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知ればグッと選びやすくなる! 婚約指輪と結婚指輪の歴史

プロポーズや結婚を考えるとき、「用意しておきたいもの」としてまず挙げられるのが、婚約指輪(エンゲージリング)と結婚指輪(マリッジリング)。ただ、いざ購入しようとすると、どれを選べばいいのか悩んでしまう人も多いのでは。
指輪を贈る習慣は、なんと古代エジプト時代にはすでに存在していたとか。現在まで長い時間をかけて、恋人たちに受け継がれてきた指輪の歴史。そのバックストーリーを知れば、自分だけの名品を選ぶヒントになりそう。




◆婚約指輪のヒストリー


そもそも「婚約指輪」って、どういうもの?


婚約指輪(エンゲージリング)とは、結婚する意思を指輪という形で表したもの。婚約は、結婚のような書類上の手続きがないので、“結婚の約束”を証明するものとして、婚約指輪は今でも大きな存在だ。
以前は男性から女性に贈られることが多く、そういったサプライズ・プロポーズは現代でも人気。一方で、志向が多様化した近年は、パートナー同士で好みに合う指輪を一緒に購入することも多い傾向に。

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古代エジプトの人々も贈っていた「指輪」


古代エジプト

指輪を交換する意味が生まれたのは、古代エジプト時代(紀元前3000年~紀元前30年頃)。当時、「結婚」を意味する象形文字は「永遠」を表す円で描かれており、指輪の円形にその意味を重ね、真実を誓い相手とひとつになることを表現したそう。

その後、古代ローマ時代(紀元前753年~紀元476年)になると、「婚約指輪」が誕生。婚約指輪は婚約が成立した証拠として、新郎から新婦へ贈られるように。素材も鉄製からゴールドに変化し、指輪にイニシャルを彫る習慣も当時からあったとか。

また、薬指に指輪を着ける習慣は、古代エジプト時代から。自分の命と左手の薬指がつながっていると考えられていたためだが、どの指に指輪を着けるのかについては、時代と国によって変遷を重ねた。それも1614年の「ローマ典礼儀式書」で、「左手の薬指は誠実と貞節の証」とされたことから、次第に左手薬指に着けることが定着していくことに。

婚約指輪の宝石にまつわるエピソード


サファイヤ

中世になると、宝石をセットした婚約指輪も広まった。当初はサファイアやルビーが使われていて、今もこの伝統は、欧米のセレブリティの間では健在。イギリス王室・キャサリン妃の婚約指輪はブルーサファイアとダイヤモンドのもので、これは夫であるウイリアム王子の母、故ダイアナ元妃から受け継がれたものだとか。

一方、ダイヤモンドが使われた指輪として最も古い記録は、ハプスブルク家のマクシミリアン1世(のちの神聖ローマ皇帝)が、ブルゴーニュの公女マリーへ贈った婚約指輪とされている。天然の鉱物の中で最も硬く、「不屈の力」「永遠」を意味するダイヤモンドを贈るよう、側近にアドバイスされたのだとか。その甲斐あってか、ふたりは仲睦まじい夫婦であったそう。

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18世紀半ば以降は、ハイジュエラーも続々と誕生


ダイヤモンド

ダイヤモンドで飾られた指輪は、欧米でも一部の裕福な王侯貴族の装飾品だった。ところが19世紀末に南アフリカでダイヤモンド鉱山が発見され、安定した供給が始まった頃から、一般の人々も手にすることが可能に。

18世紀半ばから19世紀半ばには、ショーメハリー・ウィンストンカルティエティファニーブシュロンヴァン クリーフ&アーペルブルガリなど、現在まで愛され続けているハイジュエラーが続々と誕生。高いデザイン性と技術で作られる指輪は人々の憧れの的となり、「プロポーズのときには婚約指輪を渡す」習慣も世界中に広まっていった。

◆結婚指輪のヒストリー


「婚約指輪」と違う、「結婚指輪」の意味は?


結婚指輪とは、結婚したパートナー同士が身に着けるペアリングのこと。ふたりの愛の誓いの証であると同時に、自分が既婚者であることを周りに知ってもらうための印にもなるもの。
とはいえ、ふだん指輪を着けない人にとっては、微妙に分かりづらい「婚約指輪」と「結婚指輪」の違い。簡単にいうと、プロポーズのときに“結婚の約束”として渡す(購入する)のが婚約指輪で、結婚指輪は結婚式など結婚のタイミングで交換する(購入する)もの。その後は結婚指輪をデイリーに着けることになるため、婚約指輪は華やかなデザインで、結婚指輪はシンプルなデザインが多い傾向に。

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紀元前のヨーロッパから始まった「結婚指輪」


結婚指輪

結婚指輪のはじまりは、紀元前のヨーロッパと言われている。婚約指輪と同じく、結婚指輪も素材は鉄だったが、次第にゴールドへと変化。現在でも欧米では、ゴールドの結婚指輪が主流となっている。

さらに結婚式でお互いの指にはめるようになったのは、キリスト教が結婚指輪に祝福を与えるようになった頃で、11世紀には指輪の交換についての文章が記録されている。

ちなみに16世紀末までのイギリスでは、右手の薬指にはめることが定着していたそう。ところが、西洋の慣習として、「左手の薬指に着けた指輪は愛情を示す」とされていたため、“愛情をもって教会に誓う”という意味で、左手の薬指に着けることが浸透していった。

人気の甲丸リングは16世紀に早くも定番化


結婚指輪を毎日身に着けるという慣習も、中世から始まったとされている。当時のドイツでは、結婚指輪を外すと相手の愛が冷めると信じられていたそう。

また、指当たりが良くて人気の「甲丸リング」(アームの角を削り、地金に丸みをつけたもの)に関しては、1554年までさかのぼる。イングランド女王のメアリー1世がスペイン王のフェリペ2世と結婚する際、指輪のデザインに取り入れたのが「甲丸リング」。そのエピソードから、徐々に定番化していったといわれている。

◆日本で婚約指輪や結婚指輪が広まったのは?


結婚指輪

「婚約指輪」が普及したのは、高度経済成長期から


日本で指輪を着ける習慣が出来たのは、明治時代にヨーロッパの文化が入ってきてから。その頃にはもう、カップルが指輪を取り交わしたという座敷唄も残っている。

ただし、「婚約指輪」が一般に普及したのは、高度経済成長期の頃。ダイヤモンドを扱う企業のキャンペーンも始まり、1980年代にはデビアスの「婚約指輪は給料の3ヶ月分」と謳うCMが大ヒット。強いインパクトを残すこのフレーズは、長い間「婚約指輪」を購入するときの目安のように言われている。

意外に早くから知られていた「結婚指輪」


一方、結婚指輪は婚約指輪よりずっと早く、明治37年(1904年)には絵入りの広告が確認されていた。大正時代の末期には結婚にまつわる慣習として広まり、当時の書籍「婦人の知識」には、「結納に第一位を置くものは指輪であります」との言葉が記されていた。

とはいえ、こちらも定着していったのは、第二次世界大戦後。生活様式が大きく変わり、欧米風の結婚式が広まったことで、一気に浸透していった。現在はキリスト教式のほか、人前式や神前式の挙式でも結婚指輪の交換をするほど、日本の生活様式に溶け込んだ存在となった。


ダイヤモンドや地金の素材、刻印、アームの打ち方、指輪をはめる位置など、こうして歴史をたどってみると、婚約指輪と結婚指輪には、先人たちの歴史と想いがたっぷりと込められていることが分かる。
ふたりのこれからの道のりを、そばで見守ってくれる婚約指輪と結婚指輪。デザインや素材選びに悩んだときは、その由来や歴史に、ぜひ注目してみては。

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