【例文付き】結婚式での親の挨拶（謝辞）徹底ガイド｜注意したいポイントやマナーも解説

結婚式での親の挨拶（謝辞）とは？

一般的な結婚式では、新郎新婦いずれかの親が披露宴の締めくくりに両家を代表して謝辞を述べます。多くの場合、新郎の父が担いますが、新郎の母でも新婦側の父母が務めても問題ありません。

最近では、新郎新婦のみが謝辞を述べるケースもありますが、もし引き受けることになった場合はゲストへ感謝の気持ちを伝えるとともに、新郎新婦へ新生活へのエールを送りましょう。

≫結婚式当日の親の役割とマナー、挨拶まわりのタイミングは？

【基礎編】挨拶の基本構成

結婚式の挨拶（謝辞）は4つのパーツから構成されています。


挨拶の内容を考える際は、パーツごとに文章を作り、最後に各パーツを組み合わせるイメージで構成していくとスムーズに筆が進みますよ。

① 出だし
まずは「自己紹介」と「ゲストへの感謝の気持ちを込めた挨拶」から始まります。父母以外が挨拶をする場合は、新郎新婦から見た続柄にしましょう。



② ゲストへの感謝
次に新郎新婦を祝うために集まったゲストに向けて、お礼を伝えます。


なお、結婚式当日の天気が悪い場合や、暑さ寒さが厳しい場合は、気遣いの一言を入れるとより感謝の気持ちが伝わります。



③ 新郎新婦へのはなむけ
挨拶の中盤では、昔のエピソードを交えながら新郎新婦への思いを語ります。結婚相手にも触れつつ、これからふたりにどんな人生を歩んでほしいのか希望の言葉も添えると◎。



④ 締めの言葉
最後にゲストの健康と幸せを祈るとともに、新郎新婦への支援・指導をお願いする言葉を伝えましょう。


親の挨拶の後に、新郎の謝辞が続くことが多いので、できるだけ簡潔にまとめるのがベスト。1～3分に収まるように調整しましょう。

【実践編】そのまま使える！　結婚式での親の挨拶例文

ここからはパターン別に挨拶の全文例を紹介します。そのまま使うのもよし、アレンジを加えるのもよしなので、ぜひ参考にしてみてください。


基本の挨拶
ただいまご紹介に預かりました、新郎の父の毎日新之助と申します。毎日家、竹橋家を代表いたしまして、お礼のご挨拶をさせていただきます。

本日はご多用のところ、新郎新婦のためにご列席賜り、心よりお礼申し上げます。先ほどより、たくさんの方から温かい励ましの言葉をいただき、感謝の気持ちでいっぱいでございます。

太郎（新郎の名前）は引っ込み思案でおとなしい子どもでしたが、小学生の時に始めたサッカーのおかげでたくさんの友人に恵まれ、明るく元気な子ども時代を過ごしました。

あまりにもサッカーに夢中で心配になることもありましたが、大学時代までプレーし続けたことで華子さん（新婦の名前）というステキな女性と出会うことができました。

きっとふたりなら、笑顔あふれる家庭を築いてくれることと思います。

何分、未熟なふたりですから、これからの人生できっと困難にぶつかることもあるでしょう。そんな時は、ぜひとも皆さまの変わらぬお力添えを頂戴したく存じます。

本日は慣れない宴席で、不行き届きな点もあったかと思いますが、何卒お許し願います。

結びになりましたが、ご臨席の皆さまのご健勝をお祈り申し上げまして、両家の挨拶とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。


親族のみの少人数結婚式の場合
新郎の父、毎日新之助でございます。

本日はご多用のところ、新郎新婦のためにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。皆さまからふたりへ愛にあふれたお言葉をたくさんいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

小さな頃はおとなしく、引っ込み思案だった息子も、小学生時代にサッカーと出会ったことで、明るく活発に育ちました。大学までサッカーを続けたことで、華子さん（新婦の名前）という素晴らしいパートナーと巡り合うことができ、親としても喜ばしく思っています。

まだ未熟なところも多い太郎（新郎の名前）ですから、華子さんの親御様は頼りなく感じられるかもしれません。しかし、これまで近くで息子を見てきた親として、息子の誠実さだけは保証いたしますのでご安心ください。

ご列席の皆さまにおかれましては、今後ともどうかふたりを温かく見守り、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。


授かり婚の場合
両家を代表し、新郎の父 毎日新之助よりご挨拶をさせていただきます。

本日はあいにくの空模様の中、大勢の方にご足労いただき、誠にありがとうございます。皆さまのおかげでつつがなく披露宴を執り行うことができました。

太郎（新郎の名前）は、小さな頃から何事にも粘り強く取り組む子どもでした。ただ、目の前のことに一生懸命になりすぎるあまり、時に親としては心配になることもありました。そんな息子を温かく傍で支えてくれたのが新婦の華子さんです。

思いやりにあふれた優しい華子さんが太郎とともに人生を歩んでいく決断をしてくださったこと、心より感謝しています。

ふたりはこれから父と母になります。新しい家庭を築いていく道のりは決して平坦ではないでしょう。困難にぶつかった時は家族で力を合わせ、乗り越えていってほしいと思います。

誠に勝手なお願いではございますが、どうか皆さまには今後とも変わらぬお力添えを頂戴したく存じます。

この後、新郎の太郎からも挨拶がありますが、まずは両家を代表いたしまして、私より皆さま方へのお礼の言葉をさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。


配偶者と死別している場合
ただいまご紹介に預かりました、新郎の母の毎日愛子と申します。本日は無事にこの日を迎えることができ、天国の夫もさぞかし喜んでいることと思います。

家では私に照れくさいのか、あまり自分からは話さないので、このように皆さまに愛され、祝福されているのを間近で見ることができ、嬉しさが募るばかりです。上司の佐藤様をはじめ、多くの皆さまのご祝辞で、職場や学生時代の息子の違う一面を知ることができ、大変ありがたく思います。

交際期間中も我が家によく遊びに来てくれた華子さん（新婦の名前）。初めて太郎（息子）が華子さんを紹介してくれた時は、どこか息子と似たような明るい笑顔と優しい話し方にとても安心したのを覚えています。

本日、新しい人生のスタート地点に立ったふたりですが、親から見ればまだ未熟なところもあります。今後とも皆さまには、どうか末永くふたりを見守り、ご指導ご鞭撻賜りたいと思っております。

本日は慣れない宴席で至らぬ点もあったかと思いますが、何卒お許しくださいませ。

結びに皆さまのご健康とご多幸をお祈りしつつ、両家代表の挨拶と代えさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。

要確認！　親の挨拶で注意したいポイント

ここまで結婚式での挨拶の例文を紹介してきましたが、スピーチを作るうえで気を付けなければいけないポイントがあります。文章を考える際は、以下に注意しましょう。

忌み言葉
結婚式では使用を控えたほうがよい「忌み言葉」。例えば、ふたりの別れを連想させる「切る」などはマイナスなイメージを与えるため、お祝いの場ではふさわしくないといわれています。

また、「まだまだ」のように同じ言葉を繰り返したり、同じ意味の言葉を重ねる「重ね言葉」も再婚を連想させることから避けるのがベターです。

≫結婚式で避けたい【忌み言葉一覧(言い換え例付)】の詳細はこちら


避けるべき話題
悪意がなくても、個人の特徴やプライベートな内容を話すことで、誰かを傷つけてしまう可能性もあります。

・年齢について
「もう〇〇歳になって」「いつお嫁に行くのか気を揉んでいた」など、年齢に触れる話題は避けるのが無難。親心でついつい言いたくなるかもしれませんが、ぐっと我慢しましょう。

・性別について
「女性は家を守って、男は外で稼ぐ」のような、性別で役割を分けるような発言はNG！　時代の流れとともに価値観は変化しています。「ふたりで協力して～」のように、お互いに力を合わせるというような表現にするのがベスト。

・妊娠や出産について
家族の形は人それぞれ。「孫の顔が早く見たい」のように、“結婚したら子どもを産み育てるのが当たり前”といった発言は、新郎新婦に余計なプレッシャーを与えてしまいます。また、新婦が妊娠中の場合も本人の許可を取らずに話すことは絶対にやめましょう。

ほかにも、短所や失敗談といった新郎新婦の評判を下げるような話題や、家族の自慢話ばかりにならないように注意を。


新郎新婦の謝辞と内容が被らないように
これまでの披露宴では、両家を代表する親の挨拶で締めくくるのが一般的でした。ただし、最近では新郎も謝辞を述べるケースが増えています。

新郎も挨拶をする場合は、基本的に親の挨拶の後になります。どちらの挨拶もゲストへ感謝の気持ちを伝えるというのが目的なので、新郎の謝辞の内容と被らないように事前にすり合わせしておくと安心です。

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マナーを守って、感謝が伝わる挨拶を

結婚式当日はカンペを持って挨拶をしても問題ありません。ただし、カンペに集中しすぎてはゲストに気持ちが伝わりづらいため、時には目線を上げ、ゆっくりはっきり話すことを心掛けましょう。

注意点も忘れずに確認して、ぜひ心に響くスピーチにしてくださいね。

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