男性(新郎)側からの結納金や結納品のお返しとして贈る「結納返し」。日本の伝統的な慣習ですが、そのスタイルは時代や地域、両家の考え方などによっても様々。一体いくらくらいが相場なのか、どんなものを贈ったらよいのか、悩んでしまう花嫁も多いはず。
そこでプレミアムウォッチ編集部では、既婚男女にアンケートを実施。結納返しや婚約記念品にまつわる4つのギモンを解消します!
この特集を参考に、自分たちのスタイルに相応しい、結納返しや婚約記念品の形を見つけてみてくださいね。

※アンケート概要:2018年5月実施、Web調査、22歳~39歳の既婚女性412人・既婚男性409人

ギモン 1

そもそも結納返しって?必ずすべき?結納返しの 「常識」

結納・結納返しとは?

結納とは、仁徳天皇の時代から続く日本独自の婚約の儀式。男性側が女性側の家に対して「大切に育ててこられたお嬢さんを、これからは私たちも大切にします」と誓うイベントです。結納では男性側から結納金や結納品が贈られるのが一般的ですが、それに対して女性側からお返しをするのが「結納返し」です。
結納の捉え方や結納返しに対する考え方は、地域や家によって異なり、最近では、簡略化したり結納そのものを行わないケースも多くみられます。そのため、結納返しは必ずすべきもの、というわけではありません。
そんな、いわば“人ぞれぞれ”な結納返し。いざ自分たちは…となると、どうすればいいか悩むもの。先輩夫婦はどうだったのか、アンケート結果を見てみましょう。

結納返しまたは婚約記念品を贈りましたか(もらいましたか)?

結納返しを贈らなかった(もらわなかった)理由は?

結納返し・婚約記念品を贈った女性は37%、もらった男性は48%。男女を合わせると42%が贈った(もらった)という結果になりました。
結納返しを贈らなかった(もらわなかった)人にその理由を聞いたところ、「結納をしていないから」が男女ともに約70%と圧倒的。逆に、「結納返しの習慣がない」「お返しは必要ないと思った」などの、結納金・結納品はあったものの結納返しがなかったケースや、結納はしたものの「結納金・結納品をもらって(贈って)いない」といったケースは、少ないことがわかりました。
つまり、結納をする場合には互いに結納品を贈り合うカップルが多いよう。結納品をもらったら、結納返しをするのが一般的であるといえそうです。

結納返しのマナーやタブー

結納返しをする場合、気になるのが贈る際のマナー。地域によってその内容などが変わってきますが、ここでは一般的なマナーやタブーをご紹介します。
伝統的な結納を行う場合、関東式・関西式で形式は異なりますが、結納返しとして「御袴料(おんはかまりょう)」の他、「目録」「熨斗(のし)」「末広(すえひろ)」など、儀式に必要な縁起物を用意するのが決まりです。
略式の場合は、御袴料にあたるスーツや時計などの品物、または現金を贈りますが、結納返しはその名の通りお返しなので、結納金(結納品)と同程度か少し控えめの金額にすることが一般的なマナーです。結納金(結納品)の額を明らかに上回るようなものを贈ると、場合によっては悪い印象を与えてしまう可能性もあるので、互いの地域の慣習や両家の温度感を確認しながら相談して決めるといいでしょう。それ以外にも、「4」や「9」、割り切れる偶数の金額は避けるなど、縁起の良さにも配慮しましょう。
また結納返しの品を持参する時は、結び目があると「ほどく」を連想させるので結ぶのはタブー。蝶結びなどはほどけることを意味してしまうので、できるだけ避けましょう。

POINT 結納をする場合は、結納返しをするのが一般的

既婚男女の約40%が結納返しや婚約記念品の購入を経験しており、婚約という節目のイベントに記念品や現金を贈り合う文化はまだまだ根強いようです。「結納をしていない」という理由で、結納返しや婚約記念品がなかったカップルも多くいましたが、結納を行ったにもかかわらず結納返しをしなかったという人は少数に留まりました。結納を行う場合には、結納品のお返しに結納返しを贈るのが一般的といえるでしょう。

ギモン 2

半返し?地域差アリ? 結納返しの 「相場」

結納返しは結納金の何割だった?

結納返し・婚約記念品の金額は?

約70%が結納金の5割以下。金額では20万以下が中心

結納返しの金額は、結納金(結納品)の金額を基準に、その○割というように決めることが多いのが一般的。そこで、結納返しは結納金の何割程度だったかを聞いたところ、3~5割未満が最も多く、約70%が5割以下と回答しました。
具体的な金額で最も多かったのは5万円未満で全体の34%。次いで10~20万円が16%、5~10万円が11%と、20万円以下が全体の約60%を占めており、この価格帯が相場と言えそうです。結納返しがあまりに高価になりすぎると、今後の家族付き合いに影響が出る可能性もあるので、あえて抑え気味にしているという傾向もあるようです。
とはいえ、20万円以上の人も全体の4分の1近くを占めており、結納や結婚記念品という節目のお祝いにまとまった金額を用意するという人も、一定数存在します。

地域による差はあるの?

結納や結納返しの相場は、関東と関西で地域差があるといわれています。結納品に関しては、関西では豪華に、関東では質素にという傾向が強く、逆に結納返しについては、関西では控えめに、関東では多めになる傾向があります。
これは、関東では両家が同格であるという考え方にもとづき「半返し」という文化があるのに対し、関西ではお嫁さんを迎え入れる男性側のほうが格上であるとし、結納返しをしない場合や、1割程度におさえることが多いためです。
とはいえ、現代ではこのような地域差も徐々に減ってきてはいるので、両家のしきたりや認識を事前に確認しておくことが大切です。

POINT 結納金の5割以下におさえるのが主流。金額は控えめな傾向に

アンケート結果をまとめると、結納返しの相場は結納金の5割以下、10万円台が中心的な金額帯といえそうです。最近では、結納という形式や地域のしきたりにとらわれず、両家の合意によって結納金の金額や結納返しの有無を取り決める場合も多くなっており、「できるだけお互いの負担をかけないように」といった考えから、昔より控えめな金額になっていることが考えられます。

ギモン 3

みんなは何を贈った? 結納返しに定番の 「品物」

結納返しに彼に贈った品物ベスト5

結納返しや婚約記念品を贈った女性にどんな品物を贈ったか聞いたところ、腕時計が36.1%と最も多い結果に。記念品としての華やかさと実用性の2つを兼ね備えた腕時計は不動の定番と言える存在のようです。次いで多いのがスーツや礼服で13.9%、4位にはスーツ小物と電化製品が8.3%で並び、仕事や日常で毎日使えるものが上位を占める結果となりました。現金は12.5%で3位にランクイン。意外にも、現金よりも品物を贈る割合のほうが多いことがわかりました。

その品物を選んだ理由は?

  • 長く使えて、記念になる物だったので。(腕時計)
  • いつも身につけていられるから(腕時計)
  • 普段づかいできて、品の良いものを贈りたかったから(靴・スーツ小物)
  • 会社員なので毎日使うことができるから(スーツ)
  • 相手のリクエストがあったから(家具)


その品物を選んで失敗・後悔したことは?

  • サプライズの為好みが分かりにくかった(腕時計)
  • 結婚式当時の体系なので、オーダーメイドでしたが現在は太ってしまって着られなくなった(スーツ)
  • 仕立券にしたために、水引代が余分にかかってしまった(スーツ)
  • 夫がなくしてしまったので、滅多に使わないもののほうがよかった(その他)
  • 大きなものだと持っていく時にかさばった(その他)

POINT 記念品としての定番はやはり腕時計。実用性と特別感がポイント

結納返しや婚約記念品でもっとも多いのは腕時計で、約35%と圧倒的な人気でした。
その品物を選んだ理由について聞いてみると、いずれの品物についても「長く使えるから」「普段よく使うから」が大多数に。全体的に日常的に長く使えるものが人気な中、腕時計は記念品としての特別感もあることが、最も選ばれている理由ではないでしょうか。
その品物を選んで失敗したことについては、「好みに合わなかった」といったサプライズゆえの失敗のほか、水引代や持ち運ぶ際の大きさなど、経験者ならではの声も。結納の場で渡す際には、このあたりも念頭に置いて選ぶといいかもしれません。

ギモン 4

男性陣の憧れは? 結納返しに人気の 「腕時計ブランド」

結納返しに欲しい、憧れ時計ブランドランキング

結納返しで人気の腕時計ですが、一口に腕時計といっても様々なブランドが存在します。数々のブランドの中から、男性陣が欲しいと思っているブランドを答えてもらいました。
結果は、ロレックスが堂々の第1位に。誰もが知っている高級腕時計ブランドの代名詞であり、一生に一度は持ってみたいという憧れが強いブランドのようです。第2位にはセイコーがランクイン。日本ブランドなので、身近に感じられるというポイントも大きいのかもしれません。なかでもグランドセイコーは、結納返しのタイミングにも相応しい高級ラインとして人気を集めています。第3位は、スポーツウォッチで人気のタグ・ホイヤー。アスリートを起用した広告やスポーツ関連での露出が多いこともあり、男性の認知度が高いことがうかがえます。

結納返しや婚約記念に購入した時計ブランドランキング

憧れブランドとは別に、実際に結納返しや婚約記念品で贈った(もらった)ブランドについて男女に聞いてみました。
第1位に輝いたのは、腕時計の定番ブランドであるオメガ。知名度も高く、長く使え、万人受けしやすいデザインなどの理由が多く見受けられました。第2位のセイコーは、日本ブランドという信頼性や安心感に加え、価格の幅が広く購入しやすいという点も選ばれる理由のよう。そして3位にはグッチがランクイン。財布やバッグなどで結婚前から男性が好むブランドとして支持されているのも、購入の決め手になっているようです。

購入した腕時計の金額は?

POINT 憧れブランドはロレックス。予算に合ったブランドを購入する傾向に

男性の憧れの時計1位はロレックス。高級腕時計の王道とも呼べるブランドに憧れを抱いている人が多いようです。一方、実際に贈っている・贈られている時計を見るとオメガが多く、価格幅による購入のしやすさも結納返しを選ぶ際には影響しているよう。
購入した腕時計の金額について聞いてみると、半数は購入金額が不明なものの、20万円以下が約30%と、腕時計としては比較的購入しやすい価格帯が中心であることがわかりました。
一生に一度の記念ということで、長く使える有名ブランドが人気な一方、現実的な予算と照らし合わせて選ぶ傾向がうかがえました。


カンパノラ

コンプリケーション 深緋

日本古来の緋色という濃い赤に、漆塗りで表現した独特のカラーと風貌は、日本独自の結納という文化にピッタリのデザイン。ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダー、クロノグラフの4大複雑機構を搭載しており、全ての機能を持ち合わせた時計といっても過言ではない時計です。

オフィチーネ パネライ

ラジオミール エスエルシー 3デイズ アッチャイオ 47mm

このモデルは歴史あるパネライの中でも、パネライとプロフェッショナル・ダイバーズウォッチの歴史に金字塔を打ち立てた2つの時計をオマージュしてつくられたもの。そんな記念すべきこのモデルは、結納という人生で大切な節目のお返しに相応しく、シンプルで視認性を最大限に確保した文字盤は末永く使えます。

カール F. ブヘラ

パトラビ T-グラフ

サイドが丸みを帯びた樽形フォルムであるトノーウォッチのなかで、クロノグラフを搭載している男性用では珍しいモデル。細部までよく考えられたデザインで、日付や曜日表示は、50m防水など機能性も十分備えています。他人とかぶらない独創的な時計をお返しに選ぶのも1つの選択肢ではないでしょうか。

ベル & ロス

BR V2-92 アエロナバル

この時計の最大の特徴である美しいブルーとゴールドの組み合わせは、フランス海軍士官の礼装からインスパイアされています。高いデザイン性は結納という格式高いイベントのお返しとしても適しており、ブルーという色も信頼の証として好まれます。防水性能も100mと、海軍向けに作られた時計の性能の高さをあらためて認識させてくれます。

グラスヒュッテ・オリジナル

セネタ・クロノグラフ・ パノラマデイト

黒と白でキレイにまとめられた文字盤は、エレガントという言葉が相応しいデザインとなっています。フライバック機構を搭載しており、連続する複数の時間をシンプルな動作で計測することができます。デザイン面だけでなく、これほど美しい機能を備えたクロノグラフは珍しく、結納返しの品としても間違いない時計です。

オメガ

スピードマスター プロフェッショナル

結納返しの定番中の定番といっても過言ではないオメガのスピードマスター。この時計はやはり選択肢からは外せません。時計に詳しくない人でも知っているこの時計は、安心して送ることができる1本です。もちろん、多くの人に愛され支持される性能の高さとデザインを兼ね備えています。

タグ・ホイヤー

オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ

オウタヴィアは1962年に考案された時計です。そんな歴史あるこのモデルは、結納という歴史深い日本の行事に相応しい時計です。歴史もさることながら、デザイン面では、人間工学に基づいたブレスレットの設計により装着感を非常に快適なものにしています。また、タグ・ホイヤーの中で信頼性の高いキャリバー5という機構を搭載しています。

ブライトリング

スーパーオーシャン ヘリテージ II B20 オートマチック 42

スーパーオーシャンのオリジナルモデルの誕生は1957年。60年以上の長い歴史を持つ時計は、結納という行事に相応しい伝統的なモデルです。このモデルの注目ポイントは、傷がつきにくく衝撃耐性に優れたハイテク・セラミックのリング。ドーム型のサファイアクリスタルガラスと合わせて、圧倒的な丈夫さを備えています。

ジャガー・ルクルト

ジャガー・ルクルト ポラリス・クロノグラフ

ジャガー・ルクルトは、デザインだけでなく、機構も製造するマニュファクチュールブランド(一気通貫で製造するブランド)です。時計界に数々の実績を残してきたジャガー・ルクルトの時計はどれも結納返しの品に適しており、その中でもこのポラリス・クロノグラフは美しいデザインと精巧なクロノグラフ機能が搭載された、エレガントで記念品に相応しい一品。

A.ランゲ&ゾーネ

グランド・ランゲ1

各表示部分がオフセンターに配置されて、重なり合うことがないレイアウトとなっています。これはランゲ1というモデルの特徴で、さらにそれを大きくしたグランド・ランゲ1では、日付表示も最大サイズとなっています。この独創的なデザインはA.ランゲ&ゾーネの顔ともなっており、一生忘れることがない贈り物として印象に残り続けることは間違いないでしょう。