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各界のプロフェッショナルが語る、最強ウェディングノウハウ。プレミアム花嫁塾。結婚式評論家が語る「結婚式の本当の価値」とは?  Backstage at the Wedding - 佐伯エリ(結婚式評論家)

カメラマンの選び方から完成度を高めるコツまで......
理想の「ウエディングフォト」を残すポイント

思うように人を招いての結婚式の開催がかなわなかったこともあり、フォトウエディングの需要が大変伸びた一年でした。読者のみなさまの中にも、たくさん調べられた方も多いのではないでしょうか。結婚式のお写真は、人生においてとても大切なもの。今回は、理想通りのお写真を残すためのポイントをお伝えします。


◆まずは「カメラマン」という職業を知る

みなさんにとって「カメラマン」と言うと、どのようなお仕事をされているイメージをお持ちでしょうか。もちろん「写真を撮る」お仕事なのですが、私は単にシャッターを切る作業だけがお仕事なのではなく、彼らを「アーティスト」として見ています。と言うのも、プロのカメラマンたちの写真は、それぞれが実に個性的。カメラという機械でシャッターを切るだけなのに、仕上がりは100人いれば100通り。100人のシェフがいて、一斉にハンバーグを作ってもらったとしたら、その形も味も盛り付けも100通り異なるように、その人の感性に成果がとても左右される仕事だと思っています。


また、どんなリクエストにも幅広く対応できるカメラマンさんも中にはいらっしゃいますが、その人によって得意不得意もあり、私はこれも悪いことではなく、逆にその人の魅力を尖らせた写真を撮って欲しいといつも思っています。シェフにも和食・フレンチ・イタリアンと分野がありますね。実は、カメラマンにも風景写真が得意な人、アイテム撮影が得意な人、そして人物撮影が得意な人といて、ウエディングには特に人物撮影、しかも人の笑顔の写真が好きなカメラマンさんが多いような気がしています。


そして、たまにお客さまより、S N Sで見つけた海外のウエディングフォトなどで「こう撮ってください」とリクエストされることもあるのですが、よく拝見するとかなり加工されていたり、たくさんの照明機材が組まれていたりと、条件や方法に厳しさを感じることも少なくありません。もちろん、なるべくご希望に添えるようにしたいのですが、写真だけを見て同じハンバーグを作るのが難しいように、真似をしただけだととても表面的な結果になってしまうことも多く......なかなか難しさも感じます。実は、カメラマン自身の感性をそのまま信じた方がよい結果になることも多いので、選ぶ際にまず大切なのは「どのような世界観を大切にしているカメラマンなのか」を見極めて決めることだと私は考えています。


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◆ふたりに合ったカメラマンの見つけ方・選び方

では、どのようにしたら、おふたりにあったカメラマンを見極めることができるのでしょうか。SNSの投稿写真やカメラマンのHPのポートフォリオなどをどうやって参考にすればよいかなど、カメラマン探しの初心者さんにもわかりやすく簡単に、その選び方のポイントをご紹介します。


・自分たちやゲストの表情をしっかり収めたいなら......
画角に対する人物の割合が多い、カメラ目線の笑顔写真が多い


・自然な雰囲気をドキュメンタリーとして残したいなら......
カメラ目線ではない写真、まるで会話が聞こえてきそうなナチュラルなシーンのショットが多い


・実は撮られるのは苦手だけど記念に残しておきたいなら......
画角に余白が多く、ニュアンス写真が多い


・海外フォトのように物撮り(アイテム撮影)にこだわりたいなら......
物撮り写真も上がっているかどうか、光の捉え方が上手か
※人物撮影とアイテム撮影は両方バランスよく得意な方と、片方だけ特別に得意な方がいるので、要チェックポイントです


結婚式場などの提携先の写真会社にオーダーする場合は、サンプルアルバムや作品を見せてもらい、上記のポイントを重視して選びましょう。対応ができる場合とそうでない場合があるかもしれませんが、気に入ったアルバムがあればその写真を撮影したカメラマンさんを指名できるか確認してもよいでしょう。


写真を撮られるということは、そのカメラマンさんに自分の素を見せることができるかどうか、というもの大切なポイント。世界観に共感できるかどうかで、信頼度は変わりますし、私が一番大切なのは、おふたりがその人の作品を見たときに「心惹かれるかどうか」。「こんな風に撮ってもらいたい」そう真っ直ぐ感じることができた人にオーダーすることが、いちばんの近道だと思っています。そして、カメラマンさんのノリやキャラクターによっても心開けるかどうかは変わってきます。人見知りやシャイなおふたりほど、「写真は苦手だから、ただ撮れればいい」などと思わずに、大切に向き合ってみてほしいです。


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◆写真撮影の際に気を付けたいこと

少し前に「写真撮影の指示書」なるものが生まれまして、お客さまからお預かりしたこともあったのですが、これも実は、よいこともあれば、そうでないこともたくさんあります。と言うのも、「指示」が多ければ多いほど、「指定のカットを撮ること」に時間が割かれていき、その日の光、空気、風などと、選ばれている衣装や撮影場所のロケーション、おふたりらしさ、ふとした雰囲気などから、カメラマンや私が「これを残せたらステキだな」とその場でライブで感じたことを、泣く泣く撮り逃してしまったこともあるのです。細かく指定することは、お互いの齟齬をなくすと言う意味ではよいこともあると思いますが、撮影現場には感性のセッションの上でその刹那に生まれる「いま」もたくさん散りばめられています。それは、その日だけのもの。結婚写真ではそういったものも、大切にしたいなと思っています。


そうはいっても、全く目的なしに撮ると世界観がブレることもあるので注意が必要です。私はいつもおふたりやカメラマンとは、世界観を共有しながら「キラーショット」を一枚だけ決めて撮影に臨んでいます。おふたりが目指すべきゴール、つまり、「未来にこの日をどんな風に残しておきたいのか」を体現した一枚ですね。その写真を残すために、どんな場所で、どんな機材で、どんな時間帯に、どんな空気感で撮影するのか。そんなことを考えながらカメラマンともおふたりとも共創していくフォトウエディングはなんとも言えない、深く美しい特別な時間となります。


またフォトウエディングの完成度を高めるためのアドバイスをもうひとつだけ。手に持つ撮影小物(ガーランドなど)にも、ひと工夫すると写真がもっとステキになります。こだわるべきポイントは「質感・素材のクオリティ」。ドレスやスーツには、普段着よりも品がよく質の高い素材が使用されています。実は、小物の質感もそこに合わせていかないと、写真になったときにアンバランスな仕上がりになってしまいます。例えばブーケも「写真だから出来合いのブーケでいい」と言う方もいらっしゃいますが、私はそうは考えていません。写真こそ、オーダーメイドで似合わせたブーケを持ってほしい。写真は「真実を写す」と書きます。その名の通り、安価な素材、中途半端なコーディネイトは、それがそのまま写るのです。「みんながやっているから」「お譲りでたまたま見つけたから」のような感じで「とりあえず持ってきました!」と言うパターンもたまにあるのですが......フォトウエディングも結婚式当日と同じく、「人生のその日だけのもの」。限られた時間で、なるべくよい写真を一枚でも多く残していくためには、何が大切なのかを一緒に考えていきたいなと、いつもディレクションをしながらお話させていただいております。


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◆最後に

「いま」のおふたりを残す結婚写真は、いつの未来にも、この日にタイムスリップさせてくれ、結婚式やそれにまつわる出来事を思い出させてくれるお守りのようなものです。10年・20年経って見たときにも、「あのとき、ふたりでこんなことを大切に考え、一緒に創ったんだ」と、写真という形あるものを通じて、形はないけど確かにそこに存在した「その時」の愛や想いを手に取って感じられるような時間を過ごしてほしいと心から願っています。


写真(メイン・本文中)/Marlgrafica 享丸桂大
写真(プロフィール)/Roots&Routes 小澤 彩聖


Professional of 結婚式評論家が語る「結婚式の本当の価値」とは?  Backstage at the Wedding
結婚式評論家 佐伯エリ

結婚式場に約15年勤務後、フリーウエディングプランナーとして独立。現在はウエディングプランナーと並行して、ブライダル関連企業にて人材育成コンサルティングのほか、ブランドプロデュースや商品開発、撮影のアートディレクション、イベントやショー、ライブステージの演出なども手がける。

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