ドバイの一夫多妻制は気軽に憧れちゃいけなかった

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画像提供元:http://dubai-biz.jp/

現在の日本では、結婚はひとりの夫に対して、ひとりの妻というのが原則。

しかし、かつての日本やいくつかの国では「一夫多妻制」を敷いていたところがあり、2016年になってもなお、そのままの文化が生きているところもあると聞きます。

男性・未婚の筆者からすると、ちょっとオトナでセクシーでグラマラスな女性も、童顔で家庭的でちょっと天然ボケ入ってるぐらいの女性も、バリキャリでスーツがビシっと似合うスレンダーな女性も、全員が奥さんになってくれるならそれって最高! と思うのですが、実際、一夫多妻制ってどれだけハッピーなものなのでしょうか?

たとえば一夫多妻制が現存する国・ドバイでは一般男性でも最大4名まで妻をめとることができますし、王様になれば最大10名まで結婚できるらしいです! すごい! 王になりたい!! たくさんの美人な奥さんに囲まれたい!

ということで、本当はドバイまで行って「実際に一夫多妻制をやってみた」という記事を書きたかったのですが、「それ、何年かかるんだ」というツッコミを受けてボツになってしまったので、

今回はドバイに住んでいた人に連絡して、ドバイの一夫多妻制の実態を聞いてみることにしました!

Fさんの話

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画像提供元:Fさん

ーーよろしくお願いします! ドバイについてお話聞かせてください!

「はい。これはあくまでも、UAE人(ドバイのローカルの方)と結婚した日本人の友人から聞いた話しなので、又聞きになるのですが、女性は20代前半じゃないと、第一夫人にはなれないらしいです」

ーーえ、厳しい。日本でも25歳前後で一度目の節目とされてそうなイメージがありますけど、ドバイの場合だと年齢過ぎるだけで第一夫人になれないのか......シビアすぎますね......。

「そもそも一夫多妻とはいえ、第一夫人が一番えらいみたいで、夫は第二夫人をめとるとき、第一夫人にお伺いをたてるらしいです。それで第一夫人が断れるかどうかまではわからないんですけど」
ーーえぇ......じゃあ「おれ、この人を第二夫人にしようと思うんだけど、どう思う?」「はぁ? あんたこんなのが好きなの? 品性疑うわ」ってやりとりをするってことですよね......? 地獄じゃないですかそれ......。絶対やだ......。

「あと、これは私的な意見ですが、レストランで複数の妻と子どもなど、大勢でご飯を食べている家族を見ると、やっぱりその中でも一番若い夫人が寵愛されているように見えます。おそらく年齢が一番若いから当たり前ですけど......」

ーー僕も、どうせなら若い子と結婚したいって思っちゃってました......ドバイの男性も考えること変わらないんだな......。

「あと、一夫多妻って、経済的にも時間的にも平等に愛することが前提で成り立っているんですよ。全員に同じ大きさの家を与えなきゃいけないし、第二夫人の家に寝泊まりしたら、第一夫人のもとへも平等に寝泊りしていかなければならないので、『第一夫人とのやり取りが面倒くさいから第二夫人はもう取らない......』なんていう男側の意見もあるそうです......」
ーーなんか全然楽しくない気がしてきた......一夫多妻制、しんどいんだな......。
イメージしていた一夫多妻制とは全く違う展開だったので、正直へこんできました......。もっとポジティブな話ってないもの......? 別の人にも聞いてみようと思います。

Kさんの話

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画像提供元:http://www.photo-ac.com/

ーー何かドバイの一夫多妻制の話、ご存じじゃないですか?

ドバイは人口の8割超が外国人なので、現地に住んでいても、いわゆるドバイ人と濃密に関わる機会というのはほとんどないんですよ。

でもあるアブダビ人の男性(30代半ば、勤務先や物腰からして結構いい家柄)に一夫多妻制について聞いたところ、新しい妻をめとるには以前からの妻の承諾を得ねばならず、女性も近代的な考え方をするようになってきているので、若い世代で複数の妻をめとっている人はほとんどいないとのことです

ーー そうなんですね......若い男がウハウハしてる国だと思ってたのに......どんどん現実味がなくなってきた......。

「ショッピングセンター等ではアラブ人家族の姿をよく目にしましたが、一夫多妻っぽい集団を見かけたことは一度もなかったですよ。

それに、現地人は男女別学を徹底していて、小学校以降は男子校と女子校が完全に分かれてます。病院などでも、男女でブースが分かれているところなどがよくあります。外国人向けの施設では関係ないんですけどね」


ーーそもそも男女をクッキリ別ける傾向があるんですね。一夫多妻制どころか青春時代を別学で過ごすことになるのか......つらい......。
「あと、これは一夫多妻とは関係ありませんが、あっちに居て思ったのは、育児環境が日本と違いすぎるということ。

階級社会というか身分差が歴然で、基本的に現地人は全員お金持ちなんです。そのため、現地人の生活を低賃金の出稼ぎ労働者が支えているような構造になっています。子守はフィリピン人などのナニー(乳母)に任せきり。

公園やショッピングセンターで、両親らしき金持ちアラブ人がのんびりくつろぐ横で、乳母派遣会社のユニフォームと思しき服を着たナニーが子守をしている姿をよく目にしました。

そんな状態なので、子供のしつけがなってないときもあって、スーパーで売っている飲食物を会計前に売り場で飲み食いする光景をよく見かけます。一応、カラの包装で精算はしている模様ですが......」

ーーなんか、壮絶だな、ドバイ......。

一夫多妻制どころか、ドバイという国のイメージさえも少し見え方が変わってきそう......。でもこれらはあくまでも個人意見! もっとポジティブな面もあるはず! 憧れの楽園がそこにあると信じて、めげずにほかの人にも聞いてみます。

Nさんの話

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画像提供元:Fさん

ーードバイの一夫多妻制について伺いたいのですが......。

「今では滅多に見なくなりましたね......。でもあれ、歴史がおもしろいんですよ」

ーーえ、一夫多妻制の歴史?

「一夫多妻制って、男性が優位で、勝手気ままに遊んでいるイメージがありません?」

ーーあります。というか僕がやってみたいと思ってました。

実は発想がちょっと違うんです。まだドバイでも戦争が尽きなかった時代、男性は戦いに行って、多くの人が亡くなりました。そのとき、多くの未亡人が続出したんです。

そこで、残された彼女たちを守るため、経済的に豊かである男性は、生活保障という目的から、一夫多妻制が認められた、という話だそうですよ」

ーーなんと......そんなドラマがあったんですね......。

「そう。多くの人が一夫多妻制を勘違いしているみたいですけど、そういった背景があるから、経済的にも、時間的にも、ゆとりがある人でないと一夫多妻制は許されない仕組みになっているんです」

ーーそうだったんですね......。正直「女をとっかえひっかえ~ハーレム~♡」っていう展開しか期待していなかったんですけど、歴史的背景を聞くと、うかつにそういうことやっちゃいけないんだなって思えました......。

ありがとうございました!

まとめ

以上、ドバイの一夫多妻制の実態をお伝えしました!

今ではかなり減ってきているという一夫多妻制ですが、その制度にはきちんと理由と歴史があったんですね......。ちょっと複雑な気持ちになりましたが、それでも、時間とお金と体力と国籍さえあれば、今でも妻を複数めとることが可能ってこと! それならばいつかはやってみたい! だから! とりあえず! お金がほしい! 石油王になりたい! と思った筆者でした。

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