「くふう婚」に寄せられたアイデアの中から、毎月優れたアイデアを表彰するMonth賞。
8月のMonth賞に選ばれたのは、NANAEさんとSHUNTAROさんが行った、森の中でのふたりだけの挙式。マイナビウエディング編集部が、ふたりの結婚式への思いや、実施に至るまでの経緯を伺いました。

新型コロナウイルスの影響だけでなく、多様性が叫ばれる今の時代において、結婚式にも、枠組みに捉われない多彩な選択肢が必要だと感じます。
その一つの事例として、「結婚式の意味」まで問い直したというふたりがかなえた、素敵な一日をご紹介します。

くふう婚 特設ページ

ふたりだけで挙式を行うことに決めたきっかけは?

まずは、夫婦としてのスタートをきりたかったから

もともとは、2020年7月に挙式・披露宴を予定していたというふたり。
状況を鑑みて延期や中止を検討する中で、結婚式の意味を考えるようになったきっかけは、海外の花嫁の笑顔だったそう。
お話の中で特に印象に残ったのは、ふたりが「何のために結婚式をするのか」という本質にまで考えを巡らせたということ。
こんな状況だからこそ、「そもそも結婚式の意味って?」と改めて立ち返ってみることは、今悩んでいる多くの新郎新婦にとっても、答え出すための一つの鍵になるのではないでしょうか。

挙式・披露宴を執り行う会場を決定した矢先、ニュースで新型コロナウイルスの話題がとりだたされるように。規模縮小での決行も検討しましたがゲスト、親族も遠方の方が多く決行は難しいと判断し、7月の式を一旦白紙にしました。

本当に結婚式、できる日が来るのかな

その後、新型コロナウイルスに柔軟な対応をしてくれそうな式場を予約。ただし緊急事態宣言が解除された後に感染者が増えるなど、当時見通しが立たない状況が続いていた中、ぼんやりと「中止」の選択肢も考えるようになりました。

本当に結婚式、できる日が来るのかな。
新型コロナウイルスの影響で中々実施目処が立てられない中、今の私たちにとってどんな選択肢がベストなのかを考えるようになりました。

どんな選択肢も「2人が幸せであること」が大切

そんな時に、海外の花嫁さんたちが行った結婚式の記事を目にしました。
日本よりも深刻な状況下の海外。当然結婚式の延期や中止を余儀なくされていました。

そんな中でも、近隣の友人や親戚だけを招き自宅の庭で挙式をした花嫁さん、思い出の公園で2人だけの挙式をした花嫁さん。挙式の様子は本当に素晴らしく、場所やゲストの人数に関係なく、幸せにあふれた花嫁さんの表情を見た時に、自分たちの選択に納得していること、"2人が幸せであること"がとても大切なのだと感じました。そこから2人で話し合いを重ね、まずは夫婦としてのスタートをきりたいと2人だけの挙式を行うことに。
披露宴は新型コロナウイルスの状況やライフプランに応じてできるタイミングで行うことを決めました。

どのように創り上げたの?

"自分たちだからこそ"のもの、ことを考えた

ふたりの結婚式のお話を伺う中で、特に参考にしたいと感じたポイントは「ウエディングコンセプト」と「挙式の舞台選び」。

コンセプトを考える際にNANAEさんの心に浮かんだのは、ピカソが描いた一枚の絵だったそう。
イメージやキーワードを1つ中心に据えることで生まれる、一日の統一感。そして同時に、コンセプトがふたりの思いや記憶を象徴するようなものであるからこそ、当日のエピソードやフォトまでもがふたりらしく輝いて見える理由なのだと思いました。

そして、挙式の舞台との出会いも運命的!
「結婚式の意味」や「ふたりだからこその理由」を考え続けたからこそ、「ここじゃなきゃだめだ」とまで思えるような場所を選べたのだろうなと感じるエピソードです。

ピカソの絵をモチーフにした一日

挙式を行ううえで、「自分たちだからこそ」のものを創りたいという思いと、オリジナリティにこだわりたいという思いを持っていました。
そんな思いでコンセプトやビジュアルイメージを考えている中で思い浮かんだのは、ピカソの「眠る農夫たち」という一枚の絵。美術部だったこともあり、その絵を見た時のあたたかな印象や、理想の夫婦像のようなイメージが、心に残っていたのだと思います。

その絵をモチーフに、当日の空間のデザインや衣裳などイメージを固めていき、装飾用の小物づくりなど準備を進めていきました。
またオリジナリティで言えば、誓いの言葉もふたりで考えました。空間だけでなく、そういった部分も含めてふたりらしい結婚式になったと思います。

結婚式の準備期間も、ふたりの思い出になるなと感じました。
最初は正直なところ、専門業者などに頼めばいいのでは、と思ったこともありましたが、やりだすと面白い。

また準備期間は、家中が装飾などの物であふれかえっていましたが、現地に持って行ってみると感動がありました。彼女の努力が報われたなと思いました。

世界観に合わせた小物だけでなく、家族の写真も用意したりました。本当に、実際に現地で装飾や小物を配置してみると、達成感がありました!

私たちなりの「ここでやる」意味を見出すことができた

場所に関しては、2人だからこその身軽さもあり、多くの選択肢がありました。キャンセルした海外ハネムーンの代わりに、国内旅行も兼ねてリゾート地での挙式も検討。挙式だけができる会場をネットで調べると素敵な会場がたくさんあり、迷いもしたのですが、「ここがいい」という気持ちは芽生えませんでした。

そんな時にふと、旦那さんと自然あふれる場所に旅行した時のことを思い出しました。鳥の鳴き声をきいて「この鳴き声は〇〇だよ」と鳥の名前を次々と教えてくれました。その時の旦那さんの楽しそうな横顔や生き生きとした声が印象に残ってました。鳥のことは、大好きなおじいさんに森に連れて行ってもらって教えてもらったと聞き、とてもいい思い出だったんだと感じていました。

小学2年生の頃、震災の影響で祖父のいる山梨で生活していた時期がありました。好きな野鳥を観察したこと、多感な時期だったこともあってカルチャーショックを受けたことなど、記憶として心に強く残っています。

そしてふたりで挙式の場所を探しているときに目に留まったのが、偶然にも祖父がボランティアをしていた、この場所でした。

そんな旦那さんゆかりの場所、素敵な思い出がある場所に訪れることで、私も旦那さんの思い出に触れることができる、旦那さんのことをまた一つ知ることができる。さらに旦那さんの思い出の地で挙式を行うことで、2人の思い出の地にすることができる。そう思ってからは「ここであげたい」という気持ちがこみ上げ、どんなに素敵な会場を見つけても揺らぐことはありませんでした。

私たちなりの「ここでやる」意味を見いだすことができました。

良かったこと、大変だったことは?

自分たちで選べる自由度が良かった & 手配や交渉は大変かも

ふたりだけの結婚式や、挙式のみできる結婚式場の情報、フリープランナーの紹介など、情報や事例が少ないと感じたというNANAEさん。
ただ良かったのは、圧倒的な自由度。自分たちで選び、創り上げられる状況であったことが「ふたりらしさ」に繋がったそう!

結婚式場で行う結婚式と違って、進行管理や案内をしてくれるプランナーさんがいない状況なので、フォトグラファーさんやヘアメイクさんなど、クリエイターさんは自身で手配しました。スケジュール管理から金額交渉、創り上げたいイメージの共有を自分たちで行う必要があるため、大変に感じる面もあるかもしれません。

ただ私は、自分で選べる・選択肢が豊富にあるという自由度がうれしく、まったく苦ではありませんでした。
空間づくりも、過ごし方も、クリエイターの方も、すべて自由だからこそ、理想の時間を創れたのだと思います。

誰かの目や意見を気にして何かをするということは、ほとんどなかったように思います。ふたりの視点を大事にできると感じました。
自分たちで選び、創り上げていくことができるからこそ、彼女が選んでくれたクリエイターの方々もビジネスライクではなく、挙式当日も、心が繋がったような一日になったのだと感じています。

挙式をしてみて、感じたことは?

不安が一転、挙げてよかったと心の底から思えた

当日は、本当に幸せな気持ちに

2人だけ。
寂しい気持ち、妥協したような残念な気持ちにならないだろうかという不安は正直ありましたが、当日は本当に幸せな気持ちになり、「挙げてよかった」と心の底から思いました。

また、SNSで発信することで花嫁さんたちにも幸せな様子を報告できたことや、規模縮小や2人だけの挙式を考えている方から励みになったというメッセージを個別でいただくことができてうれしかったです。

今、結婚式場は花嫁さんのために新型コロナウイルス対策を一生懸命考えてくれています。花嫁さんも、ゲストが少しでも安心して参加できるような配慮を日々考えていらっしゃいます。メディアの皆さんも花嫁さんに役立つ最新の情報を発信されています。

皆が一丸となりこの状況を乗り越えようとすることで、工夫にあふれた新しい結婚式のカタチが生まれてきているようにも思います。
もし新型コロナウイルスがなければ、私たちも2人で挙式という発想には至らなかったと思います。そして、こんなに結婚式の意味や、自分たちらしい結婚式の在り方を深く考えることもなかったかもしれません。

今は、親しい人を招いての少人数婚、2人だけの挙式、ゲストを分けての2部制、オンライン結婚式、フォト+挙式をセットにしたプラン等、さまざまな選択肢がありますし、結婚式を中止するという選択肢もあります。2人が納得していて、2人が幸せであれば、どれも正解だと思います。

最近ではまた結婚式が再開され、花嫁さんたちの幸せな様子を見ることができて私も元気をもらいます。

苦しい状況を乗り越え、それぞれのベストを選択をした花嫁さんたちのことを同じ花嫁としてこれからも応援していきたいです。

結婚式をすること、ふたりで誓いを立てること。
今だからこそ、それを見つめ直し、考えを交わしあう良い機会なのかもしれません。ふたりがどうしたいのか、その思いこそが大事なのだと感じます。

今回のMonth賞を受賞されたふたりも難しい状況の中で答えを出したことを、うかがい知ることのできるインタビューでした。
だからこそ、苦しんだ花嫁のひとりであるというNANAEさんが、インタビューの中で口にされた「どれも正解だと思う」との言葉が、とても力強く感じられました。

マイナビウエディングでは、感染症対策に取り組みながら安心・安全な結婚式を行うためのアイデアを募集しています。詳細は、「くふう婚」特設ページからご覧ください。ステキなアイデア、お待ちしております!