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My Story, My Jewelry Vol.5 石橋静河「走り続ける日々の中、物語を秘めたジュエリーを少しずつ集めて」

マイナビ プレミアムジュエリーのスペシャル連載「My Story, My Jewelry」。
自分の感性を信じ、自分だけの物語を彩るジュエリーを選ぶ。肩に力の入った“ラグジュアリー”ではなく、上質な経験を重ねながらも、しなやかさと強さの中にあるリュクスな佇まいを忘れない。そんな美しさを持つ方に、「私の物語、私のジュエリー」について語っていただくインタビューです。

第5回は、石橋静河さんのご登場です。
表現者としてのスタートは、4歳で始めたクラシックバレエ。10代で海外にバレエ留学を果たし、コンテンポラリーダンサーとしての活動を経て、20代に入ってからは演劇活動も開始。その強い眼差しと繊細な演技力で、映画やドラマ、舞台と、数多くの話題作に出演して存在感を放っています。
今回のインタビューでは、最新作『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』への想いから、お仕事への取り組み方、さらに大切にしているジュエリーまで、28歳の素顔をお聞きしました。

まだ誰も見たことのないエンタテインメントへ

――最新作『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』の原案・構成・演出・振付は、世界的に著名な振付家のシディ・ラルビ・シェルカウイさん。ストーリーもオリジナルということで、『エヴァンゲリオン』の新たな形のエンタテインメントとして、注目を集めていますね。

今は台本の前段階のお稽古中なのですが、俳優とダンサーとで、身体を使う動きを作っているところです。普通の台本と違って「こういうト書きだから、この動き」とは決まっていなくて、俳優もダンサーも関係なく、皆でまず動いてみながら、トライアンドエラーを経て少しずつ作っている段階ですね。
舞台は映像と違って、その場で展開するものなので、映像と同じような迫力を求めるのは不可能な部分があったりしますよね。でも「ここにあるモノと、ここにいるヒトたちで、何ができるか」っていうのを探していくと、別の方向から面白い表現が生まれてきたりする。それが舞台の魅力だと思うので、今は作っていく過程を楽しんでいます。

――本作は『エヴァンゲリオン』の世界観ではあるけれど、まったく別の作品という位置づけとお聞きしました。

そうなると、「じゃあ、いったいどういう舞台なの?」って思いますよね(笑)。少し不安に思われるかもしれませんが、ぜひ“初めて見る作品”として、ストレートに見て、感じていただけたら。
たとえばなんですが、今ってご飯を食べに行くのも映画を観に行くのも、事前に調べて、なんとなく“こういうもの”というのが分かっていることがほとんどですよね。私はそれって、すごく便利だなと思う反面、ちゃんとした確証が取れない限りなかなかそこに足を踏み込めないのは、残念な気もしていて。実際に自分で足を運んでから、ご飯屋さんだったら「これが美味しい/これは好きじゃなかった」と自分で体験して感じることって、大切なことなんじゃないかと思っているんです。ご飯屋さんや映画だけでなく、本や旅や服や……他にも、体験しないと分からないことって、たくさんありますよね。
だからこの舞台も、実際に劇場で観ていただいたら、「なるほど、こうなるんだ」と感じていただけるのではないかと。『エヴァンゲリオン』というコンテンツは世界中で愛されていますし、とても大きいものなので、これは原作と違うとか、ここは原作の方がよかったと言い始めると、もう無限に出てきてしまうと思うのですが……。ラルビさんの作る舞台は、観る方にとっても演者のこちらにとっても、すごくいい時間、空間になると信じているので、それを楽しみに劇場に来ていただけたら嬉しいです。

仕事とは別の“余分なもの”を楽しんで

――この作品もですが、改めてプロフィールを拝見すると、映画やドラマ、舞台のどれも話題作ばかり。合わせて毎年6~7本に出演していらっしゃいますよね。走り続けるエネルギーの源になっているものは何でしょうか。

やっぱり何か面白いと思えることをしたいっていうのが、何より大きいのかもしれません。知らないことを知りたいし、新しい人に出会いたい。芝居だけでなく、何かを表現するときは、「これはどんな世界だろう」とか、「やってみたらどんな感じなんだろう」っていうのを、身をもって知りたいんだと思います。だから今は、なんでもチャレンジする時期かなと思っていて……。その結果、いろいろと重なって、めちゃくちゃ大変になったりするんですが(笑)。

――本当に、いつ休暇を取っていらっしゃるのかな、とは思います(笑)。

でもちょうど昨年くらいに、このお仕事を始めて7年ぐらい経って、ここで少し“何も考えない時間”を入れてみようかなと考えるようになりました。もちろんお休みはそれまでにもあったのですが、常に次の作品のことを考える状態で走り続けて、そうではない時間も必要だなと思うようになって。
実は最近、本当に個人的な趣味として、琉球舞踊を習い始めたんですよ。沖縄に行って、あの美しい自然の中で踊るのが、すごく気持ち良くて。先生がとても一生懸命に教えてくださるので、私もそれに応えて一生懸命に踊る、その時間が今は一番幸せです。そういうなんでもない時間やボーッとする時間によって、自分自身が満たされた気持ちになったり、新しい発見があったりする。そこは忘れないでおきたいなっていうのを、最近はすごく感じています。

大切なジュエリーと過ごす自分の時間

――今日持ってきてくださった、愛用ジュエリーのエピソードも教えてください。

これは姉が、一昨年の私の誕生日にプレゼントしてくれた「ARTIDA OUD(アルティーダ ウード)」のリングです。細いアームの、さりげなく毎日着けられるリングが欲しいなと思っていたら、まさにドンピシャのデザインで、すごく嬉しくて(笑)。ムーンストーンの石も、光によって全然違って見えるんですよ。青っぽく見えるときもあれば、ピンクっぽく見えるときもあって、そこもお気に入り。それから毎日着けるようになりました。他にデイリーで着けているものといえば、ギリシャ神話の絵が描いてあるカメオのリング。この2つが定番で、あとは日替わりでシンプルなピアスも合わせるのが普段の“スタメン”になっていますね。

――ムーンストーンにしてもカメオにしても、その背景に物語が広がっているような、何か特別な意味合いを持っているような佇まいが素敵ですね。ジュエリーを選ぶときは、そういうところを重視して選んでいますか?

そうですね、最近は特に、そのジュエリーを着けることで外に出る気持ちになる、どこかお守り的な気持ちで着けているところがあります。たとえば随分前に買った、どこのブランドかも忘れてしまったシルバーのリングなんですが、人差し指に試着した時、あつらえたようにサイズがピッタリだったんです。それからずっと愛用しているんですが、実は何度か失くしたことがあって。でも不思議なことに、必ずどこかから出てきて、手元に戻ってくるんですよ。これはもう、ずっと持っているべきものなんだなと思って、大切に使っています。

――10代でバレエ留学をされて、ご自身だけでなく周りにも表現者が多い環境で海外に住んだ経験は、ジュエリーやモノ選びなどにも影響がありましたでしょうか。

まだまだ、今はジュエリーもいろいろ試してみたいという気持ちが大きいですし、直感でパッと衝動買いをしてしまったりも(笑)。ただ国内外問わず、その土地のエッセンスを感じられるものが好きなので、土地土地に根付いた伝統工芸品や、ちょっとしたアクセサリーを探して買うのを楽しんでいます。
東京で仕事をして忙しく暮らしていると、いろんな情報がドッと入ってきて、どれにしようか選ぶ前に、波に飲まれてよく分からなくなってしまうことってないですか?(笑)。でも訪れた旅先で買ったモノだったり、ちょっとした工芸品の指輪だったら、ひとつ身に着けるたびに、その土地の景色や匂い、空気を思い出すことができますよね。記憶が戻っていくような気持ち良さもあるし、だから最近はジュエリーも、そういう思い出を持っているものを着けることが多い気がします。

――少し前から通常の海外旅行も再開されていますから、また新たなジュエリーとの出合いが楽しみですね。いま気になっている国などはありますか。

もちろん行きたい国はたくさんあるんですが、今は琉球舞踊に夢中なので、お休みができたらすぐに沖縄へ行ってしまいます(笑)。沖縄は琉球王国など本当にいろいろな歴史と文化がある場所ですし、自然も美しいので、今の自分にとっては何よりリラックスできる場所です。もちろん工芸品で作られたアクセサリーやジュエリーも気になるものがありますし、次に行ったらチェックしないと(笑)。沖縄への私の熱は、まだまだ続きそうです。

【公演情報】

THEATER MILANO-Zaこけら落とし公演
COCOON PRODUCTION 2023 『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』
石橋さんが出演する舞台『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』は、2023年5月6日(土)~28日(日) 東京・THEATER MILANO-Za (東急歌舞伎町タワー6階)、6月3日(土)~4日(日)長野・まつもと市民芸術館、6月10日(土)~19日(月)大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

原案・構成・演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ、舞台版構成台本:ノゾエ征爾、上演脚本:渡部亮平
出演:窪田正孝、石橋静河、板垣瑞生、永田崇人、坂ノ上茜、村田寛奈、宮下今日子、田中哲司ほか

公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/evangelion2023.html
写真/荒川潤
ヘア&メイク/村上綾
スタイリスト/吉田恵
取材・文/藤野さくら

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