら、果物。でも、赤ちゃんの内臓に負担をかけないために最初のうちは火を通した方が安心と言われています。
※とはいえ、赤ちゃんにあげるときは、やけどしないよう少し冷ましてからあげるようにしてください!
以上のことを念頭に、レシピを紹介していきます!
キッチンに立ったことがないパパでもカンタンに作れる離乳食レシピ10選
離乳食初期(5~6カ月)
離乳食初期は固形のものを食べられないので、大人が感じる以上にやわらかく煮込んで、裏ごし器(※)で裏ごしするのが基本。煮汁でヨーグルト状にしましょう。
パール金属 裏ごし器 15cm ステンレス アンテノア 日本製 D-3564
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裏ごし器。もしもご自宅にない場合は、ボウルにザルを重ねることで代用できます。ザルに食材を置いて擦ると、繊維や種、不純物を取り除いたものだけ残すことができます。
1.かぼちゃの裏ごし
おかゆに慣れた赤ちゃんが食べるのが野菜。その野菜の中でもおススメできるのが、このかぼちゃ。甘くて、なめらかで食べやすいので、好んで食べる赤ちゃんが多いです。
【材料】
- かぼちゃ 30g
- 昆布だし 300ml
【作り方】
- かぼちゃは、種、ワタ、緑色の皮をとり除く
- 1cm幅にスライスする
- 昆布だしで軟らかくなるまで煮る
- 裏ごし器で裏ごしする
- 煮汁でヨーグルト状になるまでトロトロにしたら完成!
2.ブロッコリーとじゃがいもの裏ごし
ブロッコリーを更になめらかに食べられるように、じゃがいもを混ぜてみました。じゃがいもがなければ、かぼちゃ、さつまいも、にんじんなどでも代用できますよ。
【材料】
- ブロッコリー 15g
- じゃがいも 15g
- 昆布だし 300ml
【作り方】
- ブロッコリーは、茎と花蕾(花)に分け、花蕾だけ使用する
- じゃがいもは皮をむいて1cmにスライス
- 昆布だしで軟らかくなるまで煮る
- 裏ごし器で裏ごしする
- 煮汁でヨーグルト状になるまでトロトロにしたら完成!
離乳食初中期(7~8カ月)
食べ物の大きさは「裏ごし」から「みじん切り」に変化します。最初からみじん切りにして煮るとなかなかやわらかくならないので、以下の手順で進めるのがオススメ!
- 1cm程度にスライスする
- だしで煮る
- 取り出す
- みじん切りにする
- 鍋に戻して再沸騰したら完成!
3.ブロッコリーとさつまいもの煮物
ブロッコリーだけだとツブツブが口に残って食べにくいときもありますが、さつまいもを入れることで、なめらかに食べることができます。さつまいも以外に、かぼちゃ、じゃがいもなどで代用することができますよ。
【材料】
- ブロッコリー 15g
- さつまいも 20g
- 昆布だし 300ml
【作り方】
- ブロッコリーは、茎と花蕾(花)に分け、花蕾だけ使用する
- さつまいもは皮をむいて1cmにスライス
- 昆布だしで軟らかくなるまで煮る
- いったん取り出してみじん切りにして鍋に戻して再沸騰したら完成!(90秒目安)
4.グリンピースのおかゆ
おかゆにグリンピースを混ぜるだけ! 今回のレシピの中でもよりカンタンなメニューです。グリンピースの緑色によって、いろどりがキレイな離乳食になります。離乳食中期の赤ちゃんは、米1に対し7倍の水で炊く「7倍かゆ」が基本。炊き方には注意しましょう。
【材料】
- 7倍かゆ(米1に対して7倍の水)
米30g、水210ml - グリンピース(缶)10g
【作り方】
- お米を洗い、鍋にお米と分量の水を入れ30分つけたままにする
- 鍋にふたをして。中火で火にかけ、沸騰したら弱火で20~30分
- グリンピースは、1分間お湯でゆで、薄皮をむいてみじん切り
- おかゆの出来上がり前に混ぜ入れる
- 火を止めてふたをしたまま10分蒸らす
*おかゆは焦げそうになったらふたを空けて混ぜてもOKです。
離乳食後期(9~11カ月)
9~11カ月になると、味噌やしょう油を使い始めます。注意点は、味付けと思わず風味づけとして調味料を使うこと!だしと素材の味だけで美味しければ味噌を入れなくてもOKです。食べ物の大きさは5mm程度になりますが、離乳食中期と同じように、一度だしで煮てから切るとやわらかくなります。。
5.にんじんと玉ねぎの味噌汁
にんじんと玉ねぎの甘みが美味しいお味噌汁です。大人と同じ材料でお味噌汁が作れますね!
【材料】
- にんじん 15g
- 玉ねぎ 15g
- 昆布だし 300ml
- 味噌 0.5g
【作り方】
- にんじん、玉ねぎは皮をむいて1cmのスライスに
- 昆布だしで軟らかくなるまで煮る
- いったん取り出して5mmに切って鍋に戻して再沸騰(90秒目安)
- 味噌で風味づけしたら完成!
6.鶏ひき肉と大根煮
昆布だしと鶏ひき肉のおだしが相性バツグン。大根をトロトロに軟らかくなるまで煮たら、最高に美味しい煮物ができあがりです。
【材料】
- 鶏ひき肉 10g
- 大根 30g
- 昆布だし 300ml
- しょう油 0.3ml
【作り方】
- 大根は皮をむいて1cmスライス
- 鶏ひき肉は、沸騰したお湯に入れてサッと脂を抜く
- 昆布だしで大根を煮る
- 大根が軟らかくなったらいったん取り出して5mmに切って鍋に戻す
- 鶏ひき肉としょう油を鍋に加えたら完成!
7.ほうれん草のきな粉和え
ほうれん草などの青菜が苦手な赤ちゃんもいますが、少し手を加えるだけで、食べてくれることもありますよ。離乳食完了期になったら、きな粉以外にすりゴマで代用してもいいですね。今回のレシピの中でもイチオシです!
【材料】
- ほうれん草 15g
- きな粉 小さじ1/2
- 昆布だし 小さじ1
【作り方】
- ほうれん草をよく洗い5mmに切る
- 鍋に湯を沸かしてほうれん草をしんなりとするまでゆがく
- しっかりとザルで湯切りして、きな粉と昆布だしを入れて和える
離乳食完了期(1歳~1歳6カ月)
離乳食完了期は、食べ物の大きさが1cmになります。調味料は離乳食後期と同じで少量だけ使います。離乳食完了期からは、おやつも始まります。おやつになるレシピも紹介しますね。
8.鶏ミンチの豆腐ハンバーグ
ハンバーグは手間暇かかりそうなイメージがありますが、このハンバーグはとってもカンタンでヘルシー。多めに作って、パパ・ママと一緒に食べてもいいかもしれません!今回はシンプルにひじきにしましたが、ほうれん草、にんじん、きのこ類、玉ねぎなどなど、なんでも入れられるのでチャレンジしてみてくださいね。
【材料】
- 鶏ミンチ 15g
- 豆腐 15g
- 乾燥ひじき ほんの少し
- 片栗粉 小さじ1
- 昆布だし 大さじ2
【作り方】
- 乾燥ひじきは水につけて戻したあと、5mmに刻む
- 鶏ミンチ、豆腐、乾燥ひじき、片栗粉を混ぜ合わせる
- フライパンにクッキングシートを敷いてハンバーグに形作り、片面を焼く
- ひっくり返してもう片面に焼き色がついたら、昆布だしを入れて蓋をする
- 弱火で蒸し焼きにしたら完成!
9.かぼちゃのゴマ和え
普段のかぼちゃの出来上がり直前にゴマを混ぜるだけで、ゴマ風味の美味しいかぼちゃに変身します。シンプルだけどとっても美味しいメニューです。
【材料】
- かぼちゃ 30g
- すりごま 小さじ1/2
- 昆布だし 小さじ1~2
【作り方】
- かぼちゃは、種、ワタ、皮をとって1cm角にする
- 蒸し器にかぼちゃを入れて蒸す
- 軟らかく蒸せたら、器に盛ってすりごまと昆布だしを和えて完成!
10.焼きバナナ
バナナを焼くだけというとてもシンプルなおやつレシピ。焼いただけなのに、いつものバナナがさらに美味しくなります! クッキングシートがある場合、フライパンに敷いてからバナナを焼くと、焦げ付きにくいですよ。
【材料】
- バナナ 60g
【作り方】
- バナナをスライスに切る
- フライパンを温めて、バナナを並べる。中火。
- 両面焼けたらひっくり返しもう片面も焼く
【より美味しく!】和の離乳食の基本「黄金色のかつお昆布だし」!
ここまでカンタンな離乳食レシピをお伝えしましたが、最後に、それらをより美味しくするだし「黄金色のかつお昆布だし」をご紹介します!
黄金色のかつお昆布だしの利点
- 素材そのものの味を生かせる!
- おだしの風味だけで離乳食が食べられる!
- 切って煮るだけなので超カンタン!
赤ちゃんに対して塩分や化学調味料の入った市販の顆粒だしを使うことはあまりオススメできません。自分でだしを作るのは少しハードルが高く感じるかもしれませんが、作ってみると「なんだ、こんなにカンタンなんだ!」と思えるはず。少しでも赤ちゃんの健康に気を配りたいなら、ぜひチャレンジしてみてください!
黄金色のかつお昆布だしの作り方
【材料】
- 水1L
- 昆布 8cm
- 花かつお 20g
【作り方】
- 鍋に昆布と水を入れて一晩つけておく(冷蔵庫に入れる)
- 火にかけて沸騰直前で昆布をとりだす(これが昆布だし)
- 2にかつお節を入れて火を止め、3~5分待ってかつお節を沈める
- ザルでかつお節をこす
以上で完成! 今回のレシピでは離乳食初期(5~6カ月)を除くすべてのレシピに黄金色のかつお昆布だしを使うことができます。たくさん作って、パパとママの食事にも、ぜひ使ってみてくださいね。
以上、キッチンに立ったことがないパパでもカンタンに作れる離乳食レシピをお届けしました。ママが倒れて我が家がピンチ!というときに頼れるパパになれるよう、挑戦してみてくださいね。応援しています!
(書いた人)
中田 馨(なかたかおり)
一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。44年の歴史がある中田家庭保育所施設長で、0~2歳児専門の現役保育士18年目。ブログ・Facebook・メルマガなどで毎日離乳食情報を発信。(株)クックパッドベビーなどで月に10本の離乳食記事をWEBで連載中。東京・名古屋・兵庫を中心に、離乳食インストラクター協会認定講座や離乳食のプロを育てる離乳食インストラクター養成講座を行っている。
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