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山城葉子 Yoko Yamashiro 進化し続けるウエディングドレスの世界 (第3回)

第3回 サスティナブルなウエディングがトレンド ユーズドドレスの魅力とは

山城葉子さん
プラスチックストローやレジ袋の廃止、フードロス問題など、自然環境への問題が取りざたされる昨今。ウエディングにおいても“持続可能な”を意味するサスティナブル(Sustainable)な視点ははずせない時代となるだろう。山城葉子さんのドレスショップ「NUMBER 5 (ナンバー ファイブ)」内には、ユーズドドレスを扱うショップ「A THINGS WHITE(エー シングス ホワイト)」が同居。山城葉子さんに、ユーズドドレスを扱うことになったきっかけをはじめ、上手な取り入れ方や魅力について伺います。


大切なドレスを“捨てたくない”という思い

―ユーズドドレスを扱うようになったきっかけをお聞かせください。
「ラグジュアリーなウエディングドレスは、上質なものになればなるほど、より繊細に、より傷つきやすくなります。かつて、『THE TREAT DRESSING(ザ・トリート・ドレッシング)』にいた頃は、『VERA WANG(ヴェラ・ウォン)』や『Oscar de la Renta(オスカー・デ・ラ・レンタ)』、『CAROLINA HERRERA(キャロリーナ・ヘレラ)』など、上質で繊細なドレスをたくさん扱ってきました。そういったドレスはとても美しいけれど、いつもアテンドのスタッフが裾を持って絶対に踏まれないようにしなければなりません。当然のことながら、レンタルドレスでは、街中でのロケーションフォトやガーデンパーティはNGのケースがほとんどですし、繊細な生地がほつれた場合はお針子さんが何時間もかけてリペアすることになります。でも、結婚式って本来は自由に楽しく過ごしたいものですよね。ダンスだってしたいかもしれないし、ガーデンでゲストと写真撮影したり、デザートビュッフェだって楽しみたい……でも、ラグジュアリーなウエディングドレスは、結婚式を楽しく過ごしたいというニーズと少しずれているのではないか。そんな疑問を持つようになりました」

ウエディングドレス
―傷んでしまったドレスはどうなるんですか?
「会場によっては、100%良い状態でないと納品できないケースもあるので、少しでも傷があって修理しても目立つ状態だと捨てるしかないんです。たとえば50万円で購入したドレスでも、5回レンタルした程度で捨てたり、もっと少ない回数で捨てることもあります。ウエディングドレス1着仕立てるのに、50mくらい生地を使っているんですが、目立たない場所にほつれがあったとしたら、残りの49mは傷がなくキレイなのに捨てる、ということになりますよね。アトリエでも最大限努力してメンテナンスしていても、捨てることは避けて通れないんです。ショップの信用問題に関わるので少しでも汚れがあるドレスは出すことができない。大切なドレスを“捨てる”ということにもずっと疑問を持ち続けていました」


ささいな傷よりも、制約のないドレスが優先されるニーズ

―そこでドレスを捨てないためのアイデアが生まれたのですか?
「結婚式はガーデンで楽しく過ごしたい、ハワイのビーチで挙式をしたい、タウンフォトや前撮りを楽しみたい……そういった人の中には、ドレスの10センチ程度の傷を気にしない人も多くいらっしゃいます。結婚式の楽しさを優先するなら、ドレスは制約がないほうを選ぶのではないか? それなら、捨てる予定のドレスを安く譲ってもらって、最後の人にバトンを渡すビジネスができたらいい。そんな思いで今から4年前にユーズドドレスのショップ『A THINGS WHITE』をつくりました。ここでは、オンラインで日本だけでなく中国や韓国などのアジア諸国にも届けたいと思っています」

―ユーズドドレスの楽しみ方を教えてください
「これから先は、お金の価値観も変わってくるのではと感じています。だからより自由度が高まり、ユーズドのウエディングドレスを結婚式場で着るのを気にしない人も増えるのではと。あるいは、リゾート挙式で着たあとに、お披露目パーティでも着るというような、1着のドレスをさまざまなアレンジをして着倒す……そんなスタイルで、ウエディングドレスを“張り切らず”に楽しんで着てもらえたらうれしいです」


超有名ブランドがずらり!A THINGS WHITEセレクトのユーズドドレス

▼VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Karen)
VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Karen)VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Karen)¥301,700+税(販売価格)

「繊細なレースが特徴のヴェラ・ウォンのドレスは、試着用のサンプルとして店頭に並んでいたものなので、実際の挙式では着られていません。試着の際にほかのお客様が着ただけなので、破れもありません。9号くらいなので、サイズが合えばかなりオトクです」


▼Jenny Packham(ジェニー・パッカム)
Jenny Packham(ジェニー・パッカム)Jenny Packham(ジェニー・パッカム)¥195,000+税(販売価格)

「英国のデザイナーである、ジェニー・パッカムのウエディングドレスは、映画『華麗なるギャッツビー』を思わせるアンティーク調のデザインが特徴。こちらも店頭の試着サンプルだったウエディングドレスです」


▼ANTONIO RIVA(アントニオ リーヴァ)
ANTONIO RIVA(アントニオ リーヴァ)ANTONIO RIVA(アントニオ リーヴァ)¥183,000+税(販売価格)

「アントニオ リーヴァらしい、立体的でゴージャスなこちらのドレスは、レンタルで実際の結婚式で何度か着用されています。一般的なレンタル価格が40~45万ほどなので、販売価格としては破格ですし、アントニオ リーヴァのドレスは制約が多いことでも知られていますが、購入してしまえば、前撮りやロケーションフォト、ガーデンでも着ることができます。アントニオ リーヴァを着たいけど、費用面で諦めてしまう人や、ドレスの状態よりもデザインやブランドを優先する人にオススメです。ドレスは修理をしてからのお渡しも可能です」


▼VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Liesel)
VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Liesel)VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Liesel)¥400,000+税(販売価格)

「もともと販売価格が72万円のヴェラ・ウォンのドレスは、オーナーがオーダーして1度だけ結婚式で着用している委託販売のもの。状態もよく、ボリュームも落ちていないので、ほぼ新品と変わらない状態です。購入されるお客様には、前撮りで着ているか、結婚式当日はどこで着ているかなどの詳細な情報をお伝えしています」


▼花嫁だけでなくゲストにも!アクセサリーが充実
VERA WANG(ヴェラ・ウォン)(Liesel)

「A THINGS WHITEでは、花嫁だけでなく、結婚式に列席するゲストにもオススメなアクセサリーもセレクトしています。なかでも『Mignonne Gavigan(ミニョン・ガビガン)』というブランドは、遊び心あるデザインと、軽い素材で人気を集めています」 




Profile
山城 葉子 Yoko Yamashiro
山城 葉子さん
YOKO YAMASHIRO Designs CEO、チーフディレクター2002年にホテルやレストラン、ウエディングを手がける「Plan・Do・See(プラン・ドゥ・シー)」にウエディングプランナーとして入社。ウエディングドレスのセレクトショップ「THE TREAT DRESSING(ザ・トリート・ドレッシング)」を立ち上げ、のちに「YOKO YAMASHIRO Designs」を設立。2020年1月に新しいウエディングドレスのショップ「NUMBER 5(ナンバー ファイブ)」をオープン。ドレスやペーパーアイテムなど、デザインを務めるウエディングアイテムは多岐に渡る。




取材協力
A THINGS WHITE(エー・シングス・ホワイト)
東京都渋谷区広尾2-7-16
「NUMBER5」の2階に位置するユーズドドレスのショップ。NUMBER5でドレスを探していた人が、A THINGS WHITEのほうでユーズドドレスを購入したり、またその逆もあるのだとか。サイズが合えば信じられないほどオトクな商品もあるので、ぜひチェックして。
https://athingswhite.jp/