生涯の愛を誓う相手に贈りたいのはやはり、透明性の高いダイヤモンド。
不適切ではないダイヤモンドを選ぶ際には、以下に挙げる4つ方法のうち、いくつかに該当するブランドを選ぶのが正解だ。
■方法①「サリネライトレポート」が発行されているダイヤモンドを選ぶ
「サリネ・ライト」とは計測機器を用い、科学的にダイヤモンドの輝きを測定・評価するシステムのこと。
その総合評価により輝きのグレードを決定する評価基準が「サリネライトレポート」だ。
この「サリネライトレポート」を発行できるのは、原石からカットしたことが証明できるダイヤモンドのみ。
レポートはオンライン上にも公開されており、自分が選んだダイヤモンドが、客観的、世界的な基準で認められていることを確かめられる。
一つ一つのダイヤモンドには個別の番号が付与され、そのダイヤモンドの固有情報を確認することもできる。
■方法②原石の買い付けからカット・研磨まで一貫して自社で行うブランドを選ぶ
実はダイヤモンド原石を販売する主要業者は、世界に2社となっています。
そこから購入するためには自社の技術力や他社にはない特徴などをアピールし、受け渡し先として最適な企業であることを示さなければならない。
何百もの企業がプレゼンを行うものの、最終的に購入を許されるのは約70社ほどだ。
こうした背景もあり
世の多くのブランドは原石ではなく、すでに研磨されたダイヤモンドを購入している。
それはブランドに届くまでに研磨メーカーや市場、卸(おろし)など、さまざまな経路を通過していることを意味する。
その時点ですでに多くの人の手を経ている可能性があるため、ダイヤモンドの本当の原産地が保証されているわけではない。
つまり
リユースダイヤモンドを避けるためには、原石の買い付けに始まりカット・研磨までを一貫して自社で行うブランドを選ぶ必要があるのだ。
■方法③原産地証明を発行しているブランドを選ぶ
南アフリカ、ボツワナ、オーストラリアなど、ダイヤモンドが発掘された国や地域は“原産地”と呼ばれる。
原産地を知ることで、ダイヤモンドの出自が明らかになる。
それが信頼できる採掘業者から調達したものかどうかを確認するための、大きな手がかりとなるわけだ。
専門店の中には原産地の情報公開を行っているブランドもある。
■方法④「キンバリー・プロセス証明制度」にのっとったダイヤモンドを扱うブランドを選ぶ
ダイヤモンドの不正取引が世界各地の紛争の資金源となっている状況を改善するため生まれたのが、
キンバリー・プロセス証明制度だ。
不正に収得されたダイヤモンドの輸出入を規制するための、
国際的な証明制度である。
この制度に加盟している国間でのダイヤモンド原石の移動には、基本的にすべて「紛争ダイヤモンドではない」ことを示す証明書が付く。
相手国は制度の範囲外のダイヤモンドを受け取ることはできない。非加盟国への輸出入を行わないことが義務となっているのは、言わずもがなだ。
なお
キンバリー・プロセス証明制度が付くのは、原石の流通に限る。
つまりすでにカットされたダイヤモンドには、付与されないことになる。
そのためカット済のダイヤモンドを仕入れた先が、同制度の加盟国であるかどうかも確認したいポイントだ。
一例としてキンバリー・プロセス証明制度の加盟国に現地法人を構え、ダイヤモンドを仕入れているブランドであれば安心といえるだろう。
余談だが2022年に勃発したロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、倫理的な観点から、ロシア産のダイヤモンドを仕入れることを止めるブランド・輸入を禁止する国も出てきた。消費者や社会全体のトレーサビリティやエシカルへの意識が高まる中で、ダイヤモンド業界に対しても倫理的な調達が求められている。