世界最大級のダイヤモンド原石は、一種の奇跡である。大きさ、歴史、そして価値、すべてに圧倒される存在感だ。ここでは、2025年7月時点でTOP3のカラット数を誇る、ダイヤモンドの原石をご紹介しよう。
【第1位】カリナン(3106カラット)
カリナンは世界最大とされるダイヤモンド原石である。その質量はなんと3106カラット(621.2 g)。カリナンは1905年に南アフリカで発見され、鉱山会社の会長であるトーマス・カリナンにちなんで名付けられており、「偉大なるアフリカの星」とも称されている。
その驚異的な大きさは瞬く間に世界中の関心を集めた。発見当初は、ダイヤモンドの原石らしからぬ透明度と大きさで水晶やガラスなどと間違えられたとも言われている程だ。
その後この巨大な原石は、9つの大きな宝石と96個の小さな宝石にカットされた。慎重に行われたカットの作業途中、職人が極度の緊張で失神するほどだったという逸話もある。
9つの大きな宝石はそれぞれカリナンIからIXと名付けられており、現在はすべてイギリス王室か王族個人が所有している。最も大きな断片であるカリナンIは530.2カラットで、英国王室の王笏に取り付けられており、317.4カラットの大きさを誇るカリナンIIも、王冠に装飾されている。
カリナンダイヤモンドの断片は、現在の市場で推定数億ドル以上の価値を持つとされる。しかしその真の価値は金銭的評価を超えており、イギリス王室の歴史的遺産としても非常に重要なものである。カリナンダイヤモンドは単なる宝石以上の存在であり、その価格もその特別な意味を反映しているのだ。
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【第2位】ボツワナ(2492カラット)
2位以降のダイヤモンドは、時代とともに入れ替わりがある。最近でいえば、2024年にアフリカ南部のボツワナで2492カラットのダイヤモンドが見つかり、記録を塗り替えたばかりだ。
発掘したのは、カナダの鉱山会社ルカラ・ダイヤモンド。この速報が世界を駆け巡った際には、株価が91%も急騰したというから、驚きだ。さらには、この原石は同社が2017年に導入したX線の技術によって発見されたものという点でも、注目を集めている。
野球ボール大のこのダイヤモンドの処遇は未定だが、数千万ドルの価値があると予想されており、今後の行方が注目される。
【第3位】セヴェロ(1758カラット)
2019年4月にカロウェ鉱山から回収された、1758カラットのダイヤモンド原石セヴェロ。「希少な発見」という意味を持ち、こちらもルカラ・ダイヤモンド社が発掘したものである。
大きさはテニスボールほどで、ブラックカーボンの薄い層で表面が覆われた見た目も注目を浴びた。
発掘後はルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が原石を入手し、加工して使用してる。