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【PREMIUM CREATORS/鈴木ゆう子】どんな“好き”も必ず形にする。ウエディングドレス・スタイリスト、というお仕事

ドレススタイリストという職業をご存知だろうか? 鈴木ゆう子さんは、日本ではまだ珍しいフリーでウエディングドレスのスタイリストを手がける先駆者。ドレス探しは、自分探しの旅と言い切る、その真意とは?ウエディングシーンだけに止まらない、その先の人生も応援する仕事に迫ってみた。

世界中から、自分の“好き”を探し出す
そのお手伝いが私の役目



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PREMIUM編集部(以下、編集部):鈴木さんのインスタには、いわゆる王道のウエディングフォトとは一線を画す、個性豊かなドレスや衣装、とびきりの笑顔があふれています。まずは、ドレススタイリストとして、どんなことをなさっているのか、教えてください。

鈴木ゆう子さん(以下、鈴木さん):基本的には結婚式、前撮りでのおふたりの衣装をプロデュースする、というのがメインです。ドレス、タキシードだけでなく、小物はもちろん、シューズや靴下といった身につけるもの、手に触れるものすべてをスタイリングします。
細部に至る部分まで、おふたりの世界観を形にしていく作業なので結果としてメイク、撮影場所も含めてトータルプロデュースをしています。

編集部 :例えばドレス選びをどんな感じで進められるのでしょうか?

鈴木さん:マニュアルにはあえて当てはめないようにしています。それよりもその方のキャラクター、人柄をどうやってドレスに落とし込むか、ということに注力しています。そのために、ご本人とはドレス以外の話をたくさんします。そうすると、その方が大事にしているものがわかるから。ライフスタイルと考えは似てくるものなので、ドレスや式とは全然関係のない話をして、その人自身をまるごと知ってから、その方にベストなドレスを提案するようにしています。




自分らしいドレスを探すことは
その後の人生も変える、自分探しの旅




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編集部 :鈴木さんのところにいらっしゃる方達はどんな方が多い印象ですか?

鈴木さん:一生に一度の大切なウエディングドレスは自信を持って着たいと思っている方が多いです。
でも自分で本当に似合うものを選ぶ自信がなかったり、自分で選ぶと体型などが気になって、ときめきよりコンプレックスをカバーできるデザインを優先しそうだからという理由でお問い合わせくださったり。
また、普段からファッションがお好きで、ドレスはもちろん、アクセサリーやシューズ、お相手の衣装までとことんこだわり抜きたい方も多いです。

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編集部:「一生に一度の大切なウエディングドレスは自信を持って着たい」という言葉がとても印象的です。自信を持てるドレス案までの具体的なプロセスを教えてください。

鈴木さん:はい。初回のミーティングでは「どんなドレスが着たい?」という話の前に、おふたりの馴れ初めや、お仕事のことなど、いわゆる雑談をします。その理由としては、初めて着るドレスで「これが着たい!」とすぐに言える方のほうが少ないので。おふたりの馴れ初めや、お仕事のことなど、まずはリラックスしていろんなお話をしていただき、その会話の中から“ふたりらしさ”を感じとります。

その後は「好き」の擦り合わせ。まずは最初に似合う、似合わないという目線は一旦なくして、写真をみて「かわいい!」とおもったドレスの写真を送ってもらっています。無意識にこれは自分に似合わない・・と排除してしまっていることも多いと思うので、とにかく「かわいい!」と思ったものはどんどん送ってもらいます。
また、好きなものだけでなく、“これは違う”も用意していただき、さらに、“好き”の本質を見極めます。

その写真をすり合わせた後、今度はウエディング関連のお店はもちろん、いろんなショップに行き、好きなものをどんどん見極めて行きます。

この時間はただ、好きなものを選んでいるだけでなく、ある意味『自分探しの旅』でもある、と私は思っていて。こんなに自分の“好き”にフォーカスを当てる時間って人生の中でも、なかなかないもの。だから私はこの旅がウエディングのためだけでなく、新しい自分の発見であったり、今後の人生も変わるような経験であって欲しいと思っています。





ウエディングのコーディネートは
ふたりでひとつ



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編集部:好きを見つける過程は、自分探しの旅とは素敵なフレーズですね。鈴木さん的なこだわりって何かあったりしますか? 


鈴木さん:私はウエディングは、ふたりでひとつのコーディネートを完成させることだと思っているので、基本は式をあげられるおふたりと一緒にカウンセリングをします。
ウエディングの事となると、「僕はなんでもいいよ」「彼女に合わせます」と言われる方って結構多いのですが、でもそれって“結婚式は女性のもの”という考えに縛られ、式を他人事に捉えてしまっているように思うんです。
なので、私は最初のカウンセリングからお相手の衣装についても積極的にフォーカスしています。
メンズ衣装もドレスと同じように選べること、「こんなスタイルはとても似合いそうですよ」とお写真を見せると、興味を示してくださったり好みや普段のお洋服のことを話してくださることも多いんです。

結局やっぱりそういったところがふたりの幸せ感とか、撮影の仕上がりや今後のふたりの人生にも繋がっているので、絶対手を抜けない。“なんでもいい”って人ほど、燃えてます(笑)。

編集部:なんでもいい人ほど、燃える鈴木さんが目に見えるようです。
当日にどんな事をなさるのか、具体的に教えてください。


鈴木さん:まずは、配送などで届いたドレスのメンテナンスからはじめます。シワひとつないベストな状態でお召しいただきたいので、アイロンをかけ、フィッティングもさせていただきます。
一緒に決めたドレスやタキシードを着ていただく瞬間は、とても感慨深いものです。
通常は、はじめて衣装をみたアテンドさんやヘアメイクさんが指示書を見ながら、着付けることが多いですが、一緒に付き添ったスタイリストが着せてくれるのは、おふたりにとっても安心、その一言だと思います。

万が一、ドレスが緩くなっていたりしてもその場で対応ができること、これも大きなわたしの役目だと思っています。


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編集部:確かに、ドレスを当日アイロンかけるだけでも、大変な重労働だし、そのあたりを綺麗に整えてくれる存在はありがたいし、安心して撮影に臨めますね。

鈴木さん:そうですね。私はもともとドレスショップに勤めていたのでドレスの扱いには自信があります(笑)。
私は、もともとはウエディングドレスのショップでコーディネーターをしていました。そのころは、コーディネート、サイズチェックまでが仕事で、当日のハレの姿は見れず、また式が終わったあと「当日ドレスが下がってしまって・・」などのお言葉をいただくこともあり、不甲斐ない思いをしたこともあります。

だからフリーになったら、1番大切な結婚式当日まで付き添いたいと決めていました。何かトラブルがあっても対応できるし、何よりふたりのハレの姿を一緒に祝福できる。ドレススタイリストとしての理想が叶ったと思っています。





先駆者としての自負と誇りを
次の人にも繋げたい



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編集部:最後に、今後の夢を聞かせてください。


鈴木さん:フリーのドレススタイリストという働き方はまだ日本では前例がありませんでしたが、求めてくださるお客様がいることが、実際に職業として成立することが証明できたのではないかと思っています。
今後は、この働き方が続くようフリーのドレススタイリストを日本にもっと増やすことがひとつの目標です。
お客様目線になったときにも、「この方のテイストが好き、人柄が好き!」と美容師さんみたいに人で選べたら、もっとドレス選びが楽しくなるだろうし、安心して好きなものをきることができる世界がやってくると思っています。

プロフィール

鈴木ゆう子

鈴木ゆう子さん


2019年にフリーランスのドレススタイリストとして独立し、これまでに約1000組の新郎新婦をスタイリング。新しい美の可能性を引き出しながら、おふたりに寄り添い、ドレス選びから当日の細かなケアまでトータルでサポート。センスフルな花嫁たちからの支持が熱いクリエイターの1人。2024年企業のドレススタイリスト5年以上のスタイリストが集まるフリーランスチーム「veve stylist team」を設立。代表を務める。

https://www.instagram.com/dress.stylist.yuko/

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