結婚が決まると待ち受けているのが結納という伝統的な儀式。
若い方の中には「正直、よくわからないし、ちょっと面倒くさい」と思っている方も少なくなく、結納をしないカップルも増えてきましたが、一方で親御さんの中には、「結納をしないなんて考えられない!」と昔からの伝統を重んじる方も多いようです。
「親御さんのためにも、やっておきますか!」と重い腰を上げたのはいいものの、「でも結納品って、何買えばいいんだっけ?」と戸惑うカップルもいるはず。
そこで今回は、地域色が色濃く反映された、ちょっと変わった結納品を紹介したいと思います。地域に根づいたものを選んだり、知っていたりすれば、しきたりを大切にする親御さんの好感度もUPさせられるかも!?
化粧品(奈良県)
奈良県の結納品には、化粧品を贈るそう。化粧品を渡すようになった理由は諸説ありますが、「ずっと綺麗でいてほしい」という男性の願いが込められているのかもしれません。筆者の周りの奈良県出身の女性が美人ばかりなのは、このせいかもしれないと思いました。
傘と履物(三重県)
三重県には、「迎え傘」、「迎え下駄」と呼ばれる晴雨両方の女性の傘と履物を贈る習慣があります。これだけなら、さほど驚きませんが、近年はますます派手になっていて、洋装用バッグ、靴、ネックレス、イヤリング、腕時計など、点数にしてなんと十数点の品物を贈ることも。結婚するなら、三重県に嫁ぎたいものですね。
反物(東海地方)
豪華で知られる東海地方の結納品。その1つが反物です。反物のままの呉服地を贈り、後で着物に仕立てるというのですから、確かに豪華。また、呉服地は宝船や鯛などを形作った「呉服細工」があしらわれた状態で、贈られることもあるそうです。贅沢なうえ、縁起も良く、何だか洒落ていますね。
服地(石川県・福井県)
結納品として「福地」、つまり「服地」を贈ることの多い石川県と福井県。昔は文字通りの服地を渡していましたが、現在では洋服生地や既製服を贈ることが一般的に。「福」を「服」にかけるだなんて、粋なはからいですね。ただ、洋服を選ぶセンスが問われるので、贈る側はプレッシャーになるかもしれません。
ようかん(鳥取県)
鳥取県には結納品として、ようかんを渡す風習があるのだそう。なぜようかんなのかという理由についてはよくわかっていませんが、女性がようかんを受け取ることで、結婚を承諾したという意味になるのだと言います。甘党にはたまりませんね。
流しふくさ(岡山県)
岡山県には、独特の結納品「流しふくさ」があります。ふくさと聞くと、ご祝儀や香典を包む封筒を思い浮かべてしまいますが、流しふくさとは風呂敷のこと。
男性が女性に赤い風呂敷を、女性は男性に結納返しと一緒に紫の風呂敷を渡すのがならわしなのだとか。いかにも儀式的はありますが、かえって結婚の重みを感じることができて良いですね。
酒と鯛(福岡県)
女性宅へ酒と鯛を持って行く「一生一代の儀式」が福岡県には残っています。「一生一代(一升一鯛)添い遂げる」という意味合いから「酒」と「鯛」を渡すのだとか。
九州地方には福岡県以外にも結納品に「鯛」を持っていくところがあるようです。用意するのはなかなか難しいですが、ここは頑張って調達したいところ。何と言っても、めで鯛のですから。
ブリ(佐賀県)
福岡県の鯛にも驚きましたが、佐賀県の有明海岸では、なんと「ブリ」を結納に持参する風習が。他にも缶詰めや、竹輪など、水産加工物を持っていくとのことです。
その土地の名産品を贈るのが良いとされたんでしょうね。でも確かに有明のブリをもらえるのはお嫁さん側としても嬉しいかもしれません。
お菓子と焼酎(鹿児島県)
鹿児島県の結納の儀式として残っている「もらいの儀」では、お菓子と焼酎を持っていくのが決まりごと。さすがは焼酎大国鹿児島といった感じですね。相手のお父さんが焼酎好きなら、結婚と焼酎の「ダブル親孝行」になりそうです。
その土地の特色が出ているものや、「なるほど~」と深く感じ入ってしまいそうな意味が込められたものなど、ユニークな結納品はたくさんあります。
婚約者や自分の出身地の特色を知ることができるのも魅力の1つ。お互いの血液型や星座を聞くように、出身地の結納品の話をすれば、ひと盛り上がりするかもしれません。
「指輪と時計でいいか!」とイマドキ発想もよいですが、たまには伝統に立ち返ってみてはいかがでしょうか!
■私の両親はちゃんと結納したらしいです。
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