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クリエイティブディレクター飯島智子さんに聞く「結婚式のつくりかた最新トレンド」

2023年に独立し、オーダーメイドウエディングやフォトウエディングのディレクションを本格的にスタートさせた飯島智子さん。飯島さんのクリエイティブセンスと輝かしい経歴が注目を集め、日々多くの相談や問い合わせがやってきます。お客様の“結婚式への向き合い方”を肌で感じている飯島さんに、価値観の変化や傾向について伺っていきます。

型にはまらず、ふたりらしい感覚を大切にする時代
「型にはまらないウエディングを考えるかたがとても多くなってきたなぁと感じています。少し前であれば、まずは会場を決めて、そこからイメージを膨らませプランニングしていくというパターンが主流だったと思います。でも今は、ゲストに伝えたいメッセージ、みんなで共有したい時間、残したい思い出といった、それぞれのカップルが考えている一番のこだわりポイントを最初に伝えてくださるお客様が多いです。“このポイントを軸に、場所も含めたプランを提案してください”、と。
既成の型にはめていくような式作りではなく、軸になるひとつの要素から自分たちらしさを描いていくようなプランニングを希望されるかたが多く、それは私にとっても大きな驚きであり発見でした」
――ふたりが本当にたいせつにしたいことを入り口に、式作りやフォト撮影のプランニングをスタートしていただけたら、という飯島さん。その次のステップでたいせつなのは、ふたりのストーリーを、プランナーをまじえてじっくりと話し合うことだと言います。
「お客様によりますが、私の場合、初回のお話し合いは数時間かけることもあるんです。おふたりの出会いやおつきあい、お互いへの想いはもちろん、生まれてからこれまでのおふたりそれぞれが過ごした時間…。おふたりの背景にあるものを引き出しながら式の世界観を作っていきます。
私とのやりとりや、ときにおふたり同士のコミュニケーションの中で、化学反応が起き、それが膨らんでいって、だんだんとおふたりだけのストーリーが見えてきます。スムーズに組み立てられることもあるし、なかなかまとまらなかったりすることも。
おふたりの希望が一致していないことももちろんあります。一度立ち止まって話し合うことで理解を深めていって。結婚式という初めての経験を軸に、お互いの考えや家族への想いをじっくり話し合うことっておふたりにとっては慣れない作業であり、迷うこともたくさんあると思うんです。そこをプランナーの私が、ふたりの想いをたいせつにしながらうまくリードすることを心がけています。そんな濃密なコミュニケーションを経て、おふたりの関係が確実に深まっていくのをいつも目の当たりにしています」
――式やパーティ、フォトを作っていくには、ふたりの考えをまとめ、ふたりらしい世界をイメージできるようリードしてくれるプランナーのような第三者の存在はとても重要ですね。
「目指しているのは、おふたりらしさが伝わるウエディングを実現する世界観作り。そのためには、おふたりの考えをしっかり理解した上で、その世界観を実現できるさまざまなアイデアを提案できるようなセンスとクリエイティブが必要。私ももちろんそうですが、すべてのウエディングプランナーやクリエイティブディレクターはそのための努力を日々重ねていかなければ、と思います」
ふたりの世界観が、真のホスピタリティの源
「みなさん、ホスピタリティをとてもたいせつにしたいとおっしゃいますよね。“ゲストがくつろげて、心から楽しめる時間にしたいです”というかたが圧倒的に多いです。
そのために絶対必要だと思うのは、ふたりのストーリーを形にすること。支えてくれた人たちへの想いや、ふたりのキャラクターや絆、自分たちが目指すものなどを、ロケーションや空間構成、メニューや演出や装花などに込めていくこと。
ふたりの世界観が心地よく散りばめられた時間が、ゲストへのホスピタリティにつながるのかな、と思います。必然的にオリジナリティが求められるし、だからこそ、ふたりにしか作れない時間になる。それは決してコストをかけることではなくて、そこにふたりならではの意味を加えていくちょっとしたくふうやアイデア。それを散りばめることで、ゲストへの想いが凝縮したパーティになると思っています」
――お決まりの形ではなく、ふたりのことを“語れる何か”を散りばめたウエディング。ふたりだけでなく、共有したみんなの記憶に残る時間になりそうです! ただ現実的には時間にも予算にも限界があり、なかなか悩ましいことも起こりがちですよね。
「もちろん、実際のオペレーションや費用について確認していくと、妥協せざるをえない瞬間もあります。でもそこは優先順位をどう考えるかだと思います。例えば、料理を考えるとき、作り込んだメニューとスムーズなサーヴィス、どちらを優先するのか? もしそれがふたりを語る上で欠かせないひと皿なら、段取りよりもメニューを優先するかもしれない。心地よくてスムーズなサービスを徹底しようというおふたりの姿勢があるなら、メニューを少しだけシンプルにしていこうとなるかもしれない。“何から省いていく?”という考えかたではなく、“何をいちばん大切にしますか?”という感覚でおふたりが本当に望むことを探していきます。そういうバランス感覚を持つこともプランナーとしての使命ですし、そうすることでおふたりがお客様に伝えたい本質の部分もはっきりと見えてくるんです」
新しい価値観での、“家族“というキーワード
「今進行中のプロジェクトの中で明確に見えてくるのは“家族”というキーワードですね。
たとえば、おふたり含め、両家の家族みんなでパリのパラリンピックを観戦に行かれるというかたがいるんですね。パラリンピックを見た後、そのままヨーロッパの地で家族大集合で楽しめるウエディングを希望されているんです。もうこれは、おふたりの結婚式というだけではなく、家族の歴史の中でも忘れられないビッグイベントになるはずですよね」
結婚というふたりのライフイベントに、いろんな物語を重ねて、家族全員にとって忘れられない体験にしようというプランで、家族の絆はこの上なく固く結ばれそうです。
「もうひと組、最近フランスから日本に拠点を移された日仏カップルのかたも、キーワードは“家族の歴史”。旦那様との出会いはフランスのブルゴーニュ地方、そして奥様はワインに関わるお仕事をなさっています。できれば日本のワイナリーで、ワインを軸にした演出で両家が集まるパーティをしたい、と。おふたりのご家族のバックグラウンドストーリーや、家族の歴史を形にしたい、というリクエストがあり今プランニングを進めています。
結婚式に家族って昔から欠かせないものですが、ここにきて改めて、“家族”というキーワードが新しい意味を持つようになってきました。家族だけの結婚式って、“手間も予算も省エネ”っていうのが従来の価値観でしたけど、まったく違ってきていますよね。家族や家族の歴史にとことんこだわりを持って、ふたりだけでなく家族みんなにとってのかけがえのない時間にしたい、というのが新しい価値観へ。本質的なところに原点回帰しているなぁと実感します」
――新しい家族婚だったり、型にはまならい結婚式だったり、価値観が大きく変化している今、これまでスタンダードだった“挙式+披露宴”というスタイルも変わってきそうですね。
「はい、ウエディングの形は、本当にひとそれぞれだと思います。ブレさせてはいけないことは2つだけ。おふたり自身が自分たちを祝福できることと、ふたりが祝ってもらいたいと思う人たちに祝福してもらえること。この2つを叶える体験をすることがウエディングの本質だと思うんです。“何をすることで、それが叶うでしょう?”というテーマでお話を進めていくと、“セレモニーはこんなスタイルがいいね”とか、“フォト撮影だけでもそれは叶えられるね”といったそれぞれの形が見えてくる。すでに定番になっている人前式や家族旅行も兼ねたリゾート婚、フォトウエディングのような、従来の形を超えた新しいスタイルがこのさきもっとたくさん生まれてくるんじゃないでしょうか」
フォトウエディングでもたいせつなのはストーリー
「今みなさんビジュアル感度が高くて、撮りたい写真についてはっきりとイメージを持っていらっしゃるかたも多いですよね。ただ、いつも思うのは、フォトウエディングで大切なのはビジュアルを作ることだけではないということ。もし、“こんな写真が撮りたい!”っていうが明確なサンプルがあれば、それを真似すればいいだけかもしれない。ビジュアルは真似すれば、ある程度実現できるところはありますから。
私が昨年フォトウエディングをディレクションさせていただいたお客様で、大きな結婚式できちゃうくらいの予算をかけて1泊2日のフォトシュートをされたかたがいたんです。結婚式のディレクションと同様に、ふたりの今までのストーリーを聞かせていただくことからスタートして、なぜ写真に残したいか、何を写真に残したいか、じっくり話し合いました。おふたりのリクエストは、“こんな写真を撮りたい”というものではなく、“ふたりのこんな想いを写真に表現してほしい”というもの。ロケ場所選定からスタッフのキャスティング、ドレスやヘアメイクの方向性などすべてが“ふたりの想いをビジュアルにする”という軸で進んでいきました。奥様は決定したドレスがより映えるようにと、肌をきれいに灼いた上で撮影に臨んでくれて。
迎えた本番の2日間は、ふたりの物語があふれるような撮影の連続で、ディレクターである私も感動の涙が止まらなくて困りました。(笑) いちばんうれしかったのは、最後におふたりが、『撮影している時間こそが本当に素晴らしい体験だった』と言ってくださったこと。ふつうだったら1日も早く画像データが欲しいと言われるのですが、『この素晴らしい体験自体がすごく幸せ。データはいつでもいいです!』って。(笑) フォトウエディングは、写真を撮ることが目的ではあるけれど、その前提として、撮影準備や撮影している時間がおふたりにとって祝福や発見の時間であるべきだと改めて思いました」
飯島智子さんプロフィール

THE TREAT DRESSINGにてドレスコーディネータを経験し、2019年に同社クリエイティブディレクターに就任。
⽇本初のオートクチュールブランドの買い付けやオリジナル着物の製作、ファッションデザイナーとのコラボレーションコレクションを発表。
また、新店舗の空間ディレクションやブランドビジュアル撮影のディレクションを⾏うなど、世界観をカタチにする業務に携わる。
2023年、独⽴。
クリエイティブディレクターの経験を活かし、完全オーダーメイドのウェディングシーン・フォトウェディングシーンの創造をスタート。
その他、ビジュアル撮影やイベントの空間コーディネート、事業コンセプトの提案など、 ウェディングの分野にとどまらず、ブランディングディレクションを⾏う。
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