別所哲也さんに学ぶ"ファミリーウエディングのすすめ"(後編)
婚礼司会歴20年で、セレブや芸能人の結婚式も手掛けるベテラン司会者の長谷川高士さん。近著の『人生のステージが変わる、私にも出来るリアルエピソード 心にしみたセレブウェディング』(主婦の友社)には、形式にとらわれず自分たちらしさにこだわった結婚式事例が数多く紹介されています。
そこで今回マイナビウエディング プレミアムヴェニュー編集部は、長谷川さんご自身が司会をされたという、3歳のお子さんと一緒に式を挙げた俳優の別所哲也さんのウエディングをヒントに、"ファミリーウエディング"のあり方について考えてみたいと思います。
ファミリーウエディングでこそ大切なのが、"新郎新婦らしさ"
司会をしながら無条件でそのカップルを応援したくなる結婚式があります。それは小さなお子さんを連れてのファミリーウエディングです。挙式前に妊娠が分かると式を見送るカップルも多いという昨今。でも、「子どもがいるのに、今更......」と、躊躇するのはもったいない! そんなカップルにこそ、私は出産後にお子さんを連れてのウエディングを行うことをおすすめします。
ただ、ファミリーウエディングではお子さんが登場するとそれだけで会場も和やかなムードに包まれ、ゲストも大いに盛り上がります。一方、どうしてもゲストの目線がかわいい子どもに行ってしまうのも事実。とはいえ、結婚式の主役は新郎新婦なのですから、ふたりらしいファミリーウエディングを叶えることにこだわりたいものです。
重要なのは、ふたりのウエディングであることを象徴する"テーマ"をきちんと設けること。それによって「自分たちの意思で行う成熟した大人のウエディング」であることを、ゲストに印象付けることができます。
そこで別所さんご夫妻は、自分たちの結婚までのストーリーをひとつの映画になぞらえることにしました。その映画が秋のニューヨークを舞台にした『恋人たちの予感』。ご夫妻の出会いの場がアメリカだったこと、さらにはこれまでの人生や考え方が映画のストーリーとリンクしていることに気付いたふたりは、この映画の世界観をBGMや空間演出で表現することに。
会場には赤く色づいた枝葉を大胆に飾り、大型スクリーンには紅葉のアートワークが映し出され、会場全体が秋のニューヨークを彷彿するロマンティックな雰囲気に包まれました。俳優という職業ともリンクしたテーマは、各界の第一線で活躍されているゲストの方々にとてもわかりやすい共通言語。参列するゲストにも"伝わりやすいテーマ"を選ぶことで、結婚式がより盛り上がります。
この結婚式は、いつまでも恋人のように仲の良いおふたりの関係と、お子さんを含めた家族の3人の強い絆を感じることができる素敵なものでした。そのふたつを感じることができるからこそ、ファミリーウエディングは全てのゲストの感動を呼ぶのです。
(株)ハセガワエスティ代表取締役会長。司会から結婚総合プロデュースまで、ウエディングをトータルに監修。都内のラグジュアリーホテルや有名ゲストハウスと専属契約を結び、自身もこれまでに有名人セレブを含む3500組以上の披露宴を担当。著書に「心にしみたセレブウエディング」
発売:主婦の友社 / 発行:主婦の友インフォス情報社
http://www.hasegawa-st.com/