ジュエリー、特にエンゲージリングは人生の中でも非常に高価な買い物と言えます。それにも関わらず、ダイヤモンドの正しい価値基準を正しく知っている人は少ないのではないでしょうか。ダイヤモンドと一言で言ってもその価値は様々で、品質やその他の要因でその価格には雲泥の差があります。ではその価値はどこで決められるのでしょうか? ダイヤモンドやエンゲージリングを賢く購入するために、4C、希少性、ブランドなど、価格の差が大きく出るポイントについて解説します。

まずは、ダイヤモンドの品質評価基準「4C」を知っておこう

まず、1番分かりやすく価格に反映されるダイヤモンドの評価基準は、世界的な鑑定機関であるGIA(米国宝石学会)が考案した品質評価の国際基準である「4C」です。
4つの視点〈カラット(carat)、カラー(color)、クラリティ(Clarity)、 カット(cut)〉から、美しさや輝きを明確に数値化して「ダイヤモンドグレード」として評価する4C。国際的に統一された評価基準として、世界中のダイヤモンド取引で価値、相場などの目安として使用されており、この4つのグレードが高く揃うほど価格は高くなります。

◆カラット(重さ)
石の大きさそのものを表します。重さを表す単位で1カラットは0.2g。重くなるほど高価になります。

◆カラー(色)
最高格付けの無色透明から、グレードが下がるごとに黄色味を帯びていきます。無色透明のDカラーからZカラーまで、全23段階に分類されます。

◆クラリティ(透明度)
ダイヤモンドの輝きを妨げる内包物や表面のキズの状態を11段階でランク分けし、透明度を評価します。

◆カット(プロポーション)
カットの総合評価である「プロポーション」と、仕上げ状態に関する2項目「ポリッシュ(表面の研磨)」「シンメトリー(対称性)」の、併せて3つの項目について、それぞれ5段階で評価します。
3項目が全て最高評価のダイヤモンドのことを、トリプルエクセレントと言います。

ただ、単純に“グレード=価格”というわけではありません。グレードは、あくまでダイヤモンドの品質についての評価になります。

ダイヤモンドのパラドックス 〈4Cが同じでも輝きが違う?!〉

グレードの評価が全く同じであっても、個々のダイヤモンドの美しさが違って見えるのはなぜでしょうか。さらには、グレードが同じであっても価格が違うのはなぜなのでしょうか。
このダイヤモンドのパラドックスの1つの答えは、ダイヤモンドの美しさに命を与えている最も重要な3つの要素が主観的な判断に基づくもので、鑑定書(ダイヤモンド グレーディング レポート)には書かれていないからです。
その3つの要素とは、1つは「ファイア」と呼ばれる7色の光、分散光。2つめは「ブリリアンシー」で、ダイヤモンドから反射してくる明るい光。そして3つめは「シンチレーション」で、ダイヤモンドを動かすと現れるきらめきです。
これらを作り出すのは、人間の手――つまりカット・研磨――と、原石の質です。ここにダイヤモンドの価値、すなわち価格も大きく反映されてくるのです。

価格は希少性に比例する

一般的に、マーケットでは需要と供給のバランスで価格が決定されます。ダイヤモンドも同様に、1粒1粒の価値や価格は、大きさや形、輝き、欠点の有無などを総合した、品質レベルの需要と供給で決まります。
17世紀の宝石商タベニールがインドへの旅行記の中で、ダイヤモンドの価値は、カラットの2乗に比例すると記載しています。ダイヤモンドには価値指数表というものがあり、その中では1カラットを100とすると、2カラットは400、3カラットは850というように価値が上がります。つまりカラットの大きなダイヤモンドは希少であり、それだけで価値が上がります。また、ラウンド以外には形の良いものはプレミアが付きます。
他の例も挙げると、わずかに色味のあるダイヤモンドが無色透明のカラーレスなダイヤモンドよりも価格が低いのは、品質が劣るからではなく、自然界での出現率が高いからなのです。
今も昔も希少で美しいダイヤモンドは人々が手にしたいと願い、価値が生まれているのです。

「ブランド」のこだわりにより、価格に違いがある

ダイヤモンドの価格を決める大きな要因の1つとして、「ブランド」についても触れておく必要があるでしょう。
同じグレードのダイヤモンドでも、ブランドにより価格が全く違うことに疑問を抱く人も少なくありません。その答えとしては、前述した通りダイヤモンドはグレードが同じでも見た目の美しさが異なり、その美しさに希少性が加わって価格が決まります。特にハイブランドと呼ばれるブランドの扱うダイヤモンドはそれらの点で優れた魅力を持っているため、価格も高額になるのです。
また、ほとんどの人の場合、石単体ではなくジュエリーとして、またはブライダルリングとしてダイヤモンドを購入します。ハイブランドが展開する最高級のジュエリーは、巨匠と呼ばれる画家や建築家が生み出す芸術作品となんら変わりなく、そこにプレミアムな価値が付与された価格になっているのは間違いありません。


ダイヤモンドの資産性


資産性のあるダイヤモンドは非常に限られた条件を持っており、ごく少数しか存在しないと言えます。
あくまで一般的な見解としては、ダイヤモンドなら3カラット以上、DもしくはEカラー以上、クラリティはVVS1以上の品質で、海外の鑑別鑑定業者のレポートが付いたものであれば、後年も資産として有効なものになるかもしれません。または海外の有名ブランドのもの。例えば、グランメゾンと呼ばれるブランドの作品であれば、商品価値を保つもしくは価格が上がるなど資産性が向上することがあるようです。
ハイブランドのダイヤモンドが高額なのは、こういったブランドへの信頼やプレミアム感、需要の多さも関係していると言えます。

ダイヤモンドには相場価格が存在する

ここまでダイヤモンド個々の品質と希少性、ブランドよる価格の高低を見てきましたが、実はダイヤモンドには取引価格を決める基準となるものが存在しています。それが、ラパポート社が月に1度発表する「ラパポート・ダイヤモンド・レポート(RAPAPORT DIAMOND REPORT)」です。
ダイヤモンド市場では、デビアス社がある程度のダイヤモンドの生産量と流通量を調整することで、ある一定水準の価格を維持し、ダイヤモンドの価値の信用に努めています。そこで用いられているのがグレードごとに価格相場を取り決めたラパポート・ダイヤモンド・レポートであり、これが世界中のダイヤモンドの価格に関する国際的基準となっているのです。
ただ、ラパポート・ダイヤモンド・レポートはダイヤモンドルースそのものの相場です。そのため、流通経路の違いによって価格に差が生じてきますし、外国為替相場にも影響を受けます。さらに、エンゲージリングのような宝飾品として加工される場合は、デザインや使用する貴金属、製造工程やジュエリーとしてのクオリティなどによって、同じダイヤモンドを使ったとしても消費者への提示価格は大きく異なってきます。

まとめ

ダイヤモンドを探す時、できれば予算内で出来るだけ多くのダイヤモンドを手に取ってみることをおすすめします。
なぜなら、ダイヤモンドの販売価格は美しさだけによるものではなく、「品質」「希少性」「ブランド価値」「流通経路」「外国為替相場」などによって決定されるからです。例えばですが、希望するならば予算を変えることなく2倍の大きさのダイヤモンドを選ぶこともできます。予算内でたくさんのダイヤモンドを手に取り、その中で最も美しいと感じるダイヤモンド、そのダイヤモンドこそが、あなたに1番ふさわしいダイヤモンドなのです。
大切なのは、正確な情報で正しいダイヤモンドの買い方を知ること。正しい知識を持って、ジュエリーショップに足を運んでみてください。