結婚式場探しならマイナビウエディング > マイナビウエディング 厳選特集一覧 > #くふう婚アイデアコンテスト > #くふう婚アイデアコンテスト 9月マンス賞受賞者インタビュー


※この記事は2020年11月時点の情報です。
安心して結婚式を行うためや、ゲストに列席して頂くための「配慮や工夫」を募集する企画「#くふう婚」に寄せられたアイデアの中から、毎月優れたアイデアを表彰するMonth賞。
今回は、9月のMonth賞に選ばれたnolicoさんにインタビュー。
リビエラ東京 ●RIVIERA WEDDING●で2020年7月に行われた結婚式について、お話を伺いました!
Month賞の受賞理由にもなった感染症対策の「透明うちわ」をはじめ、他にも真似したいアイデアや、おもてなしエピソードがずらり。
また延期を余儀なくされたときの心境や、そんな中でも素敵なウエディングをかなえたアイデアの源泉など、先輩花嫁の結婚式実例をご紹介します。

延期を決めたとき、実施を決めたときの気持ちは?
不安を抱きつつも、同じ花嫁さんに救われた

もともとは5月の挙式予定だったというnolicoさん。
新型コロナウイルスの感染状況も日々変動し、判断も難しいなか、招待状を発送するというその当日に、延期することを決めたのだそう。
延期を決める前、そして延期後の準備期間にも抱えた不安など、正直なお気持ちを聞かせてくれました。

おそらく、延期を決断された他の花嫁様と同じ気持ちです。ゲストや家族の安全を考えると、延期の一択でした。世間体もあったと思います。
延期日の候補として式場から提案されたのは、今年2020年の夏か、来年。
新型コロナウイルスの感染状況が収束しないことももちろん不安でしたが、他の感染症の流行や天災、親族の不幸がある可能性など、「未来は何が起こるかわからない」ということの怖さを知ってしまったということは大きかったです。
表現が難しいのですが「どんな形でもよいから、"手の届く未来"に、今年中に挙げてしまいたい」と思ったのが、正直な気持ちでした。
不幸中の幸いで、親族も殆どが都内と隣県在住でしたので、規模縮小については一旦ゲストの意見を聞いてから判断しようということで、私たちは進んで検討しませんでした。

同じ境遇の花嫁さんに救われました
式の準備期間は自分たちが決行を決めたことに自信が持てず、コロナ禍で式を挙げて批判を受けることが怖かったです。SNSでは挙式予定日を明かせませんでした。
ただ式後2週間経ち、感染者ゼロが確認できて初めて情報公開した時、面識のない方からもたくさんの「おめでとう」を言っていただけて、本当に報われた気持ちがしたんです。こんなご時世だからこそ、身内だけでなく同じ境遇の花嫁さんたちが励まし合ったり、情報を共有しあう空気に救われました。
「透明うちわ」のアイデアの源は?
「可哀そうに見えない」「ポジティブ変換する」というテーマ

今回の受賞理由にもなった、新郎新婦が手に持った飛沫防止の「透明うちわ」。
透明なうちわにシール紙を貼ることで、あえて「マスク風」にDIYした所がポイント。「あまり浮かれず、不快感を与えず、大好きなドレスやお花を邪魔せず」のデザインに!
感染対策もしながら、当日の披露宴中の雰囲気を崩すことなく、そして"マスク"をすることで参列してくれたゲストと気持ちまでおそろいに。
配慮も感じられ、かつウィットに富んだアイデアです。

このうちわを準備したのは式の3~4日前、結婚式の直前でした。
テーブルにアクリルパネルを置くことに抵抗があり、でも飛沫対策しているという誠意は見せたい。そんなことを考えていた時、ネットの記事で透明うちわを見つけたことがキッカケです。

「可哀そうに見えないこと」「ポジティブ変換すること」
私の中で、新型コロナウイルス対策のテーマがあって。感染症対策をしっかりしつつも「可哀そうに見えないこと」「ポジティブ変換すること」。
準備期間中はまだ、この状況になってからの結婚式事例は少なく、「どういうものがニューノーマルなのだろう?」と自身で何度も考えました。
このアイデアでは、マスクの柄を描くことでほんの少しのユーモアも感じてもらえたかな、と。目的もパッと見て伝わりやすいから皆さんに理解されやすかったと思います。
さりげない配慮だったと思いますが、この小さなアイデアを皆様に受け入れてもらえてよかったです。当日もほっこり笑顔になれました。
ふたりらしい結婚式は、どのように創り上げたの?
自作アイテム & おもてなしの気持ちが鍵

透明うちわだけでなく、DIYしたというペーパーアイテムやワイヤークラフト、そしておもてなしアイデア。お写真を見るだけでもセンスが光り、ふたりらしいあたたかな一日だったのだろうなと伝わってきます。
学生時代はプロダクトデザインを専攻していたというnolicoさん。
「"目的と理由を設定する"という考え方を、自然にしているのかも」とのこと。
そんな花嫁だからこそ、ゲスト目線でのおもてなしや配慮が、細かな所まで息づく一日になったのかもしれないなと感じました!

ペーパーアイテムは全て自作しました。突然情勢が変わって式が再延期になっても落ち込まないように、やりたいことはグッと抑えて費用面はかなりセーブしました。

DIYの中で一番反響をいただいたのが、ワイヤークラフトです。ウェルカムスペースに置いたら大勢のゲストが素敵に写真を撮ってくれました。
SNSでも欲しいと言ってくださる花嫁さんがいて、嬉しかったです!

そして、準備を進めるなかでこだわっていたのは、おもてなしの気持ちです。
「自分なら何を知りたいか」「ゲストはこういう不安を抱くんじゃないか」など、ゲスト目線で考えていました。
テーブルレイアウトを絵に起こしてゲストへ伝えたり、感染症対策についても知りたいであろう情報を伝えるように意識しました。

感染症対策とおもてなしを両立させた演出が、ゲストを迎えるスタイルでの披露宴の入場でした。ゲスト一人ひとりの目を見ながらお迎えし、その時にアルコール消毒をさせていただきました。一番やってよかったなと思っているのが、このおもてなしです。
入場される際に、あるゲストが「こんなこともうないから」と言って2台並んだアルコール消毒の前に両手を差し出してくれたんです。
その方がキッカケで、ゲストの右手を私、左手を新郎が担当して皆さんの両手にアルコールスプレーをしました。
私たちらしい素朴で穏やかな入場となりました。
挙式をしてみて、感じたことは?
結婚式場スタッフ、家族、友人、他の花嫁さんも寄り添ってくれる
思い悩みながら準備を進め、迎える当日。
お話を伺っていて改めて感じたのは、ふたりの思いだけでなく、関わるすべての人の思いが重なって「結婚式」はできあがるのだということ。
結婚式場スタッフやゲスト、周囲の方のの気持ちも伺い知れるエピソードで、それぞれの思いが寄り添い合う、あたたかな一日だったのだなと感じました。

一生懸命考えてくださったことに感謝しかありません
リビエラ東京のスタッフさんは、常に新郎新婦の気持ちを優先してくれました。
特に嬉しかったことは、テーブルコーディネートのご提案です。アクリルパネルを置くのではなく、席を広げるようなコーディネートを提案してくださいました。
「スタッフみんなで何度も考えたんです」という言葉にグッときました。
なるべく普通の式を挙げたい、という気持ちを言葉にこそしませんでしたが、スタッフさんはきちんと汲み取ってくださいました。
新しい生活様式が訴えられてからの挙式事例がまだあまりなかった時期に、一生懸命考えてくださったことに感謝しかありません。

また挙式前日には、ゲスト全員にメールを送りました。
「当日は正直、みんなの安全を必ず守れないかもしれないから、嫌なことが起きたら迷わずNOを、感染の危機を感じたらすぐに申し付けてください」
そう伝えていたからか、実際にアクシデントが起きたときに、勇気を持ってスタッフさんに伝えてくれた友人がいました。
こんなご時世にも関わらず参加してくれた友人に対して、本当に申し訳ない気持ちになりましたが、前日の私のメールで勇気をもらえたと言ってくれて......その気遣いとやさしさ、勇気に本当に救われました。
今準備しているみなさんも、全部自分たちで完結しようと思うと心身ともにキツイと思うので、全て抱え込まず、スタッフさんや家族、友人も頼ってほしいです。

次の花嫁さんへ
これから式を挙げることを決めた方、つらい気持ちになることもたくさんあると思います。
そんな時は、結婚式関連メディアをはじめ様々な関係者様や、式を終えた花嫁様が発信されている情報を参考にしてみてください。
やりたいことをあきらめる前に、どうしたらできるかを考えてみると、思いがけない素敵なアイデアに出会えると思います♡ 陰ながら応援しております♩

