ウェディングドレスの役割について歴史とともに解説

ウェディングドレスの役割について歴史とともに解説

ウェディングドレスの起源とは?

こんにちでは“ウェディングドレスは結婚式で着る”ということが当たり前となっていますが、そもそもウェディングドレスはいつ頃から着られるようになったのでしょう? ウェディングドレスの起源は、ローマ帝国の時代にあると言われています。キリスト教が普及すると同時に結婚式は教会で行われるようになり、その際、王族や貴族の花嫁が着た衣装がウェディングドレスの始まりとされています。その当時は青や赤、緑などの色が主流で、素材は絹やベルベット地に刺繍を施したものが多かったそう。現代のウェディングドレスのイメージとはだいぶ違いますよね。というのも当時の婚礼衣装の役割は、花嫁の実家の地位や財産を示すものだったため、豪華に着飾ることが主流だったようです。

白いウェディングドレスが普及したのは

その後、黒をはじめとするダークカラーの生地を使ったウェディングドレスが好まれるようになります。その大きな理由としては、一般庶民でも着やすい色味であり、また、結婚式以外の祝祭日でも着ることができるためです。現在の主流となる、白いウェディングドレスが生まれたのは17世紀末と言われていますが、一般に普及したのは18世紀後半。ヴィクトリア女王の婚礼衣装が白だったことから定番化されたようです。アジア圏では本来、白は不吉な色とされていましたが西洋文化の流入とともに純白のウェディングドレスが好まれるようになりました。

日本でのウェディングドレスの普及

和装で生活していた日本にウェディングドレスが持ち込まれたのはいつ頃からでしょう? 歴史をさかのぼると日本では、1873年にオランダなどとの貿易が盛んな長崎で行われた結婚式で花嫁がウェディングドレスを着たことが初めてと言われています。もちろん、当時の日本にはウェディングドレスはなかったため、海外から取り寄せたものだったそうです。その頃の日本では、西洋式の結婚式はごく限られた一部の人たちしかできないものだったため、一般的に普及することはありませんでした。

日本でウェディングドレスが大流行するきっかけとなったのは、昭和34年(1959年)に一般家庭から皇室へ嫁いだことで注目を集めた正田美智子さん(現・上皇后陛下)と当時の皇太子さま(現・上皇陛下)のご結婚でした。“世紀のご成婚”とも言われ、昭和34年4月に生中継されたご成婚パレードに国民は大フィーバー。ローブ・デコルテにロンググローブ、ティアラといった婚礼衣装に多くの女性はあこがれました。

“世紀のご成婚”を経て、1960年代後半頃から、ウェディングドレスも一般に普及。現在も多くの有名人のドレスを手がける“ウェディング界の重鎮”桂由美先生をはじめとする、ウェディングドレスメーカーが多数登場したのもこの頃と言われています。昭和から平成、令和と元号は変わり、ウェディングドレスのデザインはさまざまなタイプが登場。一方で和装スタイルも現代風に変化してきています。かつては「文金高島田」「角隠し」に白無垢などのスタイルが主流でしたが、ある女優が和装に洋髪スタイルで自身の挙式を行ったことから、和装・洋髪スタイルが大流行。近年ではモダンスタイルの和装で挙式や前撮りを、披露宴・パーティではウェディングドレスを着るという花嫁さんも増えてきています。