BOUCHERON
ブシュロン、革新的なカプセルコレクション「Quatre 5D Memory」を発表
2024年9月、ブシュロンは新作カプセルコレクション「Quatre 5D Memory（キャトル 5D メモリー）」を発表した。
メゾンを代表するアイコニックなジュエリーに斬新な素材や最先端技術を融合させた革新的なカプセルコレクションを2020年から継続的に展開しているブシュロン。2020年の「Quatre Jean（キャトル ジーン）」、2021年の「Quatre Holographique（キャトル ホログラフィック）」、2022年の「Jack de Boucheron Ultime（ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム）」、2023年の「Quatre Aluminium（キャトル アルミニウム）」に続き、今年は、誕生から20周年を迎えた「キャトル」コレクションを昇華させた「Quatre 5D Memory（キャトル 5D メモリー）」を発表。
記憶ほど貴重なものはありません。そして、記憶ほど儚いものも存在しません。もしも、一瞬の輝きを捉え、永遠に保存することができたなら、というアイデアから制作が始まった本コレクション。今年、ブシュロンはクリエイティブで芸術的な夢を実現するための壮大な挑戦を成し遂げた。
数十億年もの水の記憶を、メゾンを代表するアイコンであるジュエリーに閉じ込めるという革新的なアプローチで誕生した、新作カプセルコレクション「Quatre 5D Memory（キャトル 5D メモリー）」は、まさにブシュロンのハイジュエリーの新たな可能性を探求し続けるというメゾンフィロソフィーを体現しているともいえる。
水の記憶を永遠に
2024年6月末にパリで発表された、ハイジュエリー コレクション「オル ブルー」にて、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌは生命の源である水の美しさをハイジュエリーで表現した。
本カプセルコレクションでは、「オル ブルー」の世界観をさらに進化させ、最新のテクノロジーを駆使して革新的な作品を生み出した。クレールが次世代へ継承しようとしたこととは、自然界の水の音を永遠のものとしてジュエリーに刻み、記憶すること。そして、今年20周年を迎えたメゾンのアイコンコレクション「キャトル」のリングにこの水の記憶が刻まれることとなった。彼女が幼少期を過ごした大西洋沿岸の波の音を思わせる美しい音色がこの特別なジュエリーに込められているのだ。
メゾンは、このユニークなクリエイションを開発するために、IRCAM（フランス国立音響音楽研究所）と協働。IRCAM は、ポンピドゥー・センターの関連機関として設立された、音響とコンピュータ音楽の分野に特化した世界最大級の研究機関の一つだ。このIRCAMの協力を得ることにより、未来志向のジュエリー制作のアイデアと革新的な科学技術が見事に融合し、他に類を見ない唯一無二の作品の開発に至ったという。
革新的な技術を導入したクリエイション
ジュエリーに音のデータを刻み、水の記憶を閉じ込めるため、「5Dメモリー」技術が採用された。これは、サウサンプトン大学の教授であり、SPhotonixの最高科学責任者であるピーター・カザンスキー氏によって開発された光データストレージ技術であり、ナノスケールでの情報記録を可能にするものだ。
このような最先端技術をハイジュエリーメゾンが採用することは初めてのことであり、刻まれたデータ情報は数十億年にわたって残すことが可能であるという。テキスト、画像、動画、音声といった情報を、フェムト秒レーザー（フェムト秒とは、10のマイナス15乗を意味します）でバイナリーコードとしてガラスに記録するという高度な技術を用い、メゾンは水の記憶をリングに刻み、それを永遠のものとしてジュエリーに封じ込めている。また、偏光顕微鏡を用いて、刻まれたデータにおける光の偏光変化を読み取ることで、ジュエリーからこの水の音を再現することも可能。
タイムカプセルのようなタイムレスなジュエリー
今回の特別な作品を制作するためのジュエリーに選ばれたのは「キャトル」のリング。そのボリューム感とデザインを活かし、「5D エングレービング」の技術によって、100MBのデータを記録する特別なタイムカプセルとなった。このデータは半永久的に保存することが可能で、この技術を採用した「Quatre 5D Memory」は、正にジュエリーのタイムカプセルといえるだろう。ブシュロンはこの特別なクリエイション制作のために、革新的な素材であるGlassomer®（シリカガラス）を採用、強靭かつ透明度の高いこの素材により、ジュエリー作品としても審美性を追求し、長い年月を経てもその美しさと刻まれた情報を保ち続けることが可能となった。この素材を用いた特別な「キャトル」リングにはメゾンを象徴する４つのコードが彫刻され、アクセントとしてダイヤモンドがセッティングされている。IRCAMによって開発された技術を用いて刻まれたオーディオデータは、クル ド パリのデザインの中の一部に収められた。
オーディオ要素を取り込んだ ユニークなジュエリー作品の発表
「Quatre 5D Memory」は、単なるジュエリーとしての価値をはるかに超える存在意義を持ち、オーディオデータを取り込んだ、未来へと受け継がれる特別な作品として、ブシュロンの先駆的なアイデンティティを体現し、それを象徴する役割を果すだろう。
「Quatre 5D Memory（キャトル 5D メモリー）」非売品 ⒸBOUCHERON