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マイナビウエディングサロン:時間がないふたりならプロに任せるのが一番

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各界のプロフェッショナルが語る、最強ウェディングノウハウ。プレミアム花嫁塾。結婚式評論家が語る「結婚式の本当の価値」とは?  Backstage at the Wedding - 佐伯エリ(結婚式評論家)

結婚式のブーケはどうしてこの値段?
「ウエディングブーケ」の謎を徹底解明!

カップルのおふたりにご質問いただき、説明してきたことはたくさんあるのですが、なかでも多く聞かれたことのダントツ一位は「ブーケの価格について」でした。 「お花屋さんやスーパーで売っているバラの花は一本300円くらいなのに、どうしてブーケになると3万円も4万円もするの?」 多くの方が、この疑問を感じたことがあるかと思います。今回はこの「ブーケの価格」の本質を3つのポイントにまとめて解説します。


◆美しい生花のブーケは、品質にこだわった証

ひとつ目のポイントは「品質」。


私たちにとっては似たように見えるバラの花も、品質やランクはさまざま。店頭のお花には金額程度しか書いてありませんが、産地や生産者さんによってもちろん単価も異なります。 例えば、白いバラひとつとっても、一度に何十種類もの品種が市場に出荷されます。フラワーアーティストはその中からおふたりの好みやドレスの素材、会場の雰囲気に合わせて最適なバラの花を選び仕入れをします。品質の悪さは、見た目の美しさだけでなく、花持ちなどにも影響するので、品質を見極める目を持つことはとても重要です。


また、ブーケは花嫁のスタイリングの重要な要素。その人の美しさを引き立てるものでなくてはならず、また、選ばれているドレスの素材との相性も考えなくてはなりません。 柔らかなチュールなどの素材なら、お花の質感もナチュラルなものを、シルクサテンのように抜け感も兼ね備えたエレガントな素材なら、お花もそれにふさわしい質感のものを。 もちろん、その時期に希望通りの品種が出ているとは限りませんが、アーティストたちは「その人のためのブーケ」に向けて、よりイメージに合うものを求め続けているのです。


佐伯さんフォト1

◆希望価格のブーケができるのは、仕入れの努力あってこそ

ふたつ目のポイントは「仕入れ」。


ウエディングの場合、打ち合わせの段階で「では、白いバラを使ったクラッチブーケを4万円でお作りいたします」と、結婚式の数カ月前におふたりにお約束して見積もりをださなくてはいけません。中には「金額はいくらかかっても構わないから、希望通りのブーケを作ってください」という方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方は細かく事前に金額まで設定されます。 ただ、このときにはもちろん、挙式時の花の仕入れ価格はわかりません。フラワーアーティストたちは、アーティストとしての表現の感性を生かしながら、現実的な価格の部分でもおふたりにご負担や心配をかけないように、事前に価格を設定しているのです。


また、ブーケの中に花材を何種類組み込めるか、というのも創作の大きなポイント。デザインによって一種類の花材で作るモダンなスタイルもありますが、最近人気のナチュラルブーケの場合、数種類のお花とグリーンが組み合わされていることが多いです。例えば、三種類の花材で作ったブーケと、十種類の花材で作ったブーケ、もしデザイン的に種類が多い方がステキに仕上がるのであれば、可能な限り種類を増やしたい、というフラワーアーティストの考えもあると思います。 最近ではSNSの実例写真などで「こんなイメージのものにしてください」と提示される方も多く、そのブーケに十種類程度花材が使用されていれば、そのイメージに近づけたいと思うはずです。


さらに、仕入れの仕組みとして、少ない本数で買うと単価は高くなり、箱などでまとめて買うと安くはなりますが、在庫として残ってしまう可能性があります。花は生き物なので長期保存はできませんし、例えば、一本しかブーケに使用しない花であっても、一本では購入できず、必要本数の何倍もの数量を仕入れなくてはならないこともあります。 そのほか、輸入花材などに多いそうですが、箱を開けてみたら全て痛んでいた、といったこともあれば、天候が不安定で例年より価格が高騰してしまった、ということも。 とにかくさまざまな条件を加味しながら、お約束した価格の中で、最高品質のブーケをお届けすることができるように、競りや市場の価格を日に何度もチェックして、よきタイミングでなるべくよい花材を仕入れる努力をし続けているのです。 先日あるフラワーアーティストさんと会った際も、彼女は何度も携帯で、競りの状況をチェックしていました。花を愛でる感性をお仕事にされている方たちというのは、そんな影の努力はお客様に見せないんだな、と感じました。


佐伯さんフォト2


◆式当日にブーケを一番美しく見せるための「開花調整」


最後のポイントは「開花調整」です。


仕入れた花材ですが、お店に届いたらすぐにブーケとして束ねられるわけではありません。 例えばバラの花の場合、店舗に届いた時点では、まだ硬い蕾(つぼみ)のままで箱に入って納品されますが、フラワーアーティストは、そこから「開花調整」というものを行います。開花調整というのは、その名の通り、花の開き具合を調整していくこと。結婚式本番の、その時間にまで合わせてちょうどよく美しい状態に持っていけるように、開きが遅ければ太陽にあてたり、逆に早ければ冷暗所に持って行ったり、微妙な花の開き具合を観察しながら、手間隙かけて「花を開かせていく」作業です。 ここが、ブーケを束ねる技術に匹敵するくらいに大切な、フラワーアーティストの腕の見せ所。花開いたものから店頭に並べる小売店の販売方法とは全く別の、お客様とのお約束を守り、期待通り、またはそれ以上のブーケをお届けするために、花の状態をしっかりと見つめながら一番美しい姿にまで持っていく開花調整は、紛れもないプロフェッショナルの技術だと思っています。


佐伯さんフォト3


◆生花? 造花? 手作り? 理想のブーケに仕上げるためのポイント


「花の品質」「仕入れ」「開花調整」この3つのポイントを押さえながら、フラワーアーティストたちは挙式当日に一番美しいブーケを作り上げるために日々努力しています。そう聞くと、冒頭の「ブーケはどうしてこの値段なのか?」という疑問にも、納得できるのではないでしょうか。
フラワーアーティストの技術や花への愛情も感じていただけたかと思いますが、それを踏まえた上で、理想のブーケに仕上げるために考えておくとよいポイントもご紹介します。


まず、ブーケに使用したいお花がある場合は、そのお花が確実に使える季節や時期を加味して結婚式の日取りを考えるとよいです。お花には、野菜や果物と同じで、一年を通して市場に出回るものと、限られた季節(時期)にしか出荷できないものがあります。何も考えずに日程を決めてしまうと、希望の花材が使えないということになりますのでご注意ください。 逆に、特にこだわりはないけれど、安く簡単に、ステキに仕上げたいという方は、色味やスタイルだけをリクエストしてお任せしてしまう、というのもひとつの方法です。そうすると、ドレスや会場のデザインに合わせて、そのときによい状態のものを安価に仕入れられる花材で、フラワーアーティストはクリエイティビティを発揮してステキにデザインしてくれます。


また、ブーケの素材について、生花よりもアーティフィシャルフラワー(造花)の方が安価であると思われていることも多いのですが、実は生花より造花の方が、作成の手間がかかる分価格は高くなります。これは生花を特殊加工したプリザーブドフラワーも同様で、こちらはさらにブーケの組み方も限定されます。その日のありのままの姿を残せることや、生花にはない色味を楽しめるところがアーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーの魅力のひとつ。価格だけではなく、それぞれの素材の持ち味も生かしながら検討してみてください。


◆最後に

ブライズルームにそっと納品するだけで、自分が束ねたブーケを持っているおふたりの姿をその目で見ることがなかなかないフラワーアーティストたち。それでも、そのブーケが花嫁姿を美しく完成させる力を持っていると信じ、その姿に想いを馳せて、今もたくさんの愛情と共にブーケを束ねてくれているのです。


写真(メイン・本文中2枚目、3枚目)/Marlgrafica 享丸桂大
写真(メイン・本文中1枚目)/フォトすまいる別館Polaris 石川忠義
写真(プロフィール)/Roots&Routes 小澤 彩聖


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結婚式評論家 佐伯エリ

結婚式場に約15年勤務後、フリーウエディングプランナーとして独立。現在はウエディングプランナーと並行して、ブライダル関連企業にて人材育成コンサルティングのほか、ブランドプロデュースや商品開発、撮影のアートディレクション、イベントやショー、ライブステージの演出なども手がける。

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