時計ジャーナリスト 篠田哲生Selection 【Vol.10】機能美に溢れるイタリアンラグジュアリーウォッチ「PANERAI(パネライ)」

時計は社会生活に欠かせない道具だが、“人生という時間”を可視化する役割もある。つまり時計とは、ふたりで過ごした思い出を刻んでいくものでもあるのだ。だから結婚という人生の大きな節目に、素敵な時計を手に入れたい。
それはふたりで歩むこれからの時間を、大切にしていきたいという意思表明になるだろう。



実用性を極めた、独創的な機能美


PANERAI(パネライ)

ブレない価値観をもてという。しかし世の常識というのは、時代の在り方によって変化するものなのだから、古い考え方に固執するのもいけない。大切なのは時代の変化に対応しつつ、価値観の本質がぶれないことにある。自分らしさを形成する確固たる本質があれば、どれだけ時代が変化したとしても、それに対応できるのだ。

そう、時計の話である。

PANERAI(パネライ)の本質。それは機能美である。イタリア・フィレンツェにて1860年に創業したPANERAI(パネライ)。まずは精密機器の製造から始まり、1930年代にイタリア海軍の特殊潜水部隊のためのミッションウォッチの製作を開始する。当時はまだダイバーズウォッチというものが存在しない時代であり、PANERAI(パネライ)はさまざまな技術を開発しながら、過酷な潜水ミッションをサポートする時計の開発に挑んだ。

PANERAI(パネライ)

そこから生まれたのが、優れた防水性と耐久性のための「大型ケース」であり、弱点となりえるリューズを完璧に保護し、さらに押し込み忘れを防ぐための「リューズプロテクター」であり、水中での視認性を高めるために、夜光塗料の板とインデックスをカットアウトした板で挟む「サンドイッチ構造のダイヤル」であり、リューズ操作の回数を可能な限り減らすための「ロングパワーリザーブのムーブメント」であった。

PANERAI(パネライ)_リュウズプロテクター
1950年代に開発されたレバーロック式の「リュウズプロテクター」。この特徴的なフォルムは、ひと目でパネライとわかるアイデンティティとなっている

この要素を満たすことで生まれたPANERAI(パネライ)の時計は、まずはイタリア海軍の特殊潜水部隊員によって使用され、その性能が評価されたことで他国の軍隊からも注文が相次いだ。PANERAI(パネライ)のミッションウォッチは戦うための時計であったため、長い間軍事機密扱いで、民生品が発売されるようになるのは1990年代に入ってからだった。しかしその独創的な機能美が高く評価され、瞬く間に人気時計ブランドの仲間入りを果たす。



PANERAI(パネライ)の特徴はそのままに、華やかなレディースウォッチも


タフな男の時計として愛されてきたPANERAI(パネライ)だが、デビュー当時と比べると、時計界を取り巻く環境は大きく変化した。機械式時計はマニアックな男性の趣味ではなく、もっとファッショナブルなものとなり、大きめの時計を好む女性も増えた。パネライも時代のニーズをつかみ、変化した。

幸運だったのは、PANERAI(パネライ)が機能性と優美さを好むイタリアンラグジュアリーの本拠地であるフィレンツェの発祥であったことだ。そのため機能的なデザインを生かすことで「本物のミッションウォッチ」という本質を保ちつつ、ケースサイズや素材、ダイヤルカラーなどで華やかなムードを加えることで、現代的な価値を生み出した。

PANERAI(パネライ)レディースウォッチ(左) ルミノール ドゥエ ルナ/(右) ルミノール ドゥエ

その結果、ビジネスシーンでも着用できるようになり、女性のファンも増え、ヨットチームとのコラボレーションなど、ブランドの世界観に厚みが増している。



人気のコレクションをご紹介


PANERAI(パネライ)ルミノール ドゥエ

現代のPANERAI(パネライ)を象徴するモデルといえば「ルミノール ドゥエ」になるだろう。前述したPANERAI(パネライ)らしい機能美をすべて踏襲しつつも、ケース径は38㎜と、PANERAI(パネライ)としてはかなり小ぶり。ブラックダイヤルのメンズライクなモデルだけでなく、赤や白のストラップのモデルも用意されており、ユニセックスで楽しめる時計となっている。




PANERAI(パネライ)サブマーシブル

PANERAI(パネライ)の技術的進化を楽しみたいなら「サブマーシブル」に注目だ。こちらもPANERAI(パネライ)らしい機能美を踏襲しつつ、防水性を高め、逆回転防止ベゼルを加えることで本格的なダイバーズウォッチに仕上げたもの。特殊なカーボンやTi-Ceramitech™という独自開発の特殊素材を用いるモデルがあり、潜水機器として生まれたPANERAI(パネライ)の進化系を楽しめるだろう。


PANERAI(パネライ)ラジオミール

逆にPANERAI(パネライ)の原点を知りたいなら「ラジオミール」だ。これはPANERAI(パネライ)が1935年に製作したプロトタイプのデザインを継承したもの。リューズプロテクターは開発前で、ラグもシンプルなワイヤー式だが、これこそがPANERAI(パネライ)の原点であり、道具としての魅力が詰まっている。




変化の激しい時代だからこそ、自分自身を見失うことなく成長していきたい。PANERAI(パネライ)はそういう気持ちを、一番近くで応援してくれるに違いない。

篠田哲生セレクトウォッチ


ルミノール ドゥエ
PANERAI(パネライ)ルミノール ドゥエ

1950年代にイタリア海軍特殊潜水部隊に納品された「ルミノール」のデザインをベースに、ケースを小径&薄型化。搭載するムーブメントは自社製のCal.900で、厚みを4.2㎜におさえつつ3日間のロングパワーリザーブを実現。薄型でエレガントな時計であっても、PANERAI(パネライ)の伝統はしっかり継承している。自動巻き、SSケース、ケース径38㎜。¥1,045,000

▼詳細はこちら
https://www.panerai.com/jp/ja/collections/watch-collection/luminor-due/pam01247-luminor-due.html


サブマーシブル クアランタクアトロ ルナ・ロッサ Ti-Ceramitech™
PANERAI(パネライ)サブマーシブル クアランタクアトロ ルナ・ロッサ Ti-Ceramitech™

1998年にデビューした本格派ダイバーズウォッチ「サブマーシブル」。その最新作で世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」への出場を目指したイタリアのヨットチーム「ルナ・ロッサ」とのコラボレーションモデルは、軽くてタフな特殊素材をケースに使用し、防水性能も500mを実現。自動巻き、Ti-Ceramitechケース、ケース径44㎜。¥2,508,000

▼詳細はこちら
https://www.panerai.com/jp/ja/collections/watch-collection/submersible/pam01466-submersible-quarantaquattro-luna-rossa-ti-ceramitech.html


ラジオミール オフィチーネ
PANERAI(パネライ)ラジオミール オフィチーネ

45㎜というボリューム感のあるケースや手巻き式のムーブメント、ワイヤー式のラグや操作しやすい大型のリューズなど、PANERAI(パネライ)のクラシックスタイルが包まったモデル。カレンダーも秒針もない研ぎ澄まされたデザインは、道具として生まれたPANERAI(パネライ)の歴史を示すものである。自動巻き、SSケース、ケース径45㎜。¥748,000

▼詳細はこちら
https://www.panerai.com/jp/ja/collections/watch-collection/radiomir/pam01382-radiomir-officine.html







writer-篠田 哲生

篠田 哲生氏
1975年千葉県生まれ。2002年に独立し、時計記事の取材や執筆を始める。
時計学校を修了し、スイスやドイツへの取材経験も豊富。
近著の「教養としての腕時計選び」(光文社新書)は、韓国と台湾でも翻訳版が出版された。

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