今テーマは、「パートナーに着けてもらいたい、贈りたい腕時計」。
男性に時計を贈るときは、やはり持ち主のパーソナリティに合ったピースを選びたいもの。例えば、女性がリングやピアス、ネックレスなどのジュエリーをはじめ、バラエティ溢れる豊富なアイテムを身に着けることができるのに対し、男性にとっての腕時計は、その人となりを語る大切な装身具の一つとなるからだ。よく雑誌などで、腕時計は男性にとっての名刺でもある、というようなテーマが組まれるのも、そのような理由があってこそのものだろう。
プレゼントとして、あるいは結納時計として選びたい腕時計。多くの物語に満ちたクリエイションを集めたテーマから、第二弾となる今回は、JAEGER-LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)とTUDOR(チューダー)をピックアップ。ブランドの歩みや歴史をものぞかせる、代表作をここに紹介する。
≫パートナーに捧げる時計、そのさまざまなスタイル <Part1:オメガ>
<ジャガー・ルクルト>
名門マニュファクチュールが誇る3つの王道コレクション
スイスの名門として君臨してきた、マニュファクチュールの技に魅了されるタイムピースを提案するのが、JAEGER-LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)である。同社の核となるレクタンギュラー型モデル「レベルソ」や、シンプルなラウンドモデル「マスター」、そして伝説のアラームウォッチを現代男性に向けてモダナイズした「ポラリス」の3作品をここに紹介する。
Ⅰ. マスター
マニュファクチュールとしてのクラフツマンシップを注ぎ込んだラウンドウォッチが、この「マスター」コレクション。3針のシンプルなデザインや、細身のバーインデックスなどの洗練のデザインが印象的だ。この直径39mmの時計は、コンパクトなケースサイズ感に加えて、時計名にもある厚さ7.8mmの薄型が秀逸。
「マスター・ウルトラスリム・デイト」
SS、カーフレザーストラップ、直径39mm、自動巻き、¥ 1,399,200
ジャケットの腕元にすっと収まる薄型かつシンプルなデザインはビジネスシーンの手元を優雅に彩ってくれるもの。先述した「自らの名刺として役立つ時計」と呼ぶにふさわしい、実にエレガントな佇まいに魅せられるタイムピースである。
Ⅱ. レベルソ
そして、ジャガー・ルクルトのアイコニックウォッチといえば、やはりレクタンギュラー型の「レベルソ」である。1931年に誕生し、90年以上にわたり愛されてきたレベルソは、かの時代のアール・デコのデザインと、反転式のケースを特徴とする。この独創的な構造は、スイスの実業家であるセザール・ド・トレーがポロ競技のための時計を、エンジニアのルネ・アルフレッド・ショヴォーとルクルト社のジャック・ダヴィト・ルクルトに依頼したことから誕生したもの。
「レベルソ・トリビュート・スモールセコンド」
SS、縦45.6×横27.4mm、カーフレザーストラップ、手巻き、¥ 1,540,000
かつレベルソは、アーティな魅力をも併せ持つコレクションで、ダイアルカラーも豊富とする。写真は精悍なブルー文字盤、ストラップにも同色となるブーツメーカーのファリアーノ・コレクションのレザーを使用し、クラシカル、かつタイムレスな魅力を放つ。
Ⅲ. ポラリス
ジャガー・ルクルトの中でも、スポーツモデルからのインスピレーションを色濃く受け継ぐ時計が、この「ジャガー・ルクルト ポラリス」だ。1968年に誕生したアラーム付きダイバーズウォッチの系譜として、現代男性のために誕生した。
「ポラリス・クロノグラフ」
SS、直径42mm、自動巻き、ストラップ2本付属、¥ 2,266,000
オリジナルのアラームウォッチをイメージしたヴィンテージな佇まいを魅力とする、二つ目が印象的な2カウンタークロノグラフ。ベースにニスを40層重ね、その上に透明ラッカーとカラーラッカーの二種を組み合わせた仕上げを施すという複雑な工程で、見事なグラデーションを描くカラーダイアルが完成した。スポーティなデザインの中に光る職人のディテールワークが、時計にエレガントで、深みある表情を与える。
<チューダー>
世界の時計愛好家も魅了する「ブラックベイ」コレクション
デイリーウォッチに活躍する、手に取りやすい価格帯。そして多くの時計愛好家からも高い信頼を寄せられてきたブランドが、TUDOR(チューダー)だ。
「ブラックベイ 58」
SS、直径39mm、自動巻き、(左:ブレスレットモデル)¥519,200、(右:ファブリックストラップモデル)¥477,400
「ロレックスの技術と信頼をもって、確固たる品質と先駆性を備えた腕時計を創りたいと思ってきた」というロレックスの創業者である、ハンス・ウイルスドルフの深い想いから誕生した。そんなチューダーの代表作は、「ブラックベイ」。1954年発表の初代「チューダー サブマリーナー」から1980年代モデルにいたるまでの各時代のディテールを再構築し、新たにモダナイズした「ブラックベイ」は、ヴィンテージライクだが、いつまでも色褪せない趣を魅力とする。
「ブラックベイ 58」
SS、直径39mm、自動巻き、(左:ブレスレットモデル)¥519,200、(右:ファブリックストラップモデル)¥477,400
1969年のフランス海軍用モデルから発想したスクエア型を特長とする「スノーフレーク」針やドットインデックスをそのデザインコードとするコレクションから、写真は、1958年のダイバーズ“ビッグクラウン”を継承する直径39mmの「ブラックベイ 58」。コンパクトなサイズもつけやすく、ジュリアン・フォール社製のファブリックストラップに付け替えることで、時計を着替える楽しさを与えてくれるだろう。
ちなみに「ブラックベイ」コレクションでは、第二時間帯を表示するGMTモデルも人気を博してきたタイムピースだ。出張時に活躍である時計は、スーツはもちろん、ジーンズなどのカジュアルなスタイルにもよく映えることだろう。
「ブラックベイ GMT」
SS、直径41mm、自動巻き、ともに¥568,700
共に200mの防水性と70時間パワーリザーブを備えたCOSC認定のムーブメントを搭載したブラックベイ。デイリー使いにも実にふさわしく、マリッジリングのような感覚で身に着けたい時計である。
≫パートナーに捧げる時計、そのさまざまなスタイル <Part1:オメガ>
文/野上亜紀