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最近の結納事情|費用の相場は? 顔合わせとのちがいは? さまざまなスタイルをマナーを含めて解説

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ふたりの中で結婚の意志が固まると、次なるイベントとして考えはじめるのが「結納」または「両家顔合わせ食事会」。

今回は、「結納」について、両家顔合わせ食事会との違いや基礎知識、事前準備の仕方、かかる費用をメリット・デメリットを含めて紹介します。両家を結ぶ最初のイベントを成功させたい人や、これから結婚準備をスタートさせる人、結納に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

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結納とは?

結納とは、結婚する両家が集まり、ふたりの婚約を確実にすることを目的とした日本の伝統儀式です。当日は結納金や結納品の受け渡しを行うのが基本ですが、現代では進行を簡略化したり顔合わせ食事会のみで済ませたりするケースも多く、結納の「あり方」も多様化しています。

ここからは、結納の基礎知識を踏まえながら、最近の結納事情について詳しく見ていきます。両家にとってどのようなスタイルが最適なのか知るためにも、ポイントを押さえておきましょう。

■『結納』のはじまり
結納は、仁徳天皇(313年~399年)が息子に妃を迎え入れるときに行った「納采(のうさい)」が起源だといわれています。「納采」とは、結婚の話がまとまると男性側の親が女性側の親に対して贈り物とともに挨拶に伺うことを指し、このような風習がカタチを変えて「結納」になったと考えられています。

ちなみに「結納」という言葉は、もともと「言ひ入れ(いひいれ)」「結いなふ(ゆいなふ)」といった、古い時代のプロポーズを意味する言葉が変化したものです。そう考えると、現代の「結納=婚約の儀式」というイメージは、はるか昔から大切に受け継がれてきたことがわかります。

■正式結納と略式結納
時代の流れとともにカタチを変えてきた結納ですが、現代では「正式結納」と「略式結納」の2パターンに分けられます。また、昔から結婚全般において両家の仲を取り持つ役割を担ってきた「仲人(なこうど)」の存在もポイントになっています。

▼正式結納とは?
「正式結納」とは、古い時代から受け継がれてきた結納の本来のカタチであり、必ず仲人が付くスタイルを指します。また、正式結納は両家が顔を合わせない点も特徴的です。基本的に仲人が両家の橋渡し役として双方を行き来し、婚約の証として取り交わす「結納品」や、その結納品を確かに受け取ったという受領書の意味を持つ「受書(うけしょ)」のやりとりを行います。

▼略式結納とは?
「略式結納」とは、料亭やホテル、レストランといった場所に両家が集まり、その場で結納品や受書のやりとりを行うスタイルを指します。このとき、仲人の有無はどちらでも構いません。当日の進行は親もしくは主役のふたりが行ったり、仲人がいる場合はお願いしたりするケースもあり、両家によってさまざまです。

現代では、どちらかというと自由度の高い「略式結納」が好まれる傾向にあり、仲人を立てずに家族のみで行うのが主流です。「結婚の風習を大事にしたいけれど、仲人がいない」「厳かな雰囲気を残しつつ、現代に合わせて少しカジュアルにしたい」という家族にオススメのスタイルといえるでしょう。

結納と顔合わせ食事会のちがいは?

堅苦しさを抑えながらもきちんと儀式を行う「略式結納」が好まれる一方で、両家の親睦をメインに考えた「顔合わせ食事会」のニーズも高まっています。

このふたつのちがいは、略式結納の目的が「カジュアルな婚約の儀式」だとすれば、顔合わせ食事会は「両家の親睦・交流」です。そうなると、当日両家が集まるという点は同じでも、準備物や進行はまったく異なる上、かかる費用も変わってきます。

リラックスした雰囲気を重視したいなら顔合わせ食事会、カジュアルでありながらけじめを重視したいなら略式結納というように、ふたりや親の価値観に応じて考えてみると、両家で行うべき顔合わせの方向性が見えてくるでしょう。

「両家顔合わせ食事会」当日の流れ・場所選び・服装などの詳細はこちら

結納のメリット・デメリットとは?

ここからは略式結納に着目し、行うことで得られるメリットと生じるデメリットについて、詳しく見ていきます。

■結納で得られる4つのメリット

略式結納から得られるメリットは、以下4つが挙げられます。
・パートナーとの婚約を確実にできる
・両家の結びつきを強められる
・日本の伝統を感じられる
・親に喜ばれる

それぞれ具体的に見ていきましょう。

▼パートナーとの婚約を確実にできる
略式結納を行うと、それまで口約束だったパートナーとの婚約を「確かなもの」にできます。というのも、結納はふたりの婚約を両家に認めてもらうための儀式であり「婚約のしるし」を意味する結納品や結納金のやり取りを行うことで、婚約が成立するとされているからです。
また、結納を行うことで結婚を実感できるというカップルも多いはず。結納がひとつのけじめとなり、ふたりの結婚に対する気持ちが高まることも期待できるでしょう。

▼両家の結びつきを強められる
略式結納を行う場合、事前に両家で打合せたり気になる点を相談しあったりと、何かと双方でやりとりする機会が増えます。結納は顔合わせ食事会に比べて、準備に時間と労力が必要ですが、ふたりの結婚以前から両家のコミュニケーションを増やせるのは、まさに結納だからこそ。

このようなやりとりは、両家間の理解を深めると同時に絆を強められることにもつながるといえます。

▼日本の伝統を感じられる
たとえ略式であっても結納そのものは日本古来の伝統儀式であり、行うことで日本の文化に触れられる貴重な経験になります。両家にとってもよい思い出として心に残るはずです。

▼親に喜ばれる
略式結納を行う理由のひとつに「親の希望」というのがあります。
実際、現在は結納よりも顔合わせ食事会で済ませるケースが増えているため、結納を望んでいる親にとってはうれしいと感じるケースもあるようです。

■結納で生じる3つのデメリット
結納にメリットがあるなら、もちろんデメリットが生じることも理解しておかなければいけません。
略式結納のデメリットとして挙げられるのは、以下3つです。

・準備物がたくさんある
・費用負担が大きい
・進行が難しい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

▼準備物がたくさんある
結納を行う場合、たとえ略式であっても結納品や結納金、結納返しなど、事前にそろえておく物がたくさんあります。それらの品物をなにかと忙しい結婚準備期間に自力で準備するのは大変です。
これらの準備をスムーズにするためにも、市販の「結納セット」や会場が用意する「結納プラン」の活用を視野にいれておきましょう。誰かに頼りながら準備することは、結納を賢くスムーズに行うためのひとつの方法です。

▼費用負担が大きい
略式結納であっても、結納を行うには多額の費用が必要となります。たとえば、よく聞かれる結納金の相場は100万円前後です。そのほか、結納品や結納を行う会場費、食事代、結納返しなど、何かと費用がかかることを理解しておきましょう。
なお、結納と結婚式を同じ会場にすることで、それぞれ単品で支払うよりも費用を抑えられ、準備も楽になるケースがあるので検討してみてもよいでしょう。

▼進行が難しい
結納は当日の進行が特徴的です。略式結納であれば短縮できる可能性があるとはいえ、慣れない言葉やマナーを「難しい」と感じる人は少なくありません。
また、結納品の飾り付けや当日の座席については、あやまりがあると相手方に失礼だと感じさせてしまう可能性があり、事前チェックが欠かせない部分といえます。
悩みはじめたらキリがない結納ですが、結納専門店や結納プランを用意している会場であれば、それらの進行がスムーズになるよう手配してくれる可能性が高いです。プロのアドバイスを参考にしながら準備できるため、安心して当日を迎らえるでしょう。

このように、結納にはメリットとデメリットがありますが、いずれにしても、最終的には「両家の絆が深まる」という点に着地する可能性が高く、よい思い出として心に残る一日になると考えられます。

結納にかかる金額

以下の一覧は、結納にかかることが予想される費用の目安です。

項目金額負担
結納式
※会場費・食事含む
5~20万円本来は女性側
最近は折半
結納品5~15万円
品目数により異なる
男性側
結納金100万円前後男性側
結納返し結納金の1割~5割と地域によって異なる
不要の地域も
女性側


このように目安金額はありますが、結納は無理して行うものではありません。両家に負担がかからない程度に収めることが大前提であることを理解しておきましょう。

結納の準備

ここからは、結納の主流となっている「略式結納」をベースにして説明していきます。

■参加者
結納は、本人同士と両家の親で行われることが多いです。そのほか、本人の兄弟姉妹や祖父母、仲人が参加するケースもあります。

結納は両家の人間関係を結ぶ「縁起事」であるため、ふたりと関わりが深い人たちに集まってもらうことを大事にしてください。

■服装
結納の服装は、正礼装・準礼装が基本です。なかでも、男性はブラックスーツ、女性は振袖(母親は留袖)や、フォーマルなワンピースを着るのがオススメ。

結納の服装については、結納を行う会場や雰囲気に応じて決める方法もあります。また、両家の装いがちぐはぐにならないためにも、事前に相談して格をそろえておくのが大切です。

結納にふさわしい服装マナー|着物?ワンピース? 親の服装や髪型もご紹介

■日取りの決め方
目安として、結婚式の3~6カ月前には行うことをイメージし、大安・友引・先勝といった日柄に合わせるのがオススメです。また、日本では「祝い事は午前中に行うのがよい」とする習慣があります。

とはいえ、参加者全員のスケジュールを合わせるのは簡単なことではありません。どうしても都合がつかない場合「六輝」を参考にしながら、よりよい日を見つけられるようにしましょう。そのほか、六輝以外にも「天赦日(てんしゃにち)」や「一粒万倍日」といった暦(こよみ)の上でよいとされる日もあるため、いくつか候補日を挙げて検討するのがオススメです。

■場所
略式結納を行うのにふさわしい場所は、以下の4カ所が挙げられます。
●料亭
●ホテル
●結婚式場
●レストラン

かつての結納は、男性側が女性側の自宅に出向いて行うのが主流でした。しかし、そのようなケースはだいぶ減り、現在は両家が集まる上で負担にならない場所を選ぶのがよいとされています。

また、結納が「儀式」であるという点を考えると、格式のある場所で行うのが雰囲気もアップするためオススメです。双方の実家が近いのであれば地元の料亭にしたり、もし実家同士が離れているなら、中間地点やふたりが暮らしている地域での開催を検討したりするのもよいでしょう。

その際、個室の有無や提供される料理のジャンルをチェックすることも忘れずに。「結納プラン」がある場所だと、事前準備や進行を不安に思うことなく当日を迎えられるため安心です。

■準備物
両家で行うのが略式結納であっても、入念な事前準備は必要です。当日までに用意する物をパートナーと話し合い、抜け漏れがないようしっかり準備しておきましょう。

【準備物一覧】
●結納品
●目録・受書
●結納金「御帯料(おんおびりょう)」「小袖料(こそでりょう)」
●結納返し「御袴料(おんはかまりょう)」
●婚約記念品
●手みやげ

・結納品
寿留女(するめ)や子生婦(こんぶ)、友白髪(ともしらが)といった縁起物でそろえ、9・7・5品のいずれかの奇数にすることがマナー。とはいえ、最近は結納の簡略化が進んでいることから、時代のニーズに合わせて3品程度にするケースも。

・目録・受書
目録とは、結納品の全てを箇条書きにし、日付や名前、「結納の品をお納めください」という言葉を添えてお渡しする、いわば納品書のようなもの。受書は、その結納の品々を確かに受け取りました、という受領書のようなもののこと。

・結納金
男性側から女性側へ贈る結婚の準備金のこと。「御帯料(おんおびりょう)」「小袖料(こそでりょう)」などとも呼ばれる。

・結納返し
結納金のうち、1~5割程度にあたる金額をお包みし男性側にお返しすること。結納返しの相場は地域によって異なることが多い。「御袴料(おんはかまりょう)」とも呼ばれる。最近では、現金ではなく、腕時計やスーツといった品物を贈るケースも増えている。

・婚約記念品
ふたりが結婚を約束した証として贈る品物のこと。男性側から女性側へ婚約指輪を贈るのが代表的。

・手みやげ
相手に対する心遣いとして用意するのがベター。金額は3,000円~5,000円程度の品物が妥当であり、縁起のよい物やお菓子を持参するケースが多い。

また、上記の準備物以外にも、男性側が女性側へ贈るものとして「酒肴料(しゅこうりょう)」を包むケースもあります。その際の金額は、結納金の10%程度にしておくと失礼にあたりません。

とはいえ、このような準備物の品目数や内容は、地域によって差があるものです。ふたりだけではなかなか決め切れないことも多いため、親の意向も汲みながら検討してみてください。また、会場の結納プランを利用すれば、スタッフがこれらの品物を準備してくれる上、飾り付けまで行ってくれるため迷うことがありません。

結納当日の流れ

結納の準備ができたら、いよいよ当日を迎えます。結納は以下の流れに沿って行われるため、事前にチェックしておきましょう。

【略式結納の流れ】
1.結納品の飾り付け、両家着席
2.はじめの挨拶
3.男性側から結納品を納める
4.女性側が「受書」を渡す
5.女性側から「結納品」を納める※結納返し
6.男性側が「受書」を渡す
7.婚約記念品の披露
8.締めの挨拶
9.会食

ここで押さえておきたいポイントは、地域によって「5.6」を行わないケースがあることです。また、男性が苗字を変える「婿入り」の場合は、3~6の男性・女性が逆になるという点も把握しておきましょう。

略式結納の進行は、男性本人もしくは男性側の父親が行うのが主流です。流れには、口上(こうじょう)という、使い慣れない「決まり文句」も出てくるため、事前にチェックしておくときちんと感が出ます。また、婚約指輪や時計といった「婚約記念品」があれば、終盤で披露できると和やかな雰囲気を演出できることでしょう。

結納返しはどうする?

前述の「略式結納の流れ」で「結納返し」について触れましたが、結納には女性側から男性側へ現金や記念品を贈るシーンが設けてあります。

これは、男性側からいただく結納品と結納金に対する御礼であり「こちらこそ宜しくお願いします」という意味が込められているものです。もともとは結納式の後日、女性側が男性側の実家に出向いて結納返しを行うケースが多く見られましたが、最近は「同時交換」という方法で、結納当日に結納返しまで行う傾向が強くなっています。

結納返しで包む現金を「袴料(はかまりょう)」といい、袴料のみ返すパターンもあれば、袴料と品物のパターン、品物のみのパターンなどと、その内容はさまざまです。関西では、そもそも結納返しを行わないケースもあるため、相手方の意向を確認しておくのがよいでしょう。いずれにしても、男性側からいただく結納品と結納金よりも、控えめな品や金額に留めておくのがマナーとされています。

結納を成功させるために

現在は「略式結納」が主流になっているものの、簡略化された結納であっても、費用や事前準備に手間がかかるのはどうしても避けられません。そのような事前準備に悩むときは「結納セット」や「結納プラン」を提供している会場をうまく活用して、賢くスムーズに当日を迎えるのがオススメです。

結納をふたりと両家の大切な思い出にするためにも、両家の格は合わせつつ、納得できるポイントを選択しながら準備していくのがよいといえます。パートナーとしっかり連絡を取り合いながら、結納の準備までも大切な時間として過ごしてみてください。

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