時計ジャーナリスト 篠田哲生Selection 【Vol.1】 誠実と信頼が形となった「グランドセイコー」

時計は社会生活に欠かせない道具だが、“人生という時間”を可視化する役割もある。つまり時計とは、ふたりで過ごした思い出を刻んでいくものでもあるのだ。だから結婚という人生の大きな節目に、素敵な時計を手に入れたい。
それはふたりで歩むこれからの時間を、大切にしていきたいという意思表明になるだろう。



日本を代表するブランド「グランドセイコー」


信頼できる関係を築くためには、誠実な気持ちを忘れたくない。嘘をつかず、真摯に物事に立ち向かい、よき関係をつくるのだ。しかし残念ながらそれだけでは不十分だ。何か問題が生じた時も誠実に対応できなければ、築き上げた関係は壊れてしまうだろう。

 そう、時計の話である。

グランドセイコー」は、まさに“誠実さ”を形にした日本を代表する高級腕時計ブランドだ。1960年のブランド発足時からスイス時計をライバルとして独自性を磨き、メカニズムやデザインの研究開発を行った。

その結果現在では、世界最大の高級時計の見本市「ウォッチズ アンド ワンダーズ ジュネーブ」に非欧米ブランドとして唯一参加し、時計界最大の栄誉である「ジュネーブ時計グランプリ」でも主要賞を獲得。さらにドイツの「レッド・ドット デザインアワード」を獲得するなど、品質とデザインの両面でも高く評価されるようになっている。



世界でも数少ないマニュファクチュール×匠の技


グランドセイコー

グランドセイコーの強みはいくつもあるが、まずはムーブメントの開発から設計、製造、組立、調整、検査、出荷までを一貫製造できるということだろう。スイスではこういった体制を「マニュファクチュール」と呼んで格上の扱いをするのだが、グランドセイコーもそのレベルにある。

しかも伝統的な機械式ムーブメント、電池で動かすクオーツ式ムーブメント、機械式とクオーツ式をハイブリッドした独自機構のスプリングドライブ式ムーブメントという3種の駆動機構を持っているのも他社にはない特徴だ。

さらに時計がどれだけ正確に動くのかを意味する「精度」に対しては、スイスの精度基準よりも厳しい「グランドセイコー規格」を設定している。そしてダイヤルは、型打ち技法によって精緻な模様を作り出し、日本の美しい風景や風土を表現するのも、グランドセイコーが得意としていることだ。



可能な限りパーツ交換はしない― 誠実なアフターサービス


グランドセイコー

生産体制、精度、美的表現の全てで誠実に向き合いながら、理想とする腕時計つくりを目指すグランドセイコーだが、その誠実さは購入後も享受できる。高級時計とは、定期的にメンテナンスをおこなうことで、長く使っていくもの。それこそ子や孫の代まで受け継いでいけるが、そのためには誠実なメンテナンス体制や技術が必須だが、グランドセイコーはここもレベルが高い。

グランドセイコーのメンテナンスを担当するのは、東京にある「セイコータイムラボ」という会社で、持ち込まれたオーナーの思い出が詰まった時計は、どの時代のモデルでも可能な限り修理できる体制を整えている。もちろん万が一のために、これまでに製造してきた多くの自社製のムーブメントパーツを大量にストックしているので、古い時計でも安心だ。クオーツ式ムーブメントの場合も安易に部品交換はせず、心臓部である水晶振動子の経年による温度特性の変化を再度検証し、補正データをIC回路に上書きすることで精度を保つようにする。これも誠実さのあらわれだ。

またケースの小さな傷たちは、オーナーの指定によって、きれいに磨くことも思い出として残すこともできる。極端に大きな傷は、ケースと同素材の金属を溶接して埋め戻し、再度ケースを磨き戻すという「レーザーレストア」という技術で修復もできるので、外装部分もオーナーの理想に直すことができるのだ。

いつまでも時計とよい関係を続けるためには、誠実なものつくりから生まれる製品を選ぶだけでなく、誠実なメンテナンス体制にも注目したい。グランドセイコーこそが、その正解なのだ。



篠田哲生セレクトウォッチ


グランドセイコー エレガンスコレクション
キャリバー9S 25周年記念限定モデルSBGM253

グランドセイコー エレガンスコレクション キャリバー9S 25周年記念限定モデルSBGM253

キャリバー9Sとは、グランドセイコー専用の機械式ムーブメントのこと。誕生25周年を記念するモデルで、製造拠点である岩手県雫石から見える雄大な岩手山の山頂から見上げた青い空をダイヤルで表現。ブルーの短針はGMT表示となっており、美しさの中にも機能性もしっかり取り入れた。自動巻、SSケース、ケース径39.5㎜。世界限定1700本(うち国内700本)。¥759,000

▼詳細はこちら
https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/sbgm253




グランドセイコー ヘリテージコレクション
SBGA211

グランドセイコー ヘリテージコレクションSBGA211

スプリングドライブ式ムーブメントを搭載した人気モデルで、生産拠点の長野県諏訪エリアで見られる、風に吹かれた雪面をイメージした「雪白ダイヤル」が特徴。海外でも人気が高いモデルで、スーッと流れる秒針の動きも鑑賞ポイント。8時位置には、動力ゼンマイの残量を示すパワーリザーブ表示を備える。自動巻式スプリングドライブ、ブライトチタンケース、ケース径41㎜。¥814,000

詳細はこちら




グランドセイコー エレガンスコレクション
STGF383

グランドセイコー エレガンスコレクションSTGF383

華やかなピンク色のダイヤルは、光の当たり方によって美しく濃淡を変える白蝶貝を使用したもので、その色調はクオーツ式モデルの生産拠点である長野県で多く生産される花「芍薬」をイメージしたもの。26㎜径という可憐なサイズだが、ベゼルやインデックスにダイヤモンドをあしらうことで、腕元に華やぎを加える。クオーツ、SSケース、ケース径26㎜。¥748,000

▼詳細はこちら
https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/stgf383






writer-篠田 哲生

篠田 哲生氏
1975年千葉県生まれ。2002年に独立し、時計記事の取材や執筆を始める。
時計学校を修了し、スイスやドイツへの取材経験も豊富。
近著の「教養としての腕時計選び」(光文社新書)は、韓国と台湾でも翻訳版が出版された。

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