自分だけの輝きを身に纏う特別感、
手もとに目をやるたび湧き上がる幸福感――
それは、ダイヤモンドをジュエリーとして
身に着けてはじめて、得られるものだ。
エクセルコ ダイヤモンドの輝きをジュエリー
という形にするデザインの現場。
そこで長年デザインを手掛けるデザイナーに、
想いやこだわりを伺うことができた。
見えてきたのは、
デザインという技法で光を操り、
リングという小さな場所に表現する、
巧みな技術と感性。
そして、ジャン・ポール氏が
生み出した“奇跡の輝き”を主役に、
その輝きを
一層引き立てることへの並々ならぬこだわりだ。
エクセルコ ダイヤモンドが貫く
「おふたりを繋ぐ絆であるダイヤモンドのための
デザイン」。
その哲学と想いを知れば、
あなたもリング選びにおけるデザインの見方が
大きく変わるだろう。
INDEX
いかに「主役のダイヤモンドを輝かせるか」が命題
――はじめに、エクセルコ ダイヤモンドのデザインのコンセプトを教えてください。
エクセルコ ダイヤモンドのデザインは、まず「ダイヤモンドが主役」というところが第一条件にあります。ダイヤモンドの輝きをいかに引き立てるか、ということを常に考えながらデザインをしています。そのためにデザインの技法や素材の質も徹底的に追求をし、「ダイヤモンドを身に着けてもらうことでふたりを永遠に輝かせたい」という想いを表現しています。
――ダイヤモンドが主役のデザインとは、どういうデザインのことでしょうか?
一言で表すと、ダイヤモンドが最も美しく輝くデザインです。
ダイヤモンドを輝かせるためには「光をいかに多く取り込めるか」が重要で、できるだけダイヤモンドの周りを遮るものがない状態にすることがベストです。ただリングにしようとすると、どうしてもダイヤモンドを支える石座や爪が必要になりますよね。そこをどのようにデザインすれば、ダイヤモンドを最も輝かせることができるのか。それを考えるのが私たちエクセルコ ダイヤモンドのジュエリーデザイナーの仕事です。
――デザインの主役となるダイヤモンドについて、デザイナーの目から見てジャン・ポール氏がカット・研磨を監修したダイヤモンドをどう感じていますか。
これまでいくつものダイヤモンドを見てきて、やはりダイヤモンドの輝きを決めるのはカット・研磨の正確さだと思います。4Cのグレードが高くても、なぜか輝きを感じないダイヤモンドも世の中にはあります。たとえ鑑定書の基準が一緒でも、ジャン・ポール氏が監修したダイヤモンドは輝きが違うんです。手もとに届くダイヤモンドを見るたびに、ダイヤモンドの輝きへの情熱を感じますし、素晴らしいカットを生んだマーセル氏、そしてそれを脈々と受け継いでいるジャン・ポール氏に、尊敬の念を抱かずにはいられません。美しい輝きを前に「このダイヤモンドを一層輝かせるデザインをつくりたい」という、強い思いに駆られます。
――ダイヤモンドを輝かせるために、どういったデザインの工夫をされているのでしょうか?
できるだけ多くの光を取り込めるよう、リングを横から見た時に開口部が広くなるようにデザインしています。そうすることで、上からだけではなく横からも光を取り込むことができ、どの角度から見てもダイヤモンドを美しく輝かせることができます。
セッティングにも工夫をしています。エクセルコ ダイヤモンドのデザインで多く取り入れているのが、ダイヤモンドを浮いているように留めるセッティング方法。これによりダイヤモンドの下に空間をつくることができます。
『オプティーク』は、ダイヤモンドをほぼガードル(外周)部分だけで留めることで、石座の内側に大きな空間を確保している。高い技術により実現した高度なセッティング。
また、ダイヤモンドを留める爪にも工夫をしています。『エクセルシア』というリングのシリーズでは、ダイヤモンドを留める爪が平らなひし形になっているのですが、これはダイヤモンドのファセットの形に合わせています。動いた時にダイヤモンドと爪が同じ面で輝くことで、輝きがさらに大きく広がるように設計されているんです。
――爪の形状にまで輝きへの工夫がなされているのですね。セッティングでいうと、オリジナルの「リフレクティブセッティング」という特別なセッティングがあると伺いましたが、詳しく教えてください。
リフレクティブセッティングは、センターダイヤモンドの真下に小さいダイヤモンドをセットしたものです。小さなダイヤモンドに反射した光が、センターダイヤモンドの研ぎ澄まされたキューレット(ダイヤモンド底部の尖った先端)を照らすことで、センターダイヤモンドをより輝かせるという仕組みになっています。
――画期的なセッティングですね。どのような経緯で生まれたのですか?
リフレクティブセッティングを最初に採用したのは『エクセルシア』で、4代目マーセル氏が発明したアイディアルラウンドブリリアントカットの誕生90周年の記念に発売したリングです。このリングをデザインする時に、アイディアルラウンドブリリアントカットについて研究をし直したのですが、改めてマーセル氏が生み出したカットのすごさに感動しました。そこで、もっとこの素晴らしい輝きをデザインで引き立てる方法はないかと思い、ダイヤモンドを上や横からだけでなく、下からも照らすことはできないかと考えました。そうして出来上がったのが、リフレクティブセッティングです。
――「輝き」に対する、デザイナー皆様の熱い想いから生まれたセッティングというわけですね。
そうですね。ダイヤモンドの「輝き」にこだわる歴史あるブランドとして、輝きをより一層引き立てるデザインを追求し続けたことで生まれたデザインです。そして、高い技術力を持つエクセルコ ダイヤモンドだからこそ、実現することができました。
エクセルコ ダイヤモンドの世界観をつくり上げるサイドビュー
――リングを横から見た時に、光を取り込めるよう開口部が広くなるデザインにしているというお話がありました。エクセルコ ダイヤモンドのリングは、その「横から見た時のデザイン(サイドビュー)」に特徴があると思いますが、どういったこだわりを持ってデザインをしていますか?
サイドビューにこだわる理由はやはり、ダイヤモンドを美しく見せるためです。アイディアルラウンドブリリアントカットの美しい輝きを邪魔することがないよう、リングを上から見た時には、純粋にダイヤモンドの輝きを堪能できるようシンプルなデザインにしています。サイドはより技巧を凝らし、ダイヤモンドの美しいシルエットと一体になるような繊細なデザインを心がけています。
あくまでダイヤモンドの輝きを主役に、サイドビューで個性やデザイン性をつくりあげています。
『ルヴォワール』は、上面から見るとシンプルな6本爪の王道のソリティアリングだが、サイドから見ると繊細なベールのモチーフが表現されている。
一見シンプルなサイドストーンのリングだが、横から見ると石座に王冠のモチーフが浮かび上がる『エリザベートフィーヌ』。アームのサイドにミル打ちを施し、細部までこだわったデザイン。
――サイドビューではモチーフが表現されているリングも多いですが、デザインのインスピレーションはどこから来るのでしょうか?
エクセルコ ダイヤモンドのルーツであるベルギー、あるいはヨーロッパの文化を感じられるようなモチーフを取り入れています。ヨーロッパといっても現代ではなく、歴史を感じられる中世ヨーロッパをイメージしていて、お城などの建築物、自然などをモチーフにすることが多いですね。私はもともと宮廷文化が好きで、中世の音楽を聴いたり本を読んだりするのですが、まだまだコンセプトになるものはたくさんあって。アイデアは尽きないです。
サイドに彫り込まれた美しいレリーフが特徴の『オーブ』。レリーフは、中世のヨーロッパの絵画に描かれる女性のように躍動感のある柔らかなラインを表現している。
――サイドビューでモチーフを表現するというのは、非常に繊細で難しいですよね。
そうですね。平均的なダイヤモンドは、だいたい5ミリ以下です。その小さな部分に何かを表現するとなると、本当に繊細な線を描くことになります。アウトラインの美しさにもこだわっていて、横からみた全体のシルエットでモチーフを表現することもあります。いずれにしても、熟練の職人の技術がないとできないのが、エクセルコ ダイヤモンドのデザインだと思います。
光の反射をデザインし、
毎日楽しめる輝きをつくる
――結婚指輪については、どのようなデザインの工夫やこだわりがありますか?
結婚指輪の一番のポイントは、毎日着けるものであるというところです。着けている人にずっと美しいなと思ってもらえるデザインを目指して、線の繋がり方やダイヤモンドの入り方など細部にまでこだわっています。
――大きなセンターダイヤモンドがない結婚指輪のデザインにおいて、エクセルコ ダイヤモンドが追求する「輝き」についてはどのように意識しているのでしょうか。
プラチナの反射の美しさというのはすごく重要になってくると思います。常に身に着ける結婚指輪だからこそ、着けている人の動きに合わせて、光が柔らかくゆっくり動く。あるいはアームの形状がふくらんだりへこんだりするところで、光の表情が変わる。その美しさというのを一番意識しています。
見る角度によってプラチナ特有の光沢を感じられるデザインが魅力の『レヨン ド リュミエール』。リングの表面に角度の差をつけることでシャープな印象に。メンズリングは、マットと光沢の質感のコントラストを楽しめる。
わずかな角度で見え方が変わってくるので、何度も試作を繰り返して、実際にどう光が動くのかを見ながら調整していきます。
また、ダイヤモンドがついているデザインのリングは、ダイヤモンドの輝きをプラチナが反射して、ダイヤモンドの美しさをより引き立ててくれます。
――エクセルコ ダイヤモンドには小さなダイヤモンド(メレダイヤモンド)を用いたデザインもたくさんありますね。
エクセルコ ダイヤモンドでは小さなダイヤモンドの品質にももちろん自信を持っているので、その輝きを毎日身に着けて、楽しんでほしいという想いがあります。
小さなダイヤモンドは、カラー基準でD~F、クラリティ基準でVS2以上(自社鑑定調べ)という高いグレードのものだけを選んでいます。さらに、美しいカットの証である「ハート&キューピッド」が見られるダイヤモンドしか使っていません。小さなダイヤモンドでもキラキラとした強く美しい輝きを感じていただけるはずです。
大小のダイヤモンドを並べた特徴的なデザインが人気の『ワイルドローズ』。ダイヤモンドをランダムに配置することで虹色の輝きが拡散され、華やかな光を放つ。
――小さなダイヤモンドをデザインに取り入れる際には、どんな工夫をしているのでしょうか。
リングとの一体感に気をつけながらも、あまりダイヤモンドをはめ込んでしまうとダイヤモンド自体が暗くなってしまうため、小さなダイヤモンドにも横から光を取り入れられるようにセッティングを工夫しています。
それから、セットの婚約指輪と重ね着けした際に、結婚指輪の小さなダイヤモンドが婚約指輪のセンターダイヤモンドの輝きを引き立てるように計算しています。
『オプティーク』は、婚約指輪のサイドにある大きな3角窓から、マリッジリングの小さなダイヤモンドの光が取り込めるようにセッティングされている。
輝きを繊細に引き立てる、芸術的なミル打ち
――エクセルコ ダイヤモンドのデザインの特徴を語る要素として「ミル打ち」があると思います。他のブランドではあまり見られないような芸術的な取り入れ方をしたデザインが多くありますが、ミル打ちはエクセルコ ダイヤモンドのデザインにおいてどのような存在でしょうか?
上品で繊細なミル打ちは、「幸せの連鎖」と呼ばれ、ヨーロッパの伝統的な技術です。ヨーロッパの文化をモチーフに、ふたりの幸せを祝福するリングを届けるエクセルコ ダイヤモンドにとって、ミル打ちは欠かせないものです。
――エクセルコ ダイヤモンドのミル打ちの特徴を教えてください。
熟練の職人が1つ1つ手作業でミルを入れており、きゅっきゅっと押しながら入れていくことで、1粒ずつに磨きがかかり、反射がとても綺麗なミルになります。小さなダイヤモンドの輝きとはまた違ったミル打ちの繊細な輝きを、指もとで堪能していただけます。
ミル打ちと小さなダイヤモンドが連なりエタニティリングのような輝きを演出する『ルヴォワール』の結婚指輪。ベールの繊細さをミル打ちの輝きで表現している。
――ミル打ちのデザインでこだわっているポイントはどこですか?
特徴的だと思うのは、ミル打ちのサイズが大きいものからだんだんと小さくなっていくグラデーションのデザインです。グラデーションにすることで、「幸せの連鎖」がより周囲に広がっていくことを表現しています。
ミルをグラデーションで入れる際は、1粒打つごとに道具を変えないといけません。通常のミルとは違いとても時間のかかる作業なので、職人は大変だと思いますが、この細やかな作業がリング全体の美しさを演出してくれます。
――ダイヤモンドからミル打ちのグラデーションへと輝きが繋がるようにしたデザインなどは、まさにその技術の結晶ということですね。
その通りです。実は、職人にミル打ちのグラデーションをはじめに提案した時には、諦めてほしいと断られました。ただ、美しく輝くリングを追求するうえでは、光が徐々にすっと消えていく表現をどうしても実現したかった。このデザインを出したいという強い想いのもと交渉し、なんとか形にすることができたのです。
リボンをモチーフにした『リアンフィニ』。しなやかなリボンの動きを表現するため、サイドに施された小さなダイヤモンドとミル打ちは、美しいグラデーションを描くように配置されている。
ダイヤモンドを主役にした
デザイン選びの秘訣
――エクセルコ ダイヤモンドではダイヤモンドとリングの枠(婚約指輪のデザイン)を別々に選ぶことができますが、ダイヤモンドを決めてからデザインを選ぶ場合、どのような選び方がおすすめですか?
まずは、主役であるダイヤモンドが引き立つかどうかを見てください。エクセルコ ダイヤモンドのショップでは、お客様がご自身で選んだダイヤモンドルースをお好きなデザインの婚約指輪に乗せて、美しい輝きを体験することができます。気になるデザインにセンターダイヤモンドを乗せてみて、最も輝きが美しいと感じるものを選ぶことをおすすめします。
もし小さなダイヤモンドをセッティングしているリングをご希望の場合は、ダイヤモンドは大きさによって反射の仕方、透明度が違って感じられます。小さなダイヤモンドに至るまで、美しい輝きを放つデザインになっているか、という視点でデザインにセンターダイヤモンドを乗せて、楽しんでみてください。
――ダイヤモンドの大きさによって、選ぶべきデザインに違いはあるのでしょうか。ダイヤモンドの大きさとデザインにはどのような関係がありますか?
ダイヤモンドは大きくなればなるほど深さ(厚み)が増します。ダイヤモンドとリングのアームがバランスのいい繋がり方になっているか、上からだけではなく横からもチェックしてみてください。ダイヤモンドが大きいとどうしても高さが出てしまうので、そこに繋がっていくアームが高すぎないか。逆にダイヤモンドが小さめの場合は、低すぎるデザインを選んでいないか。サイドビューの美しさも確かめて選ぶのがよいと思います。
――ダイヤモンドが大きくなると、ボリュームのあるリングになってしまいがちですが、日本には、あまり太いものは似合わないと考える方も多いです。
エクセルコ ダイヤモンドはデザイナーのほとんどが日本にいるため、日本人の指とのバランスや着け心地を考えてデザインしています。
ボリュームのあるリングでも、単にふっくらとした形状でつくるより、アームに少しだけエッジを立てることで陰影をつくり、繊細に見せることができます。
また、着け心地が良くなるようにリングの内側を丸く削るのは当たり前のこととしてやっていますが、少し斜めに削ることで、横から見た時に厚みを感じないようにするなど、細部にわたって工夫をしています。
――ベルギーで生まれたダイヤモンドの一流ブランドでありながら、日本の方々のニーズに寄り添ったものをつくることができているのですね。
そうですね。エクセルコ ダイヤモンドの繊細なデザインを実現できているのも、精緻な作業を得意とする日本の職人だからこそです。日本でデザインを行っているメリットを活かしながら、これからもたくさんのカップルにエクセルコ ダイヤモンドの輝きを届けられたらと思います。
――最後に、エクセルコ ダイヤモンドの婚約指輪・結婚指輪を検討しているおふたり、あるいはこれから指輪探しを始めるおふたりにメッセージをお願いします。
ダイヤモンドはその変わることのない輝きで世界中の人々を魅力し続けています。だからこそ数多くのブランドがダイヤモンドジュエリーを手掛けていますが、エクセルコ ダイヤモンドの本当に美しい輝きを、ぜひ一度その目で確かめていただきたいです。
毎日ジャン・ポール氏が原石から厳選し、カット・研磨された美しい輝きのダイヤモンドを見ていて、このダイヤモンドを身に着けるというのは、とても幸せなことだと思っています。大切にしまっておくのではなく、どんどん身に着けて、日常で輝かせてほしいなと思います。
ブライダルリングは、一生で一番長く身に着けるジュエリーです。だからこそ、確かな品質と自分らしさにこだわって「輝き」を選び、身に着けてほしいと願っています。
エクセルコ ダイヤモンドのデザインの現場には、常にその「輝き」に対するリスペクトと、「輝き」を一層引き立てるデザインを生み出したいという情熱があふれていた。
ダイヤモンドは、身に着けてこそ人を輝かせ、日常を豊かにしてくれる。それはジャン・ポール氏も語っていることだ。
ジャン・ポール氏
「朝目覚め、ダイヤモンドの原石を眺めながら、これを身につけるのはどんな人だろうかといつも考えています。原石から美しいジュエリーとなるまでの長い道のりを想像するのです」
5億から25億年もの時を超えて、私たちのもとに輝きを届けてくれる奇跡の宝石・ダイヤモンド。エクセルコ ダイヤモンドが誇る至高の輝きの裏側には、研磨職人とジュエリーデザイナーの並々ならぬこだわりと想いがある。彼らは常に、いまよりももっと素晴らしい輝きを求め、チャレンジを続けている。
ジャン・ポール氏
「私は7世代の伝統、美しさを受け継ぎながら、それを常に超えようと努力している。ダイヤモンドの内なる美しさをさらに引き出せる新しいジュエリーをデザインし続け、子供たちや次の世代まで継承していきたい」
ジャン・ポール氏とジュエリーデザイナーたちの想いは、エクセルコ ダイヤモンドの輝きをさらに進化させ、これからも私たちを驚かせてくれることだろう。